ReLIFE リライフ
劇場公開日:2017年4月15日
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解説・あらすじ
漫画アプリ「comico」で連載され、テレビアニメなどでも人気を博した夜宵草の同名マンガを実写映画化。27歳のニートがひょんなことから17歳の高校生として人生をやり直すこととなる青春ラブストーリー。大学院卒業後、新卒として入社した会社を3カ月で自主退職した27歳の海崎新太。コンビニでのバイトの日々を送る海崎の前に、「リライフ研究所」所員を名乗る謎の男が現れた。男は海崎に、薬で見た目だけ若返り、1年間高校生活を送るという実験を持ちかける。半ば自暴自棄になっていた海崎は、被験者になることを承諾。27歳の男が10歳年下の高校生との恋に頭を悩ませ、青春を謳歌する1年間限定の高校生活がスタートする。新太役に「四月は君の嘘」「きょうのキラ君」、NHK大河ドラマ「真田丸」の中川大志。17歳となった海崎が恋に落ちる女子高生・日代千鶴役を「青空エール」の平祐奈が演じる。
2017年製作/119分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2017年4月15日
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
2.0漫画の実写化は難しい
ReLIFEの原作ファンでこの映画観ました。
なかなかやっぱり、漫画の実写化は難しいと思った。
原作に沿ったストーリーは映画の前半20分頃までで、そこから先は全く別のストーリー。
原作であったような、登場人物の葛藤、ぶつかり合い、それを踏まえた成長などが大幅にカットされ、唐突感が否めず、安っぽい青春ラブストーリーになってしまった印象。日代さんが、海崎さんも被験者なのかも?という疑いを持つところの衝撃とか、それ絡みの迷い、夜明さん
などReLIFE研究所側の迷いとかも表現できていなかった。
200話近い漫画を2時間の映画にまとめる難しさは分かりつつ、少し残念。
原作を見ていない人が、青春モノとして観るならありかもしれない
4.0【”今を大切に生きる。そして頑張る事を諦めない!”人気少女漫画原作の映画のレベルは矢張り高いと思わされた作品である。今作は、一捻り入れた設定が絶妙に効いた、青春映画の秀作であると思います。】
■海崎新太(中川大志)は新卒で入った会社を”ある理由”により5カ月で退職。
その後、再就職は不採用続きのまま27歳になっていた。
そんな中、海崎は謎の男夜明(千葉雄大)に誘われて社会復帰プログラムに参加。
見た目だけ10歳若返ってやり直す2度目の高校生活の中、彼は出会うはずのない恋をした。
だが、恋した四角四面の返答しかできない不器用な女の子日代(平祐奈)も海崎と同じく秘密を持っていた。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
■5年ほど前まで、私は女性向漫画の実写化映画を観ないでいた。
何となく、
”その時に人気のあるアイドル俳優を起用して、集客しているんではないの?”
と、勝手に思っていたからである。
阿呆である。
だが、「ピース・オブ・ケイク」「ストロボ・エッジ」「ホット・ロード」「俺物語」「センセイ君主」等を劇場で観て(結構観てんな・・。)面白く鑑賞した。
当たり前である。
厳しい少女漫画界で、超絶人気を誇る作品の実写化が面白くない訳がない。
特に不惑のオジサンであるが故に、そのような作品に触れていなかったモノとしては、実に面白いのである。
今年も様々な少女漫画原作の作品を鑑賞したが、「わたしの幸せな結婚」を始めとして(両脇、女子高生に挟まれて、”オジサンでも良いのかい?”などとおバカな事を考えていたが、あっと言う間に映画に没入。ホントスイマセン・・。)、良作が多いのである。
・今作も、被験者に選ばれた海崎新太(中川大志)が、尊敬していた女性佐伯(市川実日子)が会社で嫌がらせを受け、命を絶ってから会社を辞め、ニートの27歳から17歳になるという奇想天外な構成に魅入られる。
ー 序でに中川大志さんが、10歳違う役を自然に演じている事にも驚く。
そして、佐伯が悲観して自殺した訳ではなかった事が明かされるシーンも、沁みる。-
・ヒロインの日代を演じた平祐奈さんの抑制した演技も、後半になり判明するのである。
<大神を演じた高杉真宙さんも狩生を演じた池田エライザさんも(この美しき方は、今作後、美しさ増しましである。)更に言えば謎の男、夜明を演じたReLIFEの組織の千葉雄大さんも、不惑のオジサンにとっては、魅力的である。
今作の様な人生を肯定する映画は、とても好きである。
海崎新太と日代が、全てを忘れていても、若き人を導く教師になって再び出会った姿は、目頭が熱くなってしまった作品である。>
4.0青春の魅せ方が素直なラブストーリー
最近流行のSFっぽいラブストーリーだと予想していたが、ベタではあるが青春の魅力を素直に引き出した青春ラブストーリーだった。
本作の主人公はニートである27歳の若者海崎新太(中川大志)。彼は、会社で尊敬していた敏腕女性先輩が職場の醜い人間関係に巻き込まれて退職し事故死したことで、自分も退職して無職となり、悶々とした日々を過ごしていた。ある日、彼は、一年だけ青春時代やり直す社会復帰実験に誘われ、何気なく被験者になってしまう。17歳になった彼は、友達たちとの触れ合いを通して再生し、青春を謳歌していくが、次第に、1年という期限が迫ってくる・・・。
10年前に若返るという設定は、奇抜である。しかし、17歳に戻った彼の一年間は、恋愛、受験勉強、花火大会、文化祭、卒業旅行など、極めて有り触れた出来事ばかりである。しかし、その一つ一つが丁寧に描かれ、無理に話を大袈裟にせず、あくまで、等身大の青春群像劇になっているので、当時を思い出して、自分にもああいう時があったな、ああいう友達がいたなという感覚になる。素直に感情移入ができる。
二人の主人公が良い味を出している。頭は抜群に良いが人間関係は苦手な女子高生・日代千鶴役・平祐奈は、人を寄せ付けない鋭い眼差しが効いている。また、佇まい、笑い方、話し方で、人と接する時のぎこちなさを体現している。友達にはアドバイスが出来るが、自分のことになると奥手になってしまう新太役・中川大志は、オジサン臭い熱苦しさを好演している。彼らの不器用で直向きなラブストーリーは粗削りではあるが無限の輝きを秘めた宝石の原石のようであり、青春そのものである。一年という限定期間を考えて、告白を躊躇する新太の気持ちは、自分本位ではなく、相手を思いやる優しさに溢れたものであり、とても切なかった。
女性先輩を巡る、新太の社会人時代の厳しい現実は、働くことの厳しさを示すものである。しかし、働くことは、劇中の台詞にもあるように、“頑張ることを諦めない”気持ちで臨めば、決して辛いことばかりではない。達成感を十分味わえるものであることを、これから就職する若い人達には分っていただきたい。
実験を終えて、新太が選ぶ職業は納得のいくものだった。人との繋がりの大切さを知った新太が進むに相応しい道だった。本作は、ジェットコースターのようなストーリー展開はない。意外なラストもない。大感動、大号泣する作品ではない。しかし、青春の魅せ方が素直であり、等身大の青春に親近感が沸き、爽やかな余韻が残る良作である。
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