アマンダと僕
劇場公開日:2019年6月22日
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解説・あらすじ
突然の悲劇で肉親を失った青年と少女の絆を描き、2018年・第31回東京国際映画祭で最高賞の東京グランプリと最優秀脚本賞をダブル受賞したフランス製ヒューマンドラマ。パリに暮らす24歳の青年ダヴィッドは、恋人レナと穏やかで幸せな日々を送っていたが、ある日、突然の悲劇で姉のサンドリーヌが帰らぬ人になってしまう。サンドリーヌには7歳の娘アマンダがおり、残されたアマンダの面倒をダヴィッドが見ることになる。仲良しだった姉を亡くした悲しみに加え、7歳の少女の親代わりという重荷を背負ったダヴィッド。一方の幼いアマンダも、まだ母親の死を受け入れることができずにいた。それぞれに深い悲しみを抱える2人だったが、ともに暮らしていくうちに、次第に絆が生まれていく。監督・脚本はこれが長編3作目のミカエル・アース。主人公ダヴィッド役はフランスの若手俳優バンサン・ラコスト。アマンダ役はアース監督が見いだしたイゾール・ミュルトリエ。
2018年製作/107分/PG12/フランス
原題または英題:Amanda
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2019年6月22日
スタッフ・キャスト
- 監督
- ミカエル・アース
- 製作
- ピエール・ガイヤール
- 製作総指揮
- イブ・フランソワ=マシュエル
- 脚本
- ミカエル・アース
- モード・アメリーヌ
- 撮影
- セバスティアン・ビュシュマン
- 美術
- シャルロット・ドゥ・カドビル
- 編集
- マリオン・モニエ
- 音楽
- アントン・サンコー
- エンディング曲
- ジャービス・コッカー
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2022年12月23日シャルロット・ゲンズブール主演作「午前4時にパリの夜は明ける」23年4月公開 「アマンダと僕」のミカエル・アース監督作
2022年11月30日セザール賞7部門受賞、オノレ・ド・バルザック原作「幻滅」2023年公開
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2022年2月17日
映画評論
生きるうえでいちばん大切なことは何かを、この映画はみつめている
親を亡くした子どもと、その保護者になった人物との触れ合いを題材にした映画には、佳作が多い。喪失を抱えた子どもと、子育てに不安を抱えた保護者が、距離を縮めながら互いに成長していく物語は、心の琴線に触れるヒューマンドラマの王道を行く。そのうえで、「マーサの幸...
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映画レビュー
4.0ダヴィッドの背後に映る人たち
メインストーリーは主人公ダヴィッドとアマンダの再生がテーマだ。
しかし背景のように多くのことを映し出し、良く言えば深みが、悪く言えば蛇足が、付与されている。
アマンダの母はシングルマザー、ダヴィッドは安定した収入のない若者。少し不幸で少し幸せ。ダヴィッドの恋人となるレナも似たような状況だ。
公園の木の手入れをするダヴィッドの背後で恐らく貧困層の人が暮らすテントが映る。そのすぐ横では富裕層と思われる人がテニスに興じる。
シングルマザー、定職のない若者、貧富の差。今のフランスとそこに暮らす人々を描いているといえる。よくも悪くも普通の日常だ。
そこへ無差別テロが起こる。テロの恐怖というものもフランスの日常に組み込まれたかのようだ。
事件のあとでは、被害に遭い亡くなった人の家族、怪我をして体と心が傷付いた人などが描かれる。テロ被害に対する対応や心の再生。
一方で、さりげなく画面に映り込むムスリムらしき人々で、テロはムスリム全体の責任ではないとさりげなくバランスをとっているのもニクい。
ダヴィッドと誰かとの距離感は自転車の並走という形で描かれる。とても良いシーンだし印象にも残るが、関係性を強調するには少々パンチ不足だ。
そしてエンディング。物語の始まりとメインテーマを考えれば妥当な終わり方と言えるわけだが、何だか急にシメられたような感覚になった。
フランスとそこに暮らす人々の今と、テロについて、そしてアマンダとダヴィッドの関係性、それぞれは良く描かれているしパーツとしては申し分ないのだが、どうにも親和性に欠けバラバラだ。
だからエンディングが急に来たような感覚になる。
本来ならばアマンダとダヴィッドが再生していく過程が描かれるべきだと思うが、それは少なく、オープニングとエンディングの間で何を観ていたのか分からなくなる。
優しく良い作品だったので満足度的に星4つにするが、終わって「で?何が言いたかったのだ?」という気持ちにはなった。
フランス映画でたまにある「今の自分たちを見てくれ」のような作品だったのかもしれない。
4.5思い返せば思い返すほどいい作品
家族を失うという悲しいテーマだけど、自転車や徒歩、学校に遅刻しそうな時はダッシュで巡るパリの風景の美しさのおかげか、余計な重たさは無いです。
身を引き裂かれるようなことがあってもなお、人生は素晴らしいものになり得ると思える、いい1本でした。
ラストのウィンブルドン観戦のシーン。
アマンダは自分の想いをあのプレイヤーに重ねたのでしょうか。嘆き、悲しみ、そして歓喜に打ち震える、このアマンダの表情を映し続けたラストシーンは子供嫌いのわたしでも、おもいっきり揺さぶられました。
ほんのちょっとのやりとりでしたが印象的だったのは、公園でムスリムのカップルが罵声を浴びせられているところを通り過ぎたシーン。
テロ事件の犯人と同じ神を信じているというだけで、ふつうの人間が理由もなく攻撃される。この状況に深入りしすぎることはせず、子供の素朴な疑問にカラッと答える形で、子供に植え付けられようとしている独断的な思想を取り払う。
なんて爽やかな軽さ。見習おう。
思い返すと本当に、感心することばかり。またしばらくしたら観てみようと思います。
4.0ミカエル・アース監督の作品、日本に入ってくるときに ハートウォーミ...
ミカエル・アース監督の作品、日本に入ってくるときに
ハートウォーミングな作品のような見た目になってしまうのはなんでなんだ。
おかげでこんな良作を見逃してしまうところだった。
パリの街中で生きる人のリアルな生活感。
喪失と再生の話ですごく良かった。
パリに普通に住む人の、すぐ隣にある影と、
影に飲み込まれない生命力のある土地なんだな
と思う。面白い。
フィルムっぽいザラつきのあるルックも良い。
“エルビスは建物を出た”の慣用句はじめて知ったけど
忘れられないな。
アマンダの大人っぽくもあり、子供らしい繊細さが誠実に描かれているし、演技も素晴らしい。
人の繊細さや人間関係の微妙な力関係や問題や希望などの色々が映っている。
私は何も前情報なしに観たので
ほんとうに、静かにショックを受けた。
一瞬何が起こっているのか分からなかったけど、ほんとうに何も知らずに観れたのが
特別な体験になった。
配信で鑑賞
3.0人生を揺るがす甚大な出来事があったとしても 時は淡々と進み日常は止...
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