父は憶えている
劇場公開日:2023年12月1日
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解説・あらすじ
「あの娘と自転車に乗って」「馬を放つ」などで知られる中央アジアの名匠アクタン・アリム・クバトが、母国キルギスのインターネットニュースで見つけた実話に着想を得て、出稼ぎ先のロシアで記憶と言葉を失い故郷へ帰ってきた父とその家族を描いたヒューマンドラマ。
23年前にロシアへ出稼ぎに行ったまま行方がわからなくなっていたザールクが、キルギスの村に帰ってきた。家族や村人たちは記憶と言葉を失った彼の姿に動揺するが、そこにザールクの妻であるウムスナイの姿はなかった。周囲の心配をよそに、ザールクは村にあふれるゴミを黙々と片付ける。そんなザールクに、村の権力者による圧力や、近代化の波にのまれていく故郷の姿が否応なく迫る。
クバト監督が主人公ザールクを自ら演じた。2022年・第35回東京国際映画祭コンペティション部門出品。
2022年製作/105分/G/キルギス・日本・オランダ・フランス合作
原題または英題:Esimde
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2023年12月1日
スタッフ・キャスト
関連ニュース
【「父は憶えている」評論】過ちは見直され、良きものが受け継がれる――中央アジア、キルギスの理想を描く
2023年12月3日ロシアへの出稼ぎで記憶を失った男が20年ぶりに帰郷 アクタン・アリム・クバト監督「実際にあったストーリーなんです」
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2022年9月21日
映画評論
過ちは見直され、良きものが受け継がれる――中央アジア、キルギスの理想を描く
アクタン・アリム・クバト監督が自ら演じるザールクは、出稼ぎ先のロシアで事故にあい、記憶と言葉を失った状態で故郷キルギスの村に戻って来る。空白の期間は23年。その間のキルギスでは3度も大きな政変があった。舞台となる村の様子も大分変わったようだ。権力者の地位...
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映画レビュー
3.5スクリーン越しにキルギスの大地に触れられる喜び
キルギスの小さな村を舞台に、ロシアへ出稼ぎに行ったきり消息不明だった父の帰郷を描いた物語。23年ぶりに再会した父は記憶や言葉をすっかり失っていた。そしてふと気づけば家を抜け出し、ただ黙々とゴミを拾い続ける日々・・・。我々の頭にまず湧き上がるのは、父に一体何があったのかという疑問だが、しかし本作はそんな過去には目もくれず、「今この瞬間」だけを見つめる。すなわち、父の行動に振り回されつつも、なんとか前に進もうとする家族の姿を穏やかに、丹念に、浮き彫りにしていくのだ。背景にはキルギスの雄大な景色と、便利さからは程遠い村の環境設備、厳しさと共にある経済状況がゆったりと広がる。そんな中でも孫の少女はいつも好奇心旺盛な笑みを絶やさず、窓辺には可憐な花が咲いている。スクリーンを介してキルギスの文化や人々の心に触れられるこの喜び。彼ら家族が何を抱きしめ未来を生きようとしているのか、しみじみと伝わってくる。
-時間は平等に流れる
5.0長年行方不明だった父が、郷里のキルギスに突然戻ってきたものの、記憶...
5.0劇的な事件は起こらない映画
23年ぶりに帰ってきた父親が記憶も言葉も失っていた、という以上の事件は起こらないし、派手なB.G.Mもかからないドキュメンタリーのような映画という点で成瀬巳喜男の『あにいもうと』を思い出しました。
イスラム文化圏で旧ソ連圏、中央アジアの乾いた風景は日本とは明らかに異なって共通項もありませんが、キルギスの人たちはどこか日本人に似ていて、23年もの時が流れれば、かつての故郷も様変わりしているのはどの国でも似たような事情なのだと思います。
同じ監督の『旅立ちの汽笛』で主演を張った息子さんが今作でも息子の役で好演しています。最初のうちは事情も話さず、ただ村中のゴミを拾い集める父を恥ずかしいと思っていたのに、いつかそんな父を受け入れて、母の再婚を止められなかったことを謝罪するまでになっていくのを見ていると、お国が違えど人間の幸せというのは普遍的なものなんだろうなと思わされました。
最後、やっぱり黙々と木を白くする(キルギスの風習だそうですが)父が、戻ってきた母の歌声を聞いて空を見上げる表情に、この家族の再生という希望を見出して温かい気持ちになりました。
静かに心に染み入る名作です。
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