ターナー、光に愛を求めて
劇場公開日:2015年6月20日
解説・あらすじ
イギリスを代表するロマン主義の画家で、後のモネなど印象派の画家たちにも影響を与えたターナーの人生を、「秘密と嘘」「ヴェラ・ドレイク」で知られる名匠マイク・リー監督が描いたドラマ。ターナーを演じたティモシー・スポールが、2014年・第67回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。18世紀末のイギリス。若い頃から高い評価を受けながらも、自由気ままに生きるターナーは、インスピレーションの源を求めて旅を続けてきた。ある時、助手を務めていた父親の死にショックを受けたターナーは旅先で宿を経営するひとりの未亡人と出会う。
2014年製作/150分/PG12/イギリス・フランス・ドイツ合作
原題または英題:Mr. Turner
配給:アルバトロス・フィルム、セテラ・インターナショナル
劇場公開日:2015年6月20日
スタッフ・キャスト
受賞歴
第87回 アカデミー賞(2015年)
ノミネート
撮影賞 | ディック・ポープ |
---|---|
作曲賞 | ゲイリー・ヤーション |
衣装デザイン賞 | ジャクリーン・デュラン |
美術賞 |
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2021年3月5日
映画評論
光を描くことに執念を燃やした芸術家の全人生を感じさせる、センシティブな作品
優れた映画は無いものを見せる。この映画にターナー(ティモシー・スポール)の母親のエピソードは登場しない。が、父親と親密な関係を築く一方で、元愛人と娘を冷たくあしらい、献身的な家政婦もぞんざいに扱うターナーの姿から、彼の中に歪んだ女性観を植え付けた母親の存...
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映画レビュー
4.0伝記映画らしからぬ、マイク・リーらしい人間賛歌
英国を代表する画家、ターナー。いわゆる印象派を先取りしたその画風は、ある意味、目で見たもの以上のことを画面に表出させようとする映画の原点とも捉えうる。その伝記映画たる本作では、巨匠マイク・リーの真骨頂というべきか、彼がこれまで歩んできた日常の機微を切り取るような角度で、ターナーの暮らした日々に光が注がれる。鼻息も荒く、部屋の中を右往左往しながら筆を走らせる彼のスタイルも独特だが、そこに絡んでくる様々なキャラクター達とのやりとりもジンワリとした味わい。「ワシにしかできない仕事だ」と息子のために具材を調合する老いた父。ほのかな距離感でターナーと関係を持つお手伝いの女性の描き方も温かく優しい。さらに科学技術の波が押し寄せる時代に、彼がそれらに関心を寄せつつも自分にしか成しえないものを追い求めた姿も胸を打つ。通常の伝記とは異なり、彼の心に映っていたのものをおぼろげに描きこむ、さながらターナーの絵画のような作品であった。
4.030年来のターナーのファンとしては必ず押さえたい作品。 非常にシン...
3.5特徴ある黄色味の作品の世界に入り込むような感覚。当時の照明だと作品...
特徴ある黄色味の作品の世界に入り込むような感覚。当時の照明だと作品はどんな風にみえてたんだろう、若くして成功しても変化し追及し続け(人柱…)数多くの所蔵品を世に残した作家の奔放な生活を知る。
光でも海でも形を成さないものの集まりは突き詰めると抽象表現に寄っていくよね。具象が当たり前の時代に新作投入して理解されない苦しみいかに。
3.0天才は求め続ける
芸術家の苦悩を描いた作品ほど苦手なジャンルはない。
何故なら、私のような凡人には分からないから。
18世紀末のイギリス。後のモネなど印象派の画家たちに影響を与えたジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの伝記。
…と言っても、いつもながら無知で疎く、名前を聞くのも初めて。
2時間半もあり、こりゃもう見る前からギブアップの声を上げていたのだが…、
芸術家としての感性や深いテーマ性などはさすがによく分からない。
が、一本の伝記映画としては、マイク・リーの格調高い演出、ティモシー・スポールの名演により、思いの外見れた。
特に、スポールの名演が素晴らしい! 若い頃から死まで、全編ほぼ出ずっぱりで、堂々たる名演、熱演、存在感。単なるハリポタの“ネズミ男”ではない名優だ。
そして、映像の美しさ! あたかもターナーが手掛けた絵画のよう。これだけでも見る価値はあった。
どの時代、どの人物もそうだが、天才というのは理解されない。
芸術家としては紛れもない天才。
が、芸術アカデミーからは異端の目で見られる存在。
人間的にも欠陥点あり。
理解者で、仕事の助手として支えの存在だった父の死。
身体を重ねたり、交流を持ったり、最期の時まで世話してくれたり、数多の女性の存在。
インスピレーションを求め、各地を旅する。
苦悩・葛藤、繊細であり複雑な内面、放蕩の果てに、何を求めたのか…?
いや、求め続けたのだ。
芸術家としての光を、人間としての愛を。
天才芸術家に“完成”は無い。
だからこそ後世の芸術家たちも、我々凡人も、天才の求め続ける姿に感服される。
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