劇場版 アーヤと魔女
劇場公開日:2021年8月27日
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解説・あらすじ
「ハウルの動く城」の原作でも知られるダイアナ・ウィン・ジョーンズの同名児童文学を、スタジオジブリが同社初の長編3DCGアニメとして映像化。1990年代のイギリスを舞台に、自分が魔女の娘とは知らずに育った少女アーヤが、奇妙な家に引き取られ、意地悪な魔女と暮らすことになる姿を描く。孤児として育った10歳のアーヤは、なんでも思い通りになる子どもの家で何不自由なく暮らしていたが、ベラ・ヤーガと名乗るド派手な女とマンドレークという長身男の怪しげな2人組に引き取られることに。魔女だというベラ・ヤーガは手伝いがほしかったからアーヤを引き取ったと言い、魔法を教えてもらうことを条件にアーヤはベラ・ヤーガの助手として働きだすのだが……。宮崎駿が企画し、宮崎吾朗が監督を務めた。主人公アーヤの声を若手女優の平澤宏々路が担当するほか、寺島しのぶ、豊川悦司、濱田岳らがキャストとしてそろう。2020年・第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション作品。2020年12月30日にNHK総合で放送。2021年には、テレビ放送版に一部の新カットなどを追加した「劇場版 アーヤと魔女」として劇場公開。
2020年製作/83分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2021年8月27日
スタッフ・声優・キャスト
- 監督
- 宮崎吾朗
- 原作
- ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
- 脚本
- 丹羽圭子
- 郡司絵美
- 企画
- 宮崎駿
- プロデューサー
- 鈴木敏夫
- アニメーションプロデューサー
- 森下健太郎
- 制作統括
- 吉國勲
- 土橋圭介
- 星野康二
- キャラクター・舞台設定原案
- 佐竹美保
- キャラクターデザイン
- 近藤勝也
- アニメーションディレクター
- タンセリ
- CGスーパーバイザー
- 中村幸憲
- 背景
- 武内裕季
- 音楽
- 武部聡志
- 主題歌
- シェリナ・ムナフ
- エンディングテーマ
- シェリナ・ムナフ
- 主題歌(演奏)
- 亀本寛貴
- 高野清宗
- シシド・カフカ
- 武部聡志
- エンディングテーマ(演奏)
- 亀本寛貴
- 高野清宗
- シシド・カフカ
- 武部聡志
- 音響演出
- 笠松広司
- アフレコ演出
- 木村絵理子
- アニメーション制作
- スタジオジブリ
- 制作
- NHK
- NHKエンタープライズ
- スタジオジブリ
- 著作
- NHK
- NHKエンタープライズ
- スタジオジブリ
受賞歴
第73回 カンヌ国際映画祭(2020年)
出品
カンヌレーベル「アニメーション」 | |
---|---|
出品作品 | 宮崎吾朗 |
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映画レビュー
1.5これは
4.0何だよ、面白かったじゃないか!
評価が低いから、そんなにダメなのかと不安でしたが、なかなかどうして素晴らしいじゃないですか。
そりゃあ、これまでのジブリ作品のような感動巨編と比べたら細やかな小品って感じでエンディングもあっさり、お話もあっさり。でもそれぞれのキャラクターが良い味してます。特にマンドレイクが最高! 悪魔的でブチ切れっぷりが凄まじく、それでいて実は優しいってw アーヤがひっぱたかれて気落ちしたであろうその直後、慰めるかのように子供の家のパイを出したときにはゾクッと来ました。あのシーンを見るためだけに、この映画を見た甲斐があったと言っても過言ではありません。
正直、お話がどうなっているのかよく判らない部分も多いですが、もしかしたら何の設定もしていないかもしれません(企画した宮崎駿さんともあろうお方が、そんな訳はないかな)。でも、子供から見た大人の過去ってそんな感じじゃ無いかな、と思います。どんな風に生きてきたのか、判るようで判らないようで、結局はまったく霧の中。で、意外な経緯を知って――実はバンドを組んでいた経緯を知ってビックリしたりとか。なんだか意味も判らずに教育され、叱られたり、よく意味も判らずお使いをさせられたりして過ごした子供の頃を思い浮かべているかのような、この映画はそういう感じなのかと思いました。
あと、作中の曲が素晴らしいけど、やっぱり作中だからこそ素晴らしいのかな。そして、エンディングのイラストで海水浴の準備を抱えたマンドレイクには超笑ったw やっぱマンドレイクは最高だw
4.03DCGアニメになって解き放たれたように見える宮崎吾朗監督
「ゲド戦記」「コクリコ坂から」と同様、企画自体は宮崎駿監督や鈴木敏夫プロデューサー発のものですが、フォトリアルな3DCGアニメとして制作したことで、宮崎吾朗監督がジブリの呪縛から良い意味で解き放たれているように感じました。全体的に軽やかな印象で演出的な遊びもあり、ちょっと憎らしいけどへこたれないアーヤの魅力も、いい感じにでていたと思います。
劇場版ではテレビ放送版に新カットを追加と告知されていましたが、ストーリーを左右する大きな変更点はなかったように思います。気づいた変化は、テレビ放送版はバイクと車のチェイスからはじまったところが、劇場版では(テレビ放送版でも途中にでてくる)魔女同士の会話シーンからはじまるぐらいでした。音響面がいちばんの違いで、ジブリ作品では珍しいロック調の音楽を劇場で聴くと、印象がかなり違いました。特に、マンドレークが怒ったときに鳴るエレキギターの音は大迫力で、アーヤと同じ気分を味わうことができます。
4.0クワガタ系女子の孤独な戦い(日常系)……あれ?面白いぞこれ
原作は『ハウルの動く城』のダイアナ・ウィン・ジョーンズによる同名作品。
監督は宮崎吾朗。
【ストーリー】
とある夜、高速道路を疾走するバイクの女性。
彼女は何者かにその命を狙われていた。
執拗に追いまわしてくるフィアットに化けたモンスターを撃退し、女性は郊外の孤児院にたどり着く。
大事に抱えていた赤子のアーヤを、洋館の門前におきざりにして、彼女はそのまま姿を消した。
10年後、口八丁手八丁で孤児院を牛耳り、子分をつくって孤児ライフを満喫するアーヤ(暗黒微笑)の姿がそこにあった。
そんな中、アーヤを引き取りたいと申しでる里親が現れる。
里親の家はハーブ園のような立派な庭のある邸宅だったが、その内実は見たこともない魔法か横溢する、不潔でおそるべき場所であった。
魔法ですって?
そんな面白いものを手に入れないなんて道理はないと、アーヤは得意の口八丁と行動力を発揮して、あれこれと画策する。
金曜ロードショーの録画を、見るの面倒だなと塩漬けにしてました。
謝罪します。
吾朗監督ごめんなさいm(_ _)m
自分はこの作品を見るまで、宮崎吾朗さん、舐めてました。
過去作がことごとく、個性のない宮崎駿レプリカだったせいもあります。
でも、この作品はちがう。
音楽の選択や使い方、そして登場人物の味付けから、監督の個性が際だってます。
「アーヤ、ちちとははがいっしょがいいから!」
(↑言ってない)
主人公アーヤの、一見自分勝手な言動に見えて、実はみんなの心をときほぐして幸せにしている、他者への干渉術。
自分の生活の安定のためなのに、元母親(?)のバンド仲間だった里親の魔法の家夫婦?その齟齬を一つ一つをときほぐすウソとおべんちゃら、そしてジブリ作品にそぐわぬ邪悪な笑い。
「グフフ世界のすべてはわが手のひらの上で踊るのよ」
(↑言ってない)
なんて嫌らしい、よこしまな顔をするんだアーヤ。
いいぞもっとやれ。
世界の優等生スタジオ・ジブリの殻をうち破るハロウィンっぽいメタル系ロック(ジャンルちがったらごめんなさい)も、たまらぬ味わい。
やるじゃん吾朗。
やればできる子じゃん吾朗。
お話は説明不足でハラハラドキドキもクライマックスもなく、オチも唐突で弱いんですけど、だんだんアーヤ見てるだけで楽しくなってきました。
このアニメには、初めて宮崎吾朗監督の個性が見えたと感じられましたよ。
CGお安くて細部残念で、アクションや演技もイマイチですけど、自分はこのアーヤと魔女、魔女宅よりも好きです。
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