ジェイン・ジェイコブズ ニューヨーク都市計画革命
劇場公開日:2018年4月28日
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解説・あらすじ
建築界のバイブルとして読み継がれる「アメリカ大都市の死と生」の著者ジェイン・ジェイコブズに迫ったドキュメンタリー。1950年代のアメリカ。モダニズムを背景に自動車中心に合理的な都市計画が主流を占めていた。そんな中、1961年に刊行された「アメリカ大都市の死と生」はこれまでとはまったく異なる新しい都市論を展開し、世界に大きなインパクトを与えた。今や都市論のバイブルとなっているこの本を書いたのは、ニューヨークのダウンタウンに住む主婦ジェイン・ジェイコブズ。実際に暮らす生活者の視点で街を観察し、魅力的な街づくりのためのさまざまな独創的なアイデアをつかんでいったジェイコブズとその仲間たちは、「マスタービルダー」の異名を持つ都市開発の帝王ロバート・モーゼスらが強引に推し進める開発プロジェクトを阻止するため、壮絶な闘いを繰り広げていく。本作では当時の貴重な記録映像や声を織り交ぜ、「常識の天才」ジェイコブズに迫っていく。
2016年製作/92分/アメリカ
原題または英題:Citizen Jane: Battle for the City
配給:東風、gnome
劇場公開日:2018年4月28日
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
1.0映画としては退屈
街にとっては人が歩いているということが大切、というジェイコブスの都市についての考え方はとても面白い。
映画として考えると、正直退屈だった。
彼女自身の持つ魅力や、人を動かしていく巻き込み力みたいなものを観ている側にも伝わるように描くのは難しかったのだろうと思う。それが作り手の問題なのか、エピソード不足なのかはわからない。
それならば、当時の都市計画の問題とそれに対してジェイコブスが挙げた問題提起を紹介して、ジェイコブスを軸とした建築歴史ドキュメンタリーとして全体を構築した方が良かったのではないだろうか。その中でモーゼスとの対立も描けば面白いものに仕上がった気がする。
3.0寝ました
4.0内容が興味深い
ジェイン・ジェイコブズが中心となって、都市がメチャクチャにされるのを阻止した!って話なんだけど、その内容が面白いの。
見せ方も工夫はあるけど、物語になるわけではないので、ちょっと眠いのね。それで前半は少し寝たよ。
どうもモーゼスという人が都市の真ん中に高速道路をドカンと通そうとしたり、団地みたいなマンションを作ろうとしたりすると反対してたんだね。モーゼスと政治家は「金儲けだけ考えてる悪い奴」って非難してって、それがまたうまかったり、モーゼスが失言繰り返すうっかりさんだったりして当たってくっていう。
「そこまでモーゼス悪い奴なの?」って感じもするんだけど、計画だけ聞いてると賛同してもいいかなって気もするし。「マンションは全て破壊された」って言うんだけどさ、1990年代に壊されてるのもあるからね。2〜30年経ったら、まあ壊したっていいよね。
ただ日本でもニュータウンが問題になったりするけど、人工都市ってうまくいってない気がするのね。「この街は都市計画がないから住みづらい」って言ったりするんだけど、そんなのなく自然に発展してく方が街はいいのかな。そのへん勉強したいと思ったよ。
3.0東京マガジンの名物コーナーのような...
まず東京新聞の記事がこの映像作品を知るきっかけとなったことを申し添えておきたい。実際、映画館のロビーに貼られた本作の関連記事の中で一般紙は東京新聞だけだったが、そのことからも本作の性格が読み取れようというものだ。
「映画」を観るつもりの方には本作は勧めにくい。ドキュメンタリー映画といっても、どちらかと言えば本作はBBCなどが制作するような放送番組に近いからだ。そういう意味では私も期待を裏切られたところがある。本作は20名を超えるようなインタビュー映像を主体に構成されているが、それはあたかも最近流行っている製品やサービスの事例ムービーのようでもある。よく撮ったというようなスクープ性を感じる絵もなければ、マイケルムーアのような毒も突撃的な演出もない。主人公に対するリスペクトは溢れているが、その業績や人物を際立たせるようなエピソードや描写が明らかに不足しているのが何とも惜しい。
ちょうど2日前にペンタゴン・ペーパーズという劇場作品を観たばかり。視聴者の共感や感動を呼ぶためには、教科書的な作風では追いつかない。大衆に向けて問題提起するのに、膨大な史実の羅列は不要ということか。引用も証言も最小限で済むはずだ。I, Daniel Blake のように、ひとりの男の短期間の行動を描くだけでも大切なことは伝えられる。深刻な政治的問題に立ち向かうすべを提起できるということを、若い映像制作者も学んでいかなければならないのだろう。
本作の鑑賞にあたっては、日本語字幕の精度に関して留意されたい。あえて詳細は提起しないが、本来の意図と乖離した訳語が多数散見された。その影響をどの程度見逃すことができるのか?もし原語に忠実に字幕化されたなら、どれほどのインパクトがこの作品に加わったのか。
比較的若い制作者によってこの地味なテーマの映像コンテンツが世に出たことには敬意を表したい。
願わくば多くの方が自分の問題だと考えて劇場に足を運ばれんことを。
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3月14日更新
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