LBJ ケネディの意志を継いだ男
劇場公開日:2018年10月6日
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解説・あらすじ
「スリー・ビルボード」のウッディ・ハレルソンが、第36代米大統領リンドン・ジョンソンを演じた政治ドラマ。「スタンド・バイ・ミー」「ア・フュー・グッドメン」のロブ・ライナー監督がメガホンをとった。リンドン・B・ジョンソンは民主党の院内総務として精力的に活動していたが、1960年の大統領予備選挙で、党の大統領候補としてジョン・F・ケネディが選出され、ケネディは米大統領に当選を果たす。43歳の若きライバル、ケネディの副大統領となることに同意し、その職に就いたジョンソンだったが、副大統領の執務が国政の蚊帳の外に置かれていることに気付いてしまう。しかし1963年11月22日、ダラスで暗殺されたケネディ大統領に代わり、ジョンソンは大統領に昇格。ケネディの遺志を尊重し、公民権法を支持するジョンソンは長い間敵対していたロバート・F・ケネディ司法長官や、師弟関係にあったリチャード・ラッセル上院議員と争うことになる。
2016年製作/97分/G/アメリカ
原題または英題:LBJ
配給:ツイン
劇場公開日:2018年10月6日
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
3.5ジョンソン大統領のこと、初めてちゃんと考えた。
リンドン・ジョンソンといえば、ジョン・F・ケネディの暗殺によって副大統領から大統領に繰り上げされた人。その後に悪名高いニクソンが当選するので、そんなひといたっけ?と軽んじられることが非常に多い。
ハンサムなケネディと太った猟犬みたいなニクソン、二人の顔は浮かんでも、ジョンソンの顔は浮かばない。恥ずかしながら自分のことだ。
では、改めてジョンソンはどんな人だったのかと本作を観てみたら、アクが強い田舎者で、現実主義の食えない政治家。そんな年長者を若きケネディが副大統領に指名したのも、ケネディが党内をまとめるための政治的配慮だったらしい。
アメリカ民主党と近しいロブ・ライナー監督だけに多少美化されてるとは思うが、ジョンソンがいかにセルフイメージと正反対の変貌を遂げたかのドラマには熱くなるし、ウディ・ハレルソンの好演もいい。地味ではあるが、知らなかった歴史の隙間を埋めてくれるような楽しみがある。
4.0公民権法制定を行ったのは、南部出身のジョンソン大統領という歴史的事実の重み
ロブ・ライナー監督による2017年公開の米国映画。脚本はジョーイ・ハーストーン、撮影がバリー・マーコウイッツ。主演がウディ・ハレルソン(リンドン・B・ジョンソン)。その他、ジェフリー・ドノヴァン(ジョン・F・ケネディ)、マイケル・スタール=デヴィッド(ロバート・ケネディ)等が出演。
なぜ、米国民に人気乏しいジョンソン大統領を、取り挙げたのか最初分からなかった。ただ今だに根強い黒人差別の現状が存在。そういった中で、ケネディ大統領が始めた公民権運動、更にそれを引き継ぎ1964年の公民権法制定にまで持ち込んだ、ジョンソン大統領の活動を再度見直そうということだったかと理解。
期待度が低かったこともあって、興味深く面白く見させてもらった。
ケネディ暗殺時、ジョンソン副大統領の行動は、すぐ後ろの方にいたことさえ知らず、今回初めて知った。 ケネディ死亡時に病院内におり、何とダラスからワシントンに戻る飛行機の中で大統領に就任したんだ。
南部人で大統領目指しながら粗野で無能に見えるジョンソンが、ケネディの銃殺後、突然の大統領就任に戸惑い悩みながらも、優秀なケネディスタッフの活用や大物議員・企業人の懐柔等、ヒト使いと粘り強い交渉力で有能さを発揮していく様が描写される。それを演じたウディ・ハレルソンの俳優としての力量、ロブ・ライナー監督の計算された演出が光った。
公民権法の必要性を、自らの黒人料理人(妻の次に長く一緒に過ごす)の南部での恐怖経験を通して語るジョンソン大統領には説得力を感じた。
就任前も後もことごとく対立するロバート・ケネディ、その彼も納得させた議会でのハレルソンによる演説が、米国の良心に力強く訴えて素晴らしい。その展開というか、脚本も上出来であった。
3.5ベトナム戦争についても描いてもらえれば・・・
リンドン・ジョンソンについて、ケネディと争った大統領予備選から公民権法成立までを描く物語。
ジョンソン大統領については殆ど知識がなかったので、一種の勉強として鑑賞しました。
南部保守派、議会の重鎮で寝業師、ベトナム戦争を制御出来なかった大統領、ケネディ暗殺の黒幕と噂された大統領。そんな印象しかなかった私にとっては、新しい物の見方を教えてくれた映画となりました。
ロバート・ケネディとの確執と屈辱、その中でもケネディを支えて院内工作を繰り返したこと、大統領として公民権法を成立させたこと。勿論、ジョンソン側からの視点ですので、全てを真に受けるわけにはいかないのでしょう。しかし、今までの一面的な見方に疑念を持てただけでも、鑑賞した甲斐があったように感じます。
映画としても、完成度の高い作品でした。
ダラスパレードから大統領就任直後までの「現在」と、予備選から副大統領時代の「屈辱と苦労の過去」。
これらを交互に映しだす手法は秀逸でした。現在と過去を交互に映す手法は珍しくありませんし、正直苦手です。しかし、この映画では副大統領時代をインサートすることにより、よりダイレクトに「屈辱と苦労」を「現在」に繋げることが出来たように感じます。
就任直後のミーティングの際に、黒人料理人の名を挙げて公民権法の必要性を力説するシーンは、名シーンでした。
ただ、肝心のベトナム戦争については語っていないことは不満に残りました。彼の良い面だけを映すのはアンフェアだと思いますし、もっと言えば映画として面白みを削るものだと思います。
4.5JFKをもう一度考える
この映画の主題は自分の古い考えを捨てて世界を変えようとした男の話だと思います。もちろんそれで素直に楽しんでもとても良い映画だと思いますが、どうしてもJFKの死の真相が気になります。
検索をするとLBJの陰謀説も本命の一つのようです。実は映画の中でも「シーザーではなくローマを愛した」というセリフがあったりとか、JFKの死後にやたらすぐに宣誓したがったりとか、怪しいと思う節も出てきて製作陣もちょっと訝しがっているのかもしれません。
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