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500ページの夢の束

劇場公開日:

解説・あらすじ

ダコタ・ファニングが自閉症を抱える少女を演じ、ある思いを胸に500ページの脚本を届けるためハリウッドを目指す旅の中で、少しずつ変わっていく少女の姿を描いたハートフルストーリー。自閉症のウェンディは「スター・トレック」が大好きで、自分なりの「スター・トレック」の脚本を書くことが趣味だった。ある日、「スター・トレック」の脚本コンテストが開かれることを知った彼女は、渾身の一作を書き上げる。しかし、郵送では締め切りに間に合わないことに気づき、愛犬ビートとともにハリウッドを目指して旅に出る。ダコタ・ファニングが主人公ウェンディを演じ、ウェンディを支えるソーシャルワーカーのスコッティ役でトニ・コレット、ウェンディを案じながらも訳あって離れて暮らしている姉オードリー役でアリス・イブが共演。監督は「セッションズ」のベン・リューイン。

2017年製作/93分/G/アメリカ
原題または英題:Please Stand By
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2018年9月7日

スタッフ・キャスト

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映画評論

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天才子役姉妹がそれぞれのキャリアを順調に歩み、天才女優姉妹へと進化中のダコタ&エル・ファニング。姉のダコタ・ファニングが今回選んだ作品は、自閉症のウェンディが主人公のロードムービーだ。唯一の肉親である姉と離れ、サンフランシスコに近いベイエリアの自立支援ホ...

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(C)2016 PSB Film LLC

映画レビュー

4.0人が物語を欲する理由

2018年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

「サピエンス全史」で著者のユヴァル・ノア・ハラリは、人類は「現実には存在しないものについて語り、信じられる」ようになったから進化したと語っている。国や宗教、経済システムなど全ては虚構であり、その虚構を皆が信じるから価値が本当に生まれる。これを認知革命と彼は呼ぶ。

人はフィクションを信じる力によって発展したのだ、とハラリは言っているわけだが、本作も、スケールは小さいが同じことを言っている。主人公のウェンディは「スター・トレック」マニアで脚本コンテストのためにベイエリアからLAまでの旅に出る。自閉症の彼女にとって一人での旅が不安がたくさんあったが、スター・トレックとその物語を自分が書くという物語を信じることで勇気を持って進み続ける。物語という虚構が彼女に力を与えているのだ。

そしてそんな彼女を助ける者も彼女と同じスター・トレックファンだったりする。ケースワーカーとその息子だったり、クリンゴン語を話せる警官だったり。人はなぜ物語を欲するのかについて鮮やかに描いた素晴らしい作品だ。

杉本穂高

3.5スタートレック万能伝説が始まったな

2024年2月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ!クリックして本文を読む

スタートレックは映画を一本観たことあるくらいの知識しかないけど、それでも大丈夫だった。
もしかしたらスタートレックに詳しいともっと面白いのかもしれないけど、本作を観る前にまさかそんな知識が必要とは思わないもんな。
アメリカのスタートレック人気恐るべしだね。

この作品は妹ウェンディと姉オードリーの再生の物語で、自閉症の主人公というのは実はそんなに重要なテーマではないんだな。
わりとポップであたたかい気持ちになれるのも良かった。

主人公ウェンディは人との関係を構築するのが苦手だ。姉オードリーはそんな妹ウェンディとどのように接すればいいかわからずにいる。施設の院長スコッティもまた息子との関係がうまくいかずにいる。
しかし問題の本質は、どのように接するかではなく、相手の気持ちを見ること、知ること、知ろうとすることだ。

スタートレックが好き。その一点だけでも人はわかり合える。
スタートレックは院長スコッティと息子との距離を縮め、ウェンディと見知らぬ警官は心を通わせることもできた。

ウェンディは自分と姉を、スタートレックのスポックとカーク船長に置き換えて物語を紡ぐ。それはウェンディのから姉オードリーに伝えたい言葉、伝えたい物語。いわゆるウェンディなりの愛情表現なのだ。

大好きな姉オードリーを綴った大好きなスタートレックの脚本を届ける旅はウェンディにいくつもの初めてを与える光の旅だった。
その旅はウェンディにも大きな成長をあたえたと思う。

帰ってきたウェンディは毎日のルーティーンから外れるストライプのセーターを着て、職場の同僚との関係構築にも努力している。
映画会社からの手紙は姉オードリーからウェンディに向けた言葉。もしかしたらオードリーが書いた手紙なのかもしれない。
どこかへいった光の粒は二人の心の中に。

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つとみ

3.5シナボンが食べたくなります

2022年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

プライム・ビデオ鑑賞
スタートレックが好きなちょっと拗れた女の子の冒険物語。
表情や佇まいがかなり出来上がっており、ダコタの演技の幅が感じられます。
原稿を届けにいく。そんな彼女の殻を破る“冒険”は序盤からハラハラさせられます。
派手な演出はないのですが、中々に見応えのある作品です。
それと、何だか久しぶりにシナボンが食べたくなりました。

白波

4.0【”結果よりも自分が好きなモノ、書いたモノを見て貰いたいという、動機、プロセスが大切なんだよ。”自閉症の若き女性の自分の夢を紡ぐためのロードムービー。】

2022年4月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、VOD

悲しい

知的

幸せ

ー ロードムービーって、何で面白いんだろうと時折思う。
  今まで数作観て来たが、ロードムービーで面白くないと思った作品は皆無である。
  この作品では、その”解”の一つが描かれていると思う。

■自閉症のため、スコッティ(トニ・コレット)が運営する施設に入居しているウェンディ(ダコタ・ファニング)は、家に戻りたい気持ちを抱えつつ、大好きなスタートレック(特に好きなのは複雑な感情を持つ異星人、スポット)の脚本を執筆する日々。
 そんな彼女が気付いた、スタートレックの脚本コンテストの広告。
 今、2月14日だが、2月16日のPM17:00までに、ハリウッドに届けないとイケナイ。郵送では間に合わないと気づいた彼女は、数百キロの旅に出る決意をする。

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

 ・今作は、他人とのコミュニケーションがうまく取れない自閉症ながら、機知に富んだ独創的な作家の“魂”を宿す主人公・ウェンディを演じたダコタ・ファニングの演技に尽きると思う。

 ・彼女を心配し、探すスコッティや姉オードリー(アリス・イヴ)の善性溢れる姿もよい。

 ・道中、盗難に遭ったりしながらも自力でハリウッドの出版会社に辿り着いたウェンディ。編集者のツレナイ規則に従った態度にもめげず、無事脚本を投函する。

<今作のラストは清々しい。
 落選通知を受けたウェンディだが、晴れやかな顔で姉オードリーの子に会いに行くのである。
 人生は結果が全てではない。
 目標を達成しようとする強い想いと、実行する過程が大切なのである。
 きっと、ウェンディはこの旅を通じて、多くの人に出会い、世界観が広がったのであろう。
 今作は佳き作品であると思います。>

NOBU

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