空の瞳とカタツムリ
劇場公開日:2019年2月23日
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解説・あらすじ
雌雄同体のカタツムリのように男でも女でもない心を持てあましながら絡みあう4人の男女を描いたドラマ。故・相米慎二監督が遺した映画タイトル案から着想し、書き上げた荒井美早のオリジナル脚本を、「なにもこわいことはない」「いたいふたり」の齋藤久志監督のメガホンで映画化。岡崎夢鹿は消えることのない虚無感を埋めるため、男となら誰とでも寝る。しかし、一度寝た男とは二度と寝なることはない。夢鹿の美大時代からの友人である高野十百子は極度の潔癖症で性を拒絶し、夢鹿にしか触れることができない。そして、2人の友人である吉田貴也は夢鹿への思いを捨てきれずにいた。学生時代から仲のよかった3人だったが、そのバランスは長い年月を経て少しずつ崩れていった。夢鹿に紹介され、ピンク映画館でアルバイトを始めた十百子は行動療法のような毎日に鬱屈していく。映画館に出入りする大友鏡一は満たされない思いを抱える十百子への思いを募らせていく。
2018年製作/120分/R15+/日本
配給:太秦
劇場公開日:2019年2月23日
スタッフ・キャスト
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2018年10月4日
フォトギャラリー
映画レビュー
3.0メインの二人がビジュアル抜群に良し
5.0逃れることが出来ないもの
カタツムリは雌雄同体で、本来は、一個体で子孫を残す事が可能なのだが、どうしてなのか、相手を求めて交尾をする。それが自身の寿命を縮めてもだ。
何か自分に不足・欠如しているものを、補おうとしているのだろうか。
多くの男性と寝てしまう夢鹿と、潔癖症でヴァージンの十百子の関係は、不足したものを求め合う補完関係なのだろうか。
自分を傷つけ、十百子と愛し合っても回答など見つからない。
夢鹿の言う通り、貴也や男性と行為をしようとしても、十百子の身体も気持ちも、それを拒否する。
自分に無いものを求めあっても、それが補完されることなどなく、自分そのものが、より大きく感じられるようになるだけだ。
追いかけると逃げられる。
追うのを止めると追いかけられる。
いつも自分の側にあると思っていても、その手からこぼれ落ちることもある。
相手に良かれと思っても、相手を深く傷付けることもある。
常に矛盾が付きまとい、そして、いつも心はアンバランスのままなのだ。
そんな、揺らぎが感じられる作品だ。
夢鹿が貴也に言う。
母親と自分は同じ男性に逃げられたと。
それは、父親だと。
貴也の母親にはなれないと言った夢鹿が、実は、父親を追い求めていたのかもしれない。
ふと、海辺のカフカを思い出した。
性的マイノリティーというカテゴリーでもこぼれ落ちる苦悩やタブーはある。
結局、どんなに抗っても、自分自身から逃れるのは難しいのだ。
ジェンダレスな社会とは言うが、逆に、ジェンダレスが新たな枠組みとなって、窮屈になることだってあるはずだ。
カタツムリは雌雄同体だ。
ある意味、ジェンダレスだ。
しかし、人間はカタツムリではない。
ジェンダーからも、自分からも逃れることは容易ではないのだ。
2.0Love dart
確かに奇妙な生態である。恐らくそれを論理的に説明すれば理解しなくもないが、もっと方法があるんじゃないかと気持は割り切れない。そんなモヤモヤした想いを全編に塗したような作品である。
一応、“三位一体”と揶揄されていた女性2人と男1人のグループ。しかし実はその関係性は卒業後に崩れてゆく。元々が歪な間柄であるのだが、作品では女性二人の関係性の変化を主に取り扱っている。1人は自由奔放、片や潔癖症。そしてお互いが惹かれ合っているのに、それを素直に表現出来ず、相手を傷付け合う。それぞれが自分の存在を相手に認めさせたいといういじらしい気持が、丸で自傷行為にように傷付けてゆく。
そのお互いの認識確認を交互に行ないながらストーリーが“カタツムリ”の如く、ノロノロと進んでいく。ラスト近くに訪れる唐突な男の死、その前に登場している、第4の男(アトピー肌の男娼)等、二人の女性にとっては単なる道具やきっかけでしかない。あくまでも二人の女性の狂おしい愛の確認、恋矢で穴を埋め合うことを表現する、コラージュ作品のワンピースなのである。そして二人はめでたく一緒になるかと予想すると、それもない。結局離れてしまう。しかし憑物が取れたように、潔癖症が治ってしまう。『恋は病』であるから、終われば治るのであろう。そういう繊細でナイーブな作りである。
自分の感想としてはこの作品の中身はそれ程練り込んでいるとは思えない。結局メッセージ性も薄ければ、心に響くモノもない。
それよりも今作の最大の注目は、2人の女優のそれこそ体当たり演技の披露なのではないだろうか。とにかく脱ぎまくり、そして交ぐ合う。一寸前に流行った女性モノのAVのようなプロットなのではないかと思う位である。中でも百合プレイは非常に官能的で淫靡であった。この二人の裸一貫の努力のみが今作品の評価そのものであろう事は間違いない。それ程、美しい裸体と演技を堪能させて貰った。
鑑賞後に、出入口付近で挨拶をしていた、飛び切りな容姿淡麗の女性が、初め気付かなかったが主演の女性であったのが驚愕した。女優はこうも化粧や髪型一つで別の美しさを表現できるものであるとしっかり思い知らされた。本当に大変な美人で、すっかり目の保養をさせて頂いた。スクリーンもリアルも、大変お美しい方でしたよ、『縄田かのん』さん・・・
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