コットンテール
劇場公開日:2024年3月1日
解説・あらすじ
リリー・フランキー演じる妻を亡くした男の家族再生を描いた日英合作映画。
兼三郎は妻・明子の葬式でしばらく疎遠となっていた一人息子の慧(トシ)とその妻さつき、孫のエミに久しぶりに会う。酒に酔い、だらしない態度をとる喪主の兼三郎に、トシは苛立ちつつも気にかけていた。開封された明子の遺言状には、明子が子どもの頃に好きだった「ピーターラビット」の発祥地であり、夫婦で行きたいと思っていたイギリスのウィンダミア湖に散骨して欲しいという内容が描かれていた。兼三郎とトシ一家は、明子の願いをかなえるため、イギリス北部の湖水地方にあるウィンダミア湖へ旅立つ。兼三郎役のリリーのほか、錦戸亮、木村多江、高梨臨らが顔をそろえる。
監督・脚本は、英国アカデミー賞US学生映画賞とヨーロッパ人として初めて学生エミー賞をドラマ部門で受賞したパトリック・ディキンソン。
2023年製作/94分/G/イギリス・日本合作
原題または英題:Cottontail
配給:ロングライド
劇場公開日:2024年3月1日
スタッフ・キャスト
インタビュー
リリー・フランキー&木村多江が語り合う、“あの時”から今
リリー・フランキーと木村多江が日英合作映画「コットンテール」(パトリック・ディキンソン監督、3月1日公開)で夫婦役を演じた。90年代の事件、裁判とともに法廷画家の夫と妻の10年間の歩みをつづった「ぐるりのこと。」(橋口亮輔監督、200...
このインタビューを読むコットンテール の関連作を観る
関連ニュース
2024年上半期の“最推し映画”は? 映画.comユーザーの心に刺さった“100本”を発表
2024年7月28日リリー・フランキー、主演作「コットンテール」公開に感激しきり「今日は特に感慨深い」
2024年3月2日草笛光子が作家・佐藤愛子演じる「九十歳。何がめでたい」に唐沢寿明ら 特報、メインキャスト、ティザービジュアル発表
2024年2月26日【インタビュー】リリー・フランキー&木村多江が語り合う、“あの時”から今
2024年2月23日リリー・フランキー、息子役の錦戸亮は「ほぼオカン」と笑顔 撮影中に手作りのおにぎり
2024年2月13日リリー・フランキー×錦戸亮×木村多江×高梨臨「コットンテール」映像初公開 亡き妻の願いを叶えるため、英・湖水地方へ
2024年1月31日
フォトギャラリー
映画レビュー
5.0よく見れば、良い家族、良い映画
嫌味無く、とても良い家族の良い映画だったと思います。
実はあまり広告の説明を読まずに、丁度良い上映時間を選んだだけで映画館に飛び込みました。上映開始後、内容はすぐに理解。誰も居ない席のグラスにビールを注いで、万引きしたタコの寿司を食べる。それだけで、どんなお話は大体読める。とても判りやすい。思い出されるのは出逢った頃の妻の姿。とても愛らしい昭和美人。そして弔いのビールを飲み干して、息子に連れて行かれた、その妻の葬儀。
なんだか、うさんくさい駄目親父だと思ってたけど、出逢った頃の妻を未だに胸に抱くその姿。ぶつかり合いながらも、その父を見捨てない立派な息子。とても良い家族。とても良い話。悪い人は全く出てこない(電車で乱痴気騒ぎで絡んできたイギリス人も含めて)スムーズに理解出来る良い映画だったと思います。
誰にも任せられず、しっかりと胸に抱えた遺骨のバックも、散骨を終えれば、やっと肩の荷が下りたのでしょう。地面に下ろして息子夫婦や孫と一緒にウサギを追って駆けていくエンディングは素晴らしかったのですが、これは誰もが辿る物語。スタッフのエンドロールに強い重みを感じました。
3.5きっと一緒に
4.0迷子のコットンテール
リリー・フランキー演じる作家大島兼三郎は、おそらくノーベル賞作家大江健三郎がモデルになっている。長男の大江光は脳瘤(脳ヘルニア)のある障害者で、その実体験をもとに『静かな生活』などの小説を書いている。本作の兼三郎も妻の明子(木村多江)が認知症を発症自宅介護を選択するものの、責任を最期まで全うすることができなかったことを悔いていた。その贖罪からだろうか、息子慧(錦戸亮)家族とも疎遠になっている兼三郎だった。
この兼三郎、魚河岸で奥さんの大好物タコブツを無断で失敬したり、英国湖水地方のとある駅で放置されていた自転車をネコババしたり。手癖の悪いところがあの“ピーター・ラビット”にクリソツなのである。映画タイトル『コットンテール』はピーターに3匹いる妹のうちの1匹の名前であり、妹たちにたらふく野菜を食わせてやりたいと人間の耕す畑から無断で拝借する様子が面白おかしく描かれているそうで、やがて“自由”には“責任”が伴うことを学んでいくのである。
つまり、イギリス人映画監督が日本人俳優を使って撮りあげた長篇処女作は、家族が障害者を受容するにあたって生じる責任について言及した作品ではないのだろうか。途中兼三郎が迷子になってお世話になる英国人とその娘が登場するのであるが、娘の年齢からして母親が何かしら病気を患って早逝したらしいのだが、その介護生活にはあまり触れられていない。しかしながら本作は、障害者や認知症患者を受容する(万国共通の)家族の葛藤をテーマにした作品であろう。
兼三郎の場合、仕事に忙殺され家族をかえりみなかった疚しさをして、息子とその家族をわざと過酷な介護生活から遠ざけたようなところもあり、息子の慧としては(自分勝手に一人で責任を負うようなまねをせず)もっと自分に頼って欲しかったというのが本音ではなかったのだろうか。映画としては、原作者ビアトリクス・ポターよろしく湖水地方の美しい湖へ明子の遺灰を散骨するロマンチックストーリーになっているため、介護問題への言及が多少薄まってしまった気がする。
映画ラストは、草むらに逃げ込んだ“コットンテール”を家族で一緒に追いかけるシーンで閉幕する。ここ湖水地方では犬も歩けば必ずや遭遇する迷子のウサギちゃんらしく、徘徊して行方不明になりかけた明子をそれに重ねているのだろう。一人で湖を探そうとするから道に迷うのであって、みんなで仲良くウサギちゃん探しゲームを楽しむくらいのノリで介護に望めばいいのである。この世の不幸をすべて背負子んだかのような兼三郎の頑なな態度こそが、家族を破壊する元凶なのだろう。
3.5沁みた
映画.com注目特集
3月21日更新
【衝撃の問題作】なぜ世界は本作に熱狂する?この村は人を喰ってる――“絶対的支持”の理由を解説
提供:ディズニー
【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――
提供:東和ピクチャーズ
【あまりにオススメされるので、シリーズ未見だけど観てみた】結果は…ハマるまでのリアルドキュメント
提供:ツインエンジン【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI注目作品ランキング
1
ウィキッド ふたりの魔女劇場公開日 2025年3月7日
2
35年目のラブレター劇場公開日 2025年3月7日
3
映画ドラえもん のび太の絵世界物語劇場公開日 2025年3月7日
4
お嬢と番犬くん劇場公開日 2025年3月14日
5
ロングレッグス劇場公開日 2025年3月14日
映画ニュースアクセスランキング
- 昨日
- 先週
1
養女に迎えた7歳の少女の“正体”は、本当に成人女性なのか? 全米を騒がせた実話を基にした衝撃作、配信開始2025年3月20日 09:00
2
実写「白雪姫」“7人のこびと”おとぼけ役は風間俊介「願いが叶いました」2025年3月20日 07:00
3
WEST.主演映画「裏社員。スパイやらせてもろてます」に恒松祐里が出演! 全編関西弁でヒロイン役に挑戦2025年3月20日 12:00
4
【インタビュー】柳楽優弥×笠松将「ガンニバル」完結編を“3つのキーワード”で語り尽くす2025年3月20日 11:00
5
高橋文哉&西野七瀬にもたらした、瀬々敬久監督からの大きな財産【「少年と犬」インタビュー】2025年3月20日 12:00
1
ニコラス・ケイジの変貌ぶりがヤバすぎて主演女優の心拍数が「76→170」に跳ね上がる「一生忘れない」2025年3月11日 18:00
2
櫻井翔×北川景子「映画 謎解きはディナーのあとで」3月29日に放送2025年3月14日 16:00
3
「日曜アニメ劇場」3月16、23日に「宇宙戦艦ヤマト2199」劇場版2作を放送 30日は「ルパン三世VSキャッツ・アイ」2025年3月14日 18:00
4
【閲覧注意】台湾ホラー「ガラ」5月9日公開決定! 衝撃の日本版ビジュアル&予告編&場面写真を一挙公開2025年3月10日 08:00
5
【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙2025年3月14日 22:55