アオラレ
劇場公開日:2021年5月28日
- 予告編を見る
- U-NEXTで
本編を見るPR

解説・あらすじ
「グラディエーター」のオスカー俳優ラッセル・クロウが、あおり運転の常習犯を演じたスリラー。寝坊してあわてて息子を学校へ送りながら職場へと向かう美容師のレイチェル。車を運転する彼女は信号待ちで止まるが、信号が青になっても前の車は一向に発進しようとしない。クラクションを鳴らしても動じないため、レイチェルは車を追い越すが、つけてきた男から「運転マナーがなっていない」と注意されてしまう。謝罪を求める男を拒絶し、息子を無事に学校に送り届けたレイチェルだったが、ガソリンスタンドの売店でさっきの男に尾けられていることに気づく。レイチェルは店員から男があおり運転の常習犯であることを警告され……。素性不明の恐怖のあおり運転常習犯をクロウが怪演。被害者となるレイチェルを、「移動都市 モータル・エンジン」「否定と肯定」などに出演したカレン・ピストリアスが演じた。監督は「レッド・バレッツ」「幸せでおカネが買えるワケ」のデリック・ボルテ。
2020年製作/90分/PG12/アメリカ
原題または英題:Unhinged
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2021年5月28日
スタッフ・キャスト
アオラレ の関連作を観る
関連ニュース
【「スピーク・ノー・イーブル 異常な家族」評論】改変も味のうち。ハリウッドナイズされた北欧“鬱“スリラー
2024年12月14日ジェイソン・モモア、故郷ハワイの山火事被災者支援を呼びかけ
2023年8月12日中島みゆき、岡田麿里監督×MAPPA制作の劇場アニメの主題歌を書きおろし アニメ映画に初の楽曲提供
2023年6月29日ラッセル・クロウが“フィジカルが強そうなエクソシスト”役 SNSで話題に「絶対物理で何とかする」「どう考えても強い」
2023年6月23日西畑大吾、ホラー苦手の原因つくった清水崇監督は好きになるも「忌怪島」でビビりは克服できず
2023年6月16日マッツ・ミケルセン主演「ポーラー 狙われた暗殺者」続編、バネッサ・ハジェンズも続投
2023年5月26日
映画評論
瞠目すべきクロウの怪演。車道の殺人鬼を描く現代の「激突!」!!
「アオラレ……脳内の考えが周りの人に知られちゃうやつ?」って、それは20年前に公開された本広克行監督の「サトラレ」(01)だ。ここで触れるのは、公道で車間距離を詰めたり、危険な追い越しを指す、あの社会問題にもなった「あおり運転」が発端の新作スリラーだ。1...
この映画評論・批評を読むフォトギャラリー
映画レビュー
3.5ラッセル・クロウが全力でヴィランを演じ切る
ラッセル・クロウが出ていなければ、いや、出ていても、やはり漂うB級臭。『激突!』『ヒッチャー』『フォーリング・ダウン』の系譜に連なる怪作だと思いつつ、カルト作として後の世に残っていくのかは、今の自分にはまだよくわからない。とりわけ、せっかく名前を与えなかった“男”に明らかに動機を与えてしまったことが、本作から魔法を奪ってしまったかも知れない、とも思う。
とはいえ、いざ物語が動き出してからは、スリルからスリルの連続攻撃でキビキビと進むのが心地よい。ラッセル・クロウの無双感と不気味さもかなりのものであり、あとカーアクションとして地味シブなアプローチもたまらない。いいジャンル映画を観たと素直に拍手したいし、前述の動機のことはさておき、クロウが一方的に悪く、主人公が一方的にとばっちりというわけでもないさじ加減は、いいところ踏ん張ってくれたと思う。いや、いいですよ、これはなかなかいいですよ。
4.0深く考えずに楽しめるジェットコースター的なアクション・スリラー作品。珍しく宣伝文句が大袈裟でないハリウッド映画。
本作については、主演がラッセル・クロウであることと、ロックダウン解除後すぐに公開されアメリカなどで週末ランキング1位になったことは知っていました。
ただ、きっと駄作なんだろうな、と敬遠していました。
ところが映画の宣伝で、タイトルの「アオラレ」にかけて、週刊誌風な広告を作ってみたり、なかなか面白い試みを行なっていたので興味を持ちました。
そして実際に見てみると、意外にも宣伝文句が正しく突き刺さっていたのです!
「これが、あおり運転の最終形態。」
まぁそうでしょうね。なかなかこれを上回る事態はない気がします(笑)。
「たった一度のクラクションが、すべてを変えるーーー」
これも(イライラしがちな)現代の自動車社会の真理を的確についている構図でしょう。
このように、実は本作はリアリティーのある設定になっているのです。
そう、ラッセル・クロウ扮する素性不明な男の言動以外は、リアリティーのある日常なのです。
ただ「ゴツい素性不明な男の言動」だけは読めません。
そのため、ノンストップで起こり続ける事態に、ただ身を委ねているしかできないのです。
このようなジェットコースター的な映画は途中で冷めがちですが、本作は意外と良く出来ていて90分をドキドキしながら最後まで楽しめると思います。
2.0邦題がよくないな
4.0邦題でスルーするのはもったいない良作サスペンスアクション
冒頭でニュース映像を用いて山積する社会問題をアレコレと雑多に並べ立てるくだりを観て、てっきり社会派映画かと思い込んでいたが、実際はラッセル・クロウ演じる異常者トムが好き放題に暴れまくる脳筋映画だった。
本作におけるトムの人物造形はコーエン兄弟『ノーカントリー』に登場する殺し屋シガーに近いものがある。自分の欲求のためであればどこまでも他者を欺き、蹂躙することができるサイコパス。それでいて殺人そのものを目的化している快楽殺人者という感じもなく、それゆえ人間性というものからもっとも隔たったところにいるような印象がある。
本作の場合、トムはいちおう社会に対する憎悪というヒューマンな行動原理を抱えてはいるものの、その憎悪はどこまでも曖昧であり、「社会が悪い」以上の射程を持っていない。そのあまりにも近視眼的な思考回路が、彼の他者との相互関係の乏しさを浮かび上がらせている。
とはいえトムは単にパニック映画のモンスターのようなコミュニケーション不可能のバケモノではない。むしろ彼の話術は非常に巧みで魅力的だ。カフェでレイチェルの弁護士と向かい合うシーンなどが好例だろう。トムはレイチェルの知人を装い、弁護士からレイチェルの情報を聞き出す。あまつさえコーヒー一杯を賭けた気の利いたゲームまで提案する。
しかしほどなく彼は「弁護士」という大文字の肩書きが惹起するブルジョア性に対する憎悪を急沸騰させ、その場で弁護士を刺し殺す。あまりにも唐突な変貌ぶりに唖然としてしまう。
ひたすら淡々と人を殺し続ける『ノーカントリー』のシガーよりも、その都度都度で人格が急変するトムのほうが場合によっては恐ろしいかもしれない。
その後幕を開けるレイチェル(&息子のカイル)とトムのカーチェイスはなかなか迫力がある。線路下のせせこましい道路でギュンギュン暴走しまくるシーンはウィリアム・フリードキン『フレンチ・コネクション』を彷彿とさせる。スタントを使ってるとはいえマジで危ないよな…
レイチェル&カイルvsトムの追走劇の最終決戦は民家に持ち越される。このあたりはありきたりな感じが否めない。ただ、冒頭でのレイチェルの美容師設定が意外な形で活きてくる。美容師といえばハサミ、ハサミといえば武器。トムにトドメを刺したのは彼女が尻ポケットに忍ばせていたハサミだった。
前半の緊迫したサスペンスに比して後半の展開がありきたりてあるという点において若干の不満は残るものの概してスリリングな作品だった。邦題のバカバカしさで鑑賞を見送るのはもったいない。
映画.com注目特集
3月14日更新
【衝撃の問題作】なぜ世界は「ガンニバル」にハマるのか? “絶対的支持”の理由を徹底解説!
提供:ディズニー【観ないとぜっったい後悔する】「グレショ」監督最新作!ラスト5分の破壊力に、感動を超えて放心状態
提供:東和ピクチャーズ
【大好きなやつでした】不覚にも“秒”で沼にハマって大変なことになった話
提供:ツインエンジン
【社会現象「パラサイト 半地下の家族」の次はこれ】“超痛快逆襲エンタメ”でアドレナリン全開
提供:ワーナー・ブラザース映画【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI
【感動実話に“とんでもない絶賛”の嵐】噂を聞きつけ実際に観てきたら…忖度なし正直レビュー!
提供:東映【感想投稿で豪華賞品が当たる】ちょっとでも観たことある人、今すぐ参加して!(提供:ディズニー)
注目作品ランキング
1
ウィキッド ふたりの魔女劇場公開日 2025年3月7日
2
35年目のラブレター劇場公開日 2025年3月7日
3
ファーストキス 1ST KISS劇場公開日 2025年2月7日
4
映画ドラえもん のび太の絵世界物語劇場公開日 2025年3月7日
5
知らないカノジョ劇場公開日 2025年2月28日
映画ニュースアクセスランキング
- 昨日
- 先週
1
「夜明けのすべて」藤沢さんと山添くんの物語を“映画”にするための試み 三宅唱監督、松村北斗&上白石萌音の“声”にも言及2025年3月16日 08:00
2
Snow Man渡辺翔太が映画単独初主演! 大ヒットホラーシリーズ最新作「事故物件ゾク 恐い間取り」7月25日公開2025年3月16日 11:00
3
聖地巡礼ツアーも話題「アイの歌声を聴かせて」舞台が佐渡になった理由、AIの表現について吉浦康裕監督らがトーク2025年3月16日 09:30
4
「エレファント・マン」を新たな視点で描く伝記映画 ジャック・ヒューストンが監督2025年3月16日 09:00
5
「この恋で鼻血を止めて」に杉田智和と日笠陽子が出演、本PVとキービジュアル公開 4月2日から放送開始2025年3月16日 07:00
1
ニコラス・ケイジの変貌ぶりがヤバすぎて主演女優の心拍数が「76→170」に跳ね上がる「一生忘れない」2025年3月11日 18:00
2
櫻井翔×北川景子「映画 謎解きはディナーのあとで」3月29日に放送2025年3月14日 16:00
3
「日曜アニメ劇場」3月16、23日に「宇宙戦艦ヤマト2199」劇場版2作を放送 30日は「ルパン三世VSキャッツ・アイ」2025年3月14日 18:00
4
【閲覧注意】台湾ホラー「ガラ」5月9日公開決定! 衝撃の日本版ビジュアル&予告編&場面写真を一挙公開2025年3月10日 08:00
5
【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙2025年3月14日 22:55