スティーブ・ジョブズ1995 失われたインタビュー
劇場公開日:2013年9月28日
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解説・あらすじ
2011年に亡くなったアップル社の創設者スティーブ・ジョブズが1995年に受けた幻のインタビュー映像をまとめた。撮影当時、TVのドキュメンタリー番組でその一部を使用したのみで消失してしまっていた映像がジョブズの死後に奇跡的に発見され、修復してHDマスター化。アップル社を追われて新会社NeXTのCEOであった当時のジョブズが、自身の生い立ちやアップル社、コンピューターの未来について率直に語る。
2011年製作/70分/アメリカ
原題または英題:Steve Jobs: The Lost Interview
配給:アーク・フィルムズ
劇場公開日:2013年9月28日
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
3.5ど正直
コンピューターに興味を持ち始めた子供時代から、Apple復帰直前の頃までをインタビュー。
ときには沈黙し、言葉を選びながら誠実に率直に語る。
何がスティーブ・ジョブズをスティーブ・ジョブズたらしめたかがよくわかる。
「成功」は個人によって解釈は異なるけれど、この人のそれはいい製品をつくること。
人材を選び、既定のプロセスに常に見直し、常に疑問を投げかける。
シンプルにストイックに、いい製品を目指して奔走する。
この姿勢が多くのAppleファンを生んだのだ。
彼がどういう気持ちで製品を作っていたかは製品そのものに反映されている。
ファンははっきりとそれを感じた。使いたい!と思う製品。わたしもこのうちの1人。
彼がきっぱりと言い切ったとおり、マイクロソフトには魂(spirit)がない。
全く納得してしまった。
下手なビジネス本を読むより、このインタビューを見て、プログラミングの勉強をした方がためになりそうな気がしますw
2.5キレッキレのジョブズ
85年にアップルを追い出される形で退社したジョブズが新会社NeXTのCEOとして、このあと再びアップルに凱旋し現在に続く快進撃の立役者となる前夜の95年インタビュー。96年末アップル復帰、98年初代iMac、01年初代ipod、07年初代iphone。
ハード自ら製造の原点、プログラミングは一般教養にするべきだ、「優れた芸術家は真似る、偉大な芸術家は盗む」、ヒッピーかオタクなら僕らは皆ヒッピーだ、この先インターネットが自分の気持ちを他者と共有できるコミュニケーションの場になる。
ノンストップ早口インタビューで字幕だったが、こういうのこそ吹替がつけばより理解できたと思う。
5.01955-2011
1995年の映像。現在から20年ほど前だ。ジョブズちょうど40歳、亡くなる16年前のある意味最も充実した時期のインタビューなのかもしれない。ローレン・パウエルと結婚して四年目くらい。トイストーリーの公開直前か。ピクサーを立て直し、NeXT社でMacに数年後に搭載されるOS Xの研究開発を行っていた時期だ。映画「スティーブ・ジョブズ」2016 の二つ目 NeXT社でのcube発表の7年あと、三つ目iMac発表の少し前。
まだ、ノートパソコンは非常に高価で、iPod はおろか、iMacも、iPhoneもこの世に存在しない。しかし、この時期のスティーブには、WEB技術が世界を席巻することは自明の理であったことが窺える。ハードそのものや知識が普及していない時代にコンテンツの重要性を強調している。すごい。
考えてみればインターネットは現在よりはるかに低速で通信され、使える場所も限られており、ハードディスクは250MBとかで、いつもクラッシュしていた。Appleが、まぬけにコピーされたWindows PCに完全に敗北していた時期。いや、ほんとはWindows陣営は、Macintoshを完全コピーしたかったのだと思う。Apple経営陣がそこを分かっていなかった。
スティーブ・ジョブズの年譜は、ごく大雑把に、三つの時期に分けられる。一つ目は、20代のApple創業期。そして二つ目は、新製品Lisa 及びMachintoshを発表しながらも、自ら引き抜いたジョン・スカリーに会社を追放され、ルーカスから買った無名のピクサー立て直しと、小さなNeXT社でOS 開発を行っていた30代。
そして三つ目が、40代、50代のApple再興期。輝かしい21世紀の初期に名声と資産と家族を築き上げた。
このインタビューからは、一つ目と二つ目の時期を総括しているスティーブ自身の生の声が聞ける。まだ40歳の生のスティーブは、いかにも19世紀の人間らしい成功すれば、他人がどう思おうとたいして気にしなくていいという気風があり、言葉にも現れてはいる。しかし、20代の自分を反省している風でもある。
ビデオ画質は、思ったほど悪くなかった。貴重なインタビュー映像であり、インタビュアーもよい。あえて言うなら、当時としては、内容を瞬時に理解できる人はほとんど居なく、仮にいたとしてもスティーブ・ジョブズの評価が定まるのに10年くらいかかるので、文字通りお蔵入りになってしまったのかもしれない。亡くなってもうじき5年たつ。
3.5フラットな構成のよくできたインタビュー
非常に的確に未来を予見していたことがよくわかる。
ある意味では、敗走を強いられていた時期とも言えるのだろうけれど、語り口からは必ず訪れる勝機を確信しているかのようでもある。
スピリット、テイストとセンス、彼が多様していたワードに現在に至るアップルの方向性は示されている。
マイクロソフトをぼろくそに言う、それが負け惜しみではなくて本当に自分が思い描くビジョンとの相違から湧いて出る感情なのだということが伝わる。
インタビューも適度な距離感を持った質問に徹していて内容も濃い。
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