わたしに会うまでの1600キロ
劇場公開日:2015年8月28日
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解説・あらすじ
人生の再出発のため1600キロに及ぶパシフィック・クレスト・トレイルを踏破した実在の女性シェリル・ストレイドの自叙伝を、オスカー女優のリース・ウィザースプーンが製作・主演、「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャン=マルク・バレ監督がメガホンをとって映画化したドラマ。脚本は「ハイ・フィデリティ」「アバウト・ア・ボーイ」のニック・ホーンビィ。母の死に耐え切れず、優しい夫を裏切り薬と男に溺れて結婚生活を破綻させたシェリルは、母が誇りに思ってくれていた自分を取り戻すため、人生を一からやり直すために1600キロ踏破の旅に出る。極寒の雪山や酷暑の砂漠に行く手を阻まれ、命の危険にさらされながらも、その過酷な道程の中でシェリルは自分と向き合っていく。第87回アカデミー賞でウィザースプーンが主演女優賞に、ローラ・ダーンが助演女優賞にノミネートされた。
2014年製作/116分/R15+/アメリカ
原題または英題:Wild
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:2015年8月28日
スタッフ・キャスト
受賞歴
第87回 アカデミー賞(2015年)
ノミネート
主演女優賞 | リース・ウィザースプーン |
---|---|
助演女優賞 | ローラ・ダーン |
第72回 ゴールデングローブ賞(2015年)
ノミネート
最優秀主演女優賞(ドラマ) | リース・ウィザースプーン |
---|
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映画評論
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これまで見たことのないリース・ウィザースプーンがそこに存在した。「キューティ・ブロンド」(01)や「ウォーク・ザ・ライン」(06)とも全く違う、まさに飾りを削ぎ落とした剥き出しの魂。大事な靴を「ざけんな!」と全力で谷底へ投げ捨てる豪快さと、胸の痛みに身体...
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映画レビュー
4.0俳優、監督、脚本の才能が相まって生まれた秀作
C.ストレイドによる自伝的物語を、売れっ子作家ニック・ホーンビィが脚色した人間ドラマ。ホーンビィといえば、キャリアの原点において自身のスポーツ・エッセイを自らの手で映画用に脚色したことでも知られているが、本作もこれに似たかなり大胆な脚色を行っている。その結果、核となるエッセンスを極上のユーモアとエモーションが巧みに支えた、思わず胸の熱くなるような重厚なストーリーラインが誕生した。そこに主演のリース・ウィザースプーンによって体当たりで演じられる等身大の人間像が加わり、「自分を変えたい」「人生を変えたい」「自分の中の母の記憶と向き合いたい」という感情が少しずつ天高くに向けて昇華されていく。ジャン=マルク・バレ監督ならではのヒリヒリする内面描写も素晴らしく、特にフラッシュバックを多用したイメージの連鎖は観る者の心をえぐってやまない。かくも俳優、監督、脚本の才能が絶妙に相まって生まれた秀作である。
4.0リース・ウィザースプーンという傑物
リース・ウィザースプーンって求められた役柄を過不足なくきっちりこなすよね。
主役なら主役、脇役なら脇役をきっちり。
おバカな可愛い子ちゃんでも、微妙にムカ付くタイプの優等生でも、献身的な奥様でも、隙のないキャリアウーマンでも、だめんずにハマるOLでも、金持ちでも、お金持ってない階層の人でもきっちり。
そりゃもう、きっちりと作品のムードに調和してる。
で、下品な振る舞いを演じても演技に品があって、愛嬌があるから悲壮感を漂わせても見てる方はイヤな気持ちにならなくて、お顔がそれほど美形じゃないからパフォーマンスにコクがあるっていうか、良い加減で印象に残っちゃう。
そんなリース・ウィザースプーン(1976年生、公開時38歳)が、プロデューサーとして製作し、自ら主演した本作、すごく複雑な役どころだと思うけど、どのシーンでもすごく本物っぽく見える演技だし、お母さん役のローラ・ダーン(1967年生、公開時47歳)とは9歳しか年齢差がないのに、確かに親子に見えるのが恐ろしい。
この人、どれだけ自分を客観視して自己分析、自己演出して、どれだけ自分をコントロールしてるの!?
この作品、凄い作品ではあるんだけど、人生の苦境に陥った主人公が旅に出て生まれ変わるって話で、要するにお遍路さんの物語。お遍路行路の過程で自分と対話したり、贖罪したり、自然の雄大さを思い知ったり、他人の優しさに触れたり、本作では要するに「親離れ」(と、私は解釈しました)をしたり、そういう映画や小説はゴマンとあるでしょ?でも本作では宗教性とかスピリチュアルなアプローチは一切なくて、非常に理性的で清々しい印象。
プロデューサーとしてこの原作をセレクトして、主演俳優として過酷な役柄をやり遂げて、えらく真っ正直な作品を作り上げちゃった。
すごく地味だけど、かなりの力技を必要とする作品だと思うんですよ、こういう作品って。なのにプロデューサーと主演俳優を両方務めるなんて、何気に途方もない荒技なんじゃないの?
だって俳優としての演技だけ見ても、アカデミー賞を獲得した『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』(2005)に決して劣らないパフォーマンスだと思います。これやりながらプロデューサー業までこなしてたとか、ちょっと信じられないレベル。ホント恐ろしい。
実際、凄い人なんだろうなぁ…リース・ウィザースプーンって。
2.5お母さんへの想い
3.0評価が高いが自分にはあまり響かなかった
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