ブラックボックス 音声分析捜査
劇場公開日:2022年1月21日
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解説・あらすじ
「イヴ・サンローラン」のピエール・ニネ主演で、旅客機墜落事故の真相究明にあたる音声分析官が航空機業界の闇を暴くサスペンススリラー。ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落し、乗客乗務員316人全員が死亡。さらに、事故機のフライトレコーダー、通称「ブラックボックス」を開いた航空事故調査局の音声分析官ポロックが、謎の失踪を遂げる。ポロックから調査を引き継いだマチューは「コックピットに男が侵入した」と記者会見で発表。乗客にイスラム過激派と思われる男がいたことが判明したことで、マチューの分析は高く評価される。ポロックに代わる責任者としてさらなる調査を続けるマチューは、被害者の一人が夫に残した事故直前の留守電を聞く。しかし、その音がブラックボックスに残された音と違う事実にマチューは愕然とする。監督は「パーフェクトマン 完全犯罪」のヤン・ゴズラン。
2021年製作/129分/G/フランス
原題または英題:Boite noire
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2022年1月21日
スタッフ・キャスト
- 監督
- ヤン・ゴズラン
- 製作
- ワシム・ベシ
- チボー・ガスト
- マティアス・ウェベール
- 脚本
- ヤン・ゴズラン
- シモン・ムタイルー
- ニコラ・ブーベ=ルブラー
- 撮影
- ピエール・コットロー
- 美術
- ミシェル・バルテレミ
- 編集
- バランタン・フェロン
- 音楽
- フィリップ・ロンビ
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2021年12月30日
映画評論
素晴らしい音響編集が効果を発揮 予想より壮大で邪悪なテーマを描いている
「ブラックボックス 音声分析捜査」は、陰謀説も根強い2014年のマレーシア航空370便墜落事故や2015年のジャーマンウイングス9525便のパイロットによるフランスアルプスへの自爆急降下、2018年のライオン航空610便、2019年のエチオピア航空302...
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映画レビュー
4.0音の世界に目をつけた発想力が素晴らしい
世の中には「音」に焦点を当てた映画がいくつかある(「ギルティ」「ミッドナイト・クロス」など)が、航空事故の原因を探る上で不可欠なブラックボックスと、そこに刻まれた音を読み解く専門分析官を登場させた時点で、本作の独自性はある程度担保されたようなものだ。その世界は、闇に広がる出口なき迷宮。そこから何かを聞き取ろうと入り込むあまり、何が真実で何が幻聴か、その境界線を見失う者だって存在する。果たして主人公が辿る道はどうかーーー。冒頭からワンカット風の映像で旅客機内の構造を簡潔に描き、巻き起こる惨事については決して映像で見せることなく、観客は主人公の特殊な技能に身を預けながら想像力を働かせる。ピエール・ニネ演じる主人公がまた絶妙だ。少々生きづらさを感じるほど真面目すぎるところが難点だが、それゆえキャラクターが人間らしく息づき、彼が立ち向かうサスペンスも息切れすることなく映える。見応えある良作である。
4.0派手さはないが一級の社会派スリラー。音声記録の分析プロセスも興味深い
出演陣も製作陣も、仏映画のファンや本国の観客を除けば知名度がさほど高いわけでもないので、やや地味目な座組みの印象を受けるかもしれない。だがふたを開けてみると、フライトレコーダーから墜落事故の真相を探る謎解きの知的興奮と、航空機業界の“現実”に鋭く迫る社会性を兼ね備えた一級品であることが明らかになる。
主人公はフランスの航空事故調査局で働く音声分析官マチュー。300人を乗せたドバイ発パリ便がアルプス山中に墜落し、当初の担当だった上司が謎の失踪を遂げたことで、マチューがフライトレコーダー(通称ブラックボックス)の分析を引き継ぐ。初期の段階では、記録されていたかすかな叫び声などからイスラム過激派によるテロが疑われるが、いくつかの情報から調査は新たな展開を見せ、マチューは航空機業界の闇に迫ることになる……。
まず、機長と管制の通話などを記録した音声データから、ノイズ除去などの処理を施して手がかりを探していくプロセスの描写が興味深い。“音”だけの変化では単調になりそうなところを、PCディスプレイ上の波形データや、マチュー役ピエール・ニネの繊細な表情の演技で飽きさせないように工夫している。彼の妻でやはり航空業界で働くノエミを演じるルー・ドゥ・ラージュの、計算高そうで謎をにおわせる雰囲気も、サスペンスの持続に大いに貢献している。
朝日新聞がちょうど今月、「強欲の代償 ボーイング危機を追う」と題した連載で「ボーイング737MAX」機の2018年、19年に連続して起きた墜落事故の原因が失速防止システムの不具合にあったことと、どうしてそんな危険な機種が開発され当局から認可も受けていたのかを詳しく追っている。朝日新聞がこの映画をひそかに応援しているの?と勘繰るくらいタイムリーな連載だが、いや待て、映画の脚本が737MAXの事故に着想を得た可能性もあるぞと思い直してプレス資料にあたったら、ヤン・ゴズラン監督が脚本の仕上げに入った2019年頃、各国で737MAXの運航停止・禁止が相次いだという。監督は「現実が僕たちに追いついてしまった」とコメントしている。
自動化システムに依存しすぎることのリスク、安全性より利益や株価上昇を優先する傾向、メーカーや外注企業と規制当局との不適切な関係など、これは決して航空機業界に限った問題ではない。乗り物つながりで言うと、車の自動運転技術が今後ますます普及すれば運転支援システムに起因する事故が増える可能性もあるだろうし(本作にも車の支援システムがハッキングされる場面がある)、AIの応用はさまざまな業界に及ぶはずだ。人はテクノロジーとどう付き合っていくのかというますます複雑化する問題に、警鐘を鳴らす意欲作でもある。
3.5Necessary Tech-Horror Thriller that Gets Carried Away
For those with a fear of flight, the opening long-shot to Black Box is gripping tension. The aviation safety employee with a skill for fast sound-editing detective work makes this an audiophile's masterpiece, taking Sound of Metal's cues into the mystical worlds made in earpieces. Developing into Tom Clancy-level geopolitical sabotage, a 30-minute cut might have made the film seem more serious.
4.0これは、面白い
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