ミゾロギミツキを探して
劇場公開日:2019年11月2日
- 予告編を見る

解説・あらすじ
東日本大震災の津波で長女を失った家族が新たな一歩を踏み出そうとする姿を、「あかぼし」「スプリング、ハズ、カム」の吉野竜平が描いたドラマ。2018年4月2日、東日本大震災の津波によりいまだに見つからない長女・ミツキの手がかりを求めて、溝呂木家の父と母、次女の風花が石巻から上京する。父と母はツイッターで知り合った男の紹介で女性霊媒師に、風花はミツキの元カレにそれぞれ会いに行く。オリンピックに向けて工事が進む東京でさまざまな思いで日常を生きる人びと。しかし、ミツキの記憶を思い起こしながら街を歩く溝呂木家の3人にとっては、東京での1日は特別な時間だった。
2018年製作/71分/日本
配給:ニューシネマワークショップ
劇場公開日:2019年11月2日
スタッフ・キャスト
関連ニュース
今泉力哉監督、中川駿監督を輩出した映画学校主催のインディーズ映画祭誕生! 20年2月開催
2019年12月19日
フォトギャラリー
映画レビュー
4.5「清水崇監督とお話し出来ました」
今年210本目。
作品は吉野竜平監督。2019年11月2日公開の映画。舞台挨拶は監督と5名の俳優さんと清水崇監督。作品が霊媒などあるので清水崇監督に来ていただいたと。シネマロサのB1階はあるけど2階は舞台挨拶初めてだと。一番好きな監督。舞台挨拶後少しお話し出来ました。村シリーズ毎年楽しみにしていますと申したらありがとうございますと仰ってくれて、一番好きな監督と少し会話出来て最高の一日になりました。
作品は東日本大震災後の内容で撮影が2018年、上野公園で大勢がお花見してるの見てぞわぞわすると吉野監督が仰ってましたが、自分もそこ印象に残りました。前半に川のそばでボールを拾ってキャチボール、そこが後半みかんでキャチボール、またある女性にみかんを渡す、前半から色々フックになるシーンがあって71分ずっと楽しめました。
4.0救済が円環でありますように
救済、という言葉について素朴に考えてみる。自分の中にある澱が外的な要因によって解消される、という図式が思い浮かぶ。たぶん誰もがそうなんじゃないか。
でも、これというのは主観的なものの見方において救済を捉えた場合、だ。救済の形は他にもあると思う。例えば、澱を抱えた「私」が、同じように澱を抱えた「誰か」と関わる。「私」の気持ちは晴れないけど、「私」との関わり通じて(あるいはそれが間接的な奇貨となって)「誰か」の澱は解消される。客観的な視座に立てば、これも一つの救済だ。
本作は後者的な意味においての救済が果たされる過程を描いた作品だと思った。
そこには震災によって娘を喪った遺族がいる。娘の父親とは母親は津波に呑まれた娘の行方を知りたいと願い、東京の霊媒師を頼る。そして娘が深い海の底に沈んでいることを知る。知ることは彼らに多少なり慰めを与えたかもしれない。しかし二人の表情は晴れない。
新幹線まで時間を持て余した夫婦は上野公園に赴く。そこで茂みに倒れた若い女と出会う。彼女は寿命を迎えたハムスターを木の下に埋めに来たのだという。鬼ころしをしこたま飲んで酔い潰れた彼女を夫婦は手厚く介抱する。そして最後にミカンを手渡す。若い女の柔らかな表情が印象深い。
家族の喪失とペットの喪失。次元は違えども同質の喪失を抱えた二者の出会い。別にそれが直接的に素晴らしい作用を生み出したわけではない。娘もペットも生き返ることは二度とない。しかし少なくとも若い娘のほうは、夫婦の無償の愛を通じて回復の兆しを見せる。
次のシーンでは先の霊媒師のもとに新たな客がやってくる。おそらく死んでしまったであろう家出娘の行方を知りたいという母親。しかし霊媒師は家出娘の魂はどこにと見当たらないという。つまり娘は生きているということ。安堵の涙を流す母親。彼女の娘が誰であるかは言うまでもない。
夫婦にはもう1人娘(つまり妹)がいて、彼女は東京に暮らす姉の元彼を訪ねる。彼は姉の死後、別の女性と婚約した。妹はそれが気に食わない。彼女はどうにか彼や彼の新妻に一矢報いてやろうとするが、うまくいかない。
上野駅に戻ってきた妹は「何もなかった」と自己暗示のように何度も繰り返す。しかし本当に何も起きなかったのか?先の新妻は彼女に投げつけられたミカンを美味しそうに頬張っている。
明らかに再生への何らかの道筋がそこに兆している。死のつらさや忘却への憤りは今すぐには解消されないが、彼らの歩んだ道程は世界を少しずつ浄化している。それはいつか円環を成し、どこか予想外の方向から彼らを救済するのだと思う。
映画.com注目特集
3月21日更新
【衝撃の問題作】なぜ世界は本作に熱狂する?この村は人を喰ってる――“絶対的支持”の理由を解説
提供:ディズニー
【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――
提供:東和ピクチャーズ
【あまりにオススメされるので、シリーズ未見だけど観てみた】結果は…ハマるまでのリアルドキュメント
提供:ツインエンジン【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI注目作品ランキング
1
ウィキッド ふたりの魔女劇場公開日 2025年3月7日
2
35年目のラブレター劇場公開日 2025年3月7日
3
映画ドラえもん のび太の絵世界物語劇場公開日 2025年3月7日
4
お嬢と番犬くん劇場公開日 2025年3月14日
5
ロングレッグス劇場公開日 2025年3月14日
映画ニュースアクセスランキング
- 昨日
- 先週
1
養女に迎えた7歳の少女の“正体”は、本当に成人女性なのか? 全米を騒がせた実話を基にした衝撃作、配信開始2025年3月20日 09:00
2
実写「白雪姫」“7人のこびと”おとぼけ役は風間俊介「願いが叶いました」2025年3月20日 07:00
3
WEST.主演映画「裏社員。スパイやらせてもろてます」に恒松祐里が出演! 全編関西弁でヒロイン役に挑戦2025年3月20日 12:00
4
【インタビュー】柳楽優弥×笠松将「ガンニバル」完結編を“3つのキーワード”で語り尽くす2025年3月20日 11:00
5
高橋文哉&西野七瀬にもたらした、瀬々敬久監督からの大きな財産【「少年と犬」インタビュー】2025年3月20日 12:00
1
ニコラス・ケイジの変貌ぶりがヤバすぎて主演女優の心拍数が「76→170」に跳ね上がる「一生忘れない」2025年3月11日 18:00
2
櫻井翔×北川景子「映画 謎解きはディナーのあとで」3月29日に放送2025年3月14日 16:00
3
「日曜アニメ劇場」3月16、23日に「宇宙戦艦ヤマト2199」劇場版2作を放送 30日は「ルパン三世VSキャッツ・アイ」2025年3月14日 18:00
4
【閲覧注意】台湾ホラー「ガラ」5月9日公開決定! 衝撃の日本版ビジュアル&予告編&場面写真を一挙公開2025年3月10日 08:00
5
【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙2025年3月14日 22:55