ジョン・ウィック パラベラム
劇場公開日:2019年10月4日
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解説・あらすじ
キアヌ・リーブスが伝説の元殺し屋に扮し、銃とカンフーを融合させた「ガン・フー」や車とカンフーを合わせた「カー・フー」など、これまでにないアクション要素を盛り込みヒットした「ジョン・ウィック」シリーズの第3弾。前作で怒りのあまりに、一流殺し屋が集う「コンチネンタルホテル」の掟である「ホテル内で殺しはおこなってはいけない」を破ってしまったジョン。聖域から追放された彼を待っていたのは、組織による粛清の包囲網だった。刺客たちがさまざまな殺しのスキルを駆使し、賞金首となったジョンに襲いかかる。傷だらけとなったジョンは、かつて「血の契約」を交わしたソフィアに協力を求め、カサブランカへと飛ぶが……。監督は前2作から続投のチャド・スタエルスキが担当。イアン・マクシェーン、ローレンス・フィッシュバーンら前作からのキャストに加え、オスカー女優のハル・ベリーが謎の女ソフィア役で出演。
2019年製作/130分/R15+/アメリカ
原題または英題:John Wick: Chapter 3 - Parabellum
配給:ポニーキャニオン
劇場公開日:2019年10月4日
スタッフ・キャスト
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殺された愛犬の復讐から始まったジョン・ウィックの戦いも、気づけば世界規模のスーパー殺し屋大戦に。前作は、ジョンがコンチネンタル・ホテル内で敵を殺っちゃったことで、自身が賞金首となり逃亡開始するところで終了したが、本作はまさにその直後からスタートする。そん...
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映画レビュー
4.0ウィックもアクションの構成も流転し続ける3作目。泥臭く骨太なアクションの進化が凄まじい。
◯作品全体
愛する妻を失い犬を失い車を失い…そして友すらも失ったウィック。自身を構成する何かを失いながら血だらけになって進む…その状況にふさわしく、アクションの組み立ても舞台もひとつの場所にとどまらず、その都度新しいアクションが飛び出してくる。ただただそのアイデアの豊富さに圧倒された作品だった。
舞台やシチュエーションが移り変わるアクションは今までの『ジョン・ウィックシリーズ』でも活かされていたが、その舞台やシチュエーションが持つ別の側面を見せ、アクションの手法を変えていたのが『パラベラム』の特徴だろう。例えば、序盤にあった武器の展示場のような場所でのアクションは、狭い通路と周りにあるショーケースを使った「体のぶつけ合い」から始まるが、中に刃物があると分かると今度は「凶器のぶつけ合い」へとアクションが変わる。モロッコでの「犬・フー」アクションは横軸にいる敵へ向けた変則的なアクションだったが、アクションの締めは縦軸にいる敵を犬によじ登らせて倒す、という戦法。定義づけられたアクションから脱却するような、アイデア溢れるアクションだった。
ウィック自身のアクションの構成も過去作品以上に多岐にわたる。『チャプター2』では柔術と組み合わせたアクションが多く、対銃のアクションは少しネタ切れ感があったが、『パラベラム』では柔術までの間に組み手があったり、周囲の物、さらには動物までも使ったアクションが出てきた。ウィック独特のフィニッシュムーブである「止められたナイフを力づくでねじ込んで倒す」も避けられるパターンがあったり、定番化してきたウィックの技が多様化したような印象を受けた。
別作品と比較しても「硬い」、『ジョン・ウィックシリーズ』の敵。その強度がさらに増し、むしろ強調されているのも、今までの『ジョン・ウィックシリーズ』からパワーアップしたと思わせる部分だ。「硬さ」が増した分、アクションの手数が増え、複雑さと泥臭さがなおさら重要になってくるが、この点は『ジョン・ウィックシリーズ』の得意分野と言える。ゼロとの戦いの前に二人の強敵と戦うアクションは、二人を同時に投げながらぐちゃぐちゃと絡れるが、体勢が整った段階ではきちんとウィックがシメている。計算された泥臭さが「硬い」敵を執念で押しつぶしているようで、骨太なアクションを上手く演出していたと思う。
一作目と比較すると破天荒さが増したアクションで、ウィックの境遇と同じくアクションの構成も流転につぐ流転。ただ、変わらずにあるアクションの軸も存在していて、劣勢に立たされたウィックがベルトを使って形勢を逆転させるアクションは「鉛筆一本で三人を瞬時に殺した」ウィックらしい戦法だ。
常人では打開できないシチュエーションをアイデアと執念でねじ伏せる。『ジョン・ウィックシリーズ』の肝となる部分を尊重し、そして巧みに展開させた本作だった。
○カメラワークとか
・前作までは赤色の見せ方も印象的だったけど、今作は青の強調が印象的だった。本作が「復讐」という憎悪の赤よりも、「喪失」の冷たい青を前に出そうとしているイメージ。
・終盤のアクションで印象的だった反射や錯覚の演出は『チャプター2』のラストを思い出す。終盤の舞台はどうしてもシンプルになるから、そこで工夫をしているのだろうか。ガラスを割るアクションの、音の気持ちよさもあるだろうか。
○その他
・ゼロ役のマーク・ダカスコスの眼力が印象的。敵役ということもあって『帝都物語』の嶋田久作演じる加藤保憲を思い出した。何も語らずとも眼力で圧倒してくる感じが、猛烈にかっこいい(日本語のセリフはちょっと残念な感じだったが)。
『パラベラム』は今までの作品以上に泥臭く、強引にでもねじ伏せるようなアクションが多い。『ジョン・ウィックシリーズ』の一番好きな要素なので、堪能できてよかった。個人的にはこの作品が現時点における対人アクションの頂点だと思う。
4.5活劇の進化と緻密なシリーズ構成で「マトリックス」超え狙うキアヌと監督のコンビ
チャド・スタエルスキは、「マトリックス」でキアヌのスタントダブルを務め、才能が評価され第2・3作でスタントコーディネーターに昇格。アクション大作に多く参加した後、キアヌと組み監督デビューしたのが「ジョン・ウィック」だ。ガンアクションと格闘技を一体化させたガン・フーの迫力、暗殺者の聖域コンチネンタルホテルを基盤とする世界観が受け、「マトリックス」連作に並ぶ第3作が実現した。
キアヌがアラフィフで始めた本シリーズで、毎回高度化する格闘をこなしている姿に感嘆するしかない。本シリーズは構成も巧い。第1作でホテル内部での殺人はご法度という世界観を提示し、第2作のジョンの破戒によりその世界観が崩れ始める。それを受け第3作では破戒者ジョンが裏社会から狙われる。いわば起・転・承の流れだ。先に公開された北米での興収も上々で、2021年の第4作公開も決まった。連作がどんな結末を見せてくれるのか楽しみだ。
4.5最高傑作!殺し屋社会の鎮魂歌
はい、もうロマンしかありませんと。
キアヌ・リーブスのかっこよさ去ることながら、
1,2から3まで、どんどんスケールアップして、どんどん面白くなっていくのもすごい
序盤の図書館のシーンで心掴まれて、
ローレンス・フィッシュバーンを愛でて、
犬とのアクション!?
まじでなんで今まで見てなかったんだ、ってくらいおもしろい。
ホテルで特殊部隊みたいな殺し屋と激闘かますところとかえぐい。
武器弾薬揃えに揃えて迎え撃つのがイカしすぎてる。
アマプラに次作のコンセクエンスはまだきてなかったと思う。
いまから楽しみ!
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