ザ・プロム
劇場公開日:2020年12月4日
解説・あらすじ
メリル・ストリープとニコール・キッドマンが共演し、テレビシリーズ「glee グリー」のライアン・マーフィが監督を務めたNetflixオリジナルのミュージカル映画。ニューヨークの元人気舞台俳優ディーディーとバリーは、新作ミュージカルが失敗し役者生命の危機に立たされる。一方、インディアナ州の田舎町では、恋人同士の女子高生エマとアリッサが、女性カップルでプロムに参加することを禁止され悲嘆に暮れていた。ひょんなことからその事実を知ったディーディーとバリーは、この機会を利用して自分たちのイメージを挽回しようと思いつき、同じくキャリアアップを狙うアンジーらとともに計画を練るが……。共演は「ワン チャンス」のジェームズ・コーデン、「ザ・プレデター」のキーガン=マイケル・キー、「ジャンゴ 繋がれざる者」のケリー・ワシントン。Netflixで2020年12月11日から配信。一部の映画館で12月4日から劇場公開。
2020年製作/132分/G/アメリカ
原題または英題:The Prom
劇場公開日:2020年12月4日
スタッフ・キャスト
- 監督
- ライアン・マーフィ
- 製作
- ライアン・マーフィ
- アレクシス・マーティン・ウッドオール
- アダム・アンダース
- ドリ・ベリンスタイン
- ビル・ダマスキ
- 製作総指揮
- エリック・コブタン
- ダグ・メリフィールド
- ケイシー・ニコロウ
- チャド・ベゲリン
- ボブ・マーティン
- マシュー・スクラー
- トッド・ネニンジャー
- スコット・ロバートソン
- 原作
- チャド・ベゲリン
- ボブ・マーティン
- マシュー・スクラー
- 脚本
- ボブ・マーティン
- チャド・ベゲリン
- 撮影
- マシュー・リバティーク
- 美術
- ジェイミー・ウォーカー・マッコール
- 衣装
- ルー・アイリッチ
- 編集
- ペギー・タッジャン
- ダニエル・ワン
- 音楽
- マシュー・スクラー
- デビッド・クロッツ
- 作詞
- チャド・ベゲリン
- 作曲
- マシュー・スクラー
- 振付
- ケイシー・ニコロウ
- 音楽監修
- アマンダ・クリーグ・トーマス
- 音楽製作
- アダム・アンダース
- ピアー・アストロム
- ライアン・マーフィ
- 音楽総指揮
- ライアン・マーフィ
- アダム・アンダース
受賞歴
第78回 ゴールデングローブ賞(2021年)
ノミネート
最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル) | |
---|---|
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) | ジェームズ・コーデン |
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フォトギャラリー
映画レビュー
3.0売名でも偽善でも良い変化をもたらすならありか
社会運動へのコミットは個人の名声を高めるのに利用できる。そういう偽善はよくないという意見もあれば、売名だろうとなんだろうとそれで助かる人がいればいいじゃないかという意見もある。
本作の主人公、ディーディーはブロードウェイの往年のスターだ。新作が酷評され、このままではいけないと、人気回復のために保守的なインディアナ州で同性愛を公言した女子高生が、プロムに参加できるようにするキャンペーンを勝手に張ることを思いつく。意気揚々と高校に乗り込んできて、私たちが遅れた価値観のあなたたちの目を覚まさせてあげるよ、みたいな態度で騒動を巻き起こす。
鼻につく態度であることは間違いない。しかし、騒動がきっかけで多くの人が考えを見直すきっかけを作っていることも事実である。ただ、少し言葉で言われただけで、保守的な価値観で育った人々があれほどコロッと変わってしまうものだろうか、という疑問は持った。ライアン・マーフィ監督の願いも込みでそういう物語にしたのだろうと思うが。ジェームズ・コーデン演じるバリーの存在がマーフィ監督的にはキモなんだろう。
ミュージカルシーンは抜群に楽しいし、芸達者な役者が揃っているし観ていて飽きない作品だった。
3.5寛容と変化がテーマのスター競演ミュージカルの味わい方
プロムナイト。この高校最後の年にキャンパスで開催される卒業パーティは、生徒たちにとって晴れの舞台。従って、これまでも度々青春映画のネタになって来た。「アメリカン・グラフィティ」((73)「グリース」(78)「25年目のキス」(99)etc。しかし、なんと言っても強烈だったのは、クラスメートたちから阻害されてきた少女が、プロムクィーンに選ばれた直後、それが悪戯だと知って怒りの超能力でパーティ会場を焼き払う「キャリー」(76)だと思う。TVシリーズ「glee」(11)にもプロムを登場させたライアン・マーフィの最新作は、しかし、同性愛者の女子高生がそれを理由にプロムへの参加を禁止されるという、今そこにある問題をテーマにしている。彼女が受ける屈辱感と疑問は、もしかしてキャリー以上かもしれない。LGBTQ+マターはそう簡単に焼き払うことができないだからだ。そんな高校に新作ミュージカルが酷評された上にクローズとなった出演メンバーが、差別撤退を掲げて(実はイメージ挽回を狙って)乗り込んで来る。見せ場は勿論、舞台組を演じるメリル・ストリープやジェームズ・ゴーデンやニコール・キッドマン等によるド派手なパフォーマンスだ。2人のオスカー女優に当代一の芸達者コーデンを揃えたマーフィ(監督&製作)の吸引力はすごいと思うが、ポイントは、主役の女子高生が投げかけた波紋が、いい意味で周囲に変化をもたらしていく後半の展開にある。寛容と変化。それがなににも増して本作の新しさだ。娘を拘束しようとする頭の固いPTA会長を演じるケリー・ワシントンの美しさが、煌びやかな共演者たちの中一際目立っている。
5.0まさに爽快の玉手箱 学園ミュージカルがド派手に決める!
学園ミュージカルものは大好きなので、おもいっきり期待して鑑賞。
うん、やっぱり期待通りとても楽しく観れた。カラフルでゴージャスな映像にメッセージ性の強い音楽、そして若手から大御所まで個性あふれる役者陣のイキイキした演技、とても爽快な気分になれた。まさに爽快の玉手箱。
学生さんの求愛!?ダンスももちろんキュンキュンきたし、メリル・ストリープをはじめベテラン役者陣の堂々たる歌とダンスはもう圧巻としかいいようがないほど盛り上がる。
そして、本作でまたあらためてメリル・ストリープの演技の幅の広さに感服。何を演じてもトップクラスでしょ。初めて学園に登場したときのド派手なキメ台詞「主役は私じゃない」の独特な間合いなんかはメリル・ストリープでしかできないのではないか。50年にもわたりトップ女優をひた走ってきたキャリアは、紛れもないもう神の域といっても過言ではないだろう。まさにあっぱれ!のひと言。
本作は今どきのテーマを軸にしているゆえに、オジサン世代には当然ギャップを感じざるを得ないところもあるにはあるが、これだけの爽快感を味合わせてくれるなんて、個人的にはやっぱり満点評価でしょ。
4.5歌がいい!
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