ハッピー・オールド・イヤー
劇場公開日:2020年12月11日
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解説・あらすじ
「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」の製作スタジオ「GDH559」と主演女優チュティモン・ジョンジャルーンスックジンが再タッグを組んだタイ映画。デザイナーのジーンはスウェーデンに留学し、ミニマルなライフスタイルを学んで帰国する。かつて父が営んでいた音楽教室兼自宅の小さなビルで、出ていった父を忘れられない母や自作の服をネット販売する兄と暮らす彼女は、ビルを改装してデザイン事務所にしようと思いつき、モノに溢れた家の断捨離を開始。洋服、レコード、楽器、写真など友達から借りたままだったモノを返してまわる中で、元恋人から借りたカメラも小包にして送るが、受取拒否され返ってきてしまう。整理されていく部屋に反比例して様々な思い出が溢れ出し、ジーンの心は乱れていき……。監督は「マリー・イズ・ハッピー」などで国際的に注目を集める新鋭ナワポン・タムロンラタナリット。
2019年製作/113分/G/タイ
原題または英題:Happy Old Year
配給:ザジフィルムズ、マクザム
劇場公開日:2020年12月11日
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
3.0めめしさ
片付けをしているときなつかしいものを見つけ、しばらく手をとめて思い出にふけることがある。とりわけ実家の片付けをしているとき、遠い過去からいろいろな記憶がざくざくでてきて片付けが停滞しがち──なものだ。
この映画はだいたいそんなことを描いていると言える。
さいきん片付けでゆうめいな人(こんまり)のニュース記事がありそれは3児の母になったことで片付けを“少しあきらめた”という発言によるものだった。
彼女が発案した片付けメソッドは世界中で人気を得たが同時にアジア人蔑視も交えたアンチが少なからずいる。
発言は子供と楽しく過ごす時間が大切だから片付けが二の次になっている──という幸せな状況報告にすぎなかったがアメリカではけっこうな非難を浴びている──という記事だった。
メソッドの根幹spark joyとは心ときめくものを捨てないでおくことだそうだ。とはいえ、なんにせよ片付けとは動かすか捨てるかしかない。そんなことで世界的に有名になったのはすごいことだと思う。
ミニマルな生活を標榜し断捨離を始めた女性が主人公。
ぜんぶ捨ててやるという意気込みで始めながら、モノとそれにまつわる思い出に対して未練がある。
ひとつひとつのものが今の自分につながっているゆえに捨て去るたびに身をもがれるような追慕に苛まれる。
その感傷が描かれ、その過程で副題のようにこんまりのメソッドもでてくる。
気持ちはよくわかるが、めめしい話で気が滅入った。(さいきんめめしいに漢字を充てると差別用語になるらしい。)
人によっては刺さると思うが個人的にはものを捨て去るのにこんなに逡巡しない。実家の片付けをしているとき、昔の自分がざくざく出てくるが、だいたいうんざりする。spark joyという言葉がまるで合致しない、心ときめくというより、心千々に乱れるという感じ。じぶんの過去は、ただ恥ずかしくて、ぎこちなくて、ばからしくて、普遍性がない。
余談だがこんにちの社会ではごみ屋敷が一定の了察をえられる。高齢化など仕方がない状況ではない人でも住まいをおろそかにしていくことを怠惰とは見なされない。が、個人的にはじぶんが拡げて汚したふろしきを対価を支払った業者とはいえ人様に片付けてもらうことには疑問を感じる。
4.0ホッコリ しんみり 断捨離
4.5ゴミ袋は偉大
始め主人公の身勝手さに腹が立ち、この人好きじゃないなぁと、理想のミニマル生活を手に入れる為に周りを犠牲にしている感じで、撮影禁止の本屋で3ページのためにとか言っている所で、わー最低と思っていた。まぁ映画たる物、大体段々と主人公に寄って行き好きになるのだが、この主人公に対しても同様でじわじわ来るんだよねー。それにしてもこんなに借りたまんまで物一杯って。
元カレと再びと思う展開だったが、捨てないと始まらないとばかりにそうならず、元カレは彼女と別れてあー可哀想。
なんだか良かった、そんな映画です。
3.0うーん
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