ふたりのイームズ 建築家チャールズと画家レイ
劇場公開日:2013年5月11日
- 予告編を見る
- 配信動画検索

解説・あらすじ
1940~60年代にアメリカの近代主義から生まれたデザインの潮流「ミッド・センチュリー・モダン」の旗手として知られるチャールズ&レイ・イームズ夫妻の素顔に迫ったドキュメンタリー。画家を目指すレイ・カイザーと当時既婚者だった建築家のチャールズ・イームズは恋に落ち、互いの才能を認め合ってイームズ・オフィスを立ち上げる。第2次世界大戦後の急速な近代化や冷戦など時代に翻弄されながらも、家具や玩具、建築、映画などさまざまな作品を発表し、2人は20世紀を代表するデザイナーとなっていく。チャールズとレイの死後、初めて明かされる2人の手紙や写真のほか、当時イームズ・オフィスにいたスタッフや家族へのインタビューを通し、イームズ夫妻のデザイナーとしての生きざまを明るみにする。
2011年製作/84分/アメリカ
原題または英題:Eames: The Architect & The Painter
配給:アップリンク
劇場公開日:2013年5月11日
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジェイソン・コーン
- ビル・ジャージー
- 編集
- ダン・バーニール
- 音楽
- ミカエル・ベーコン
- ナレーション
- ジェームズ・フランコ
ふたりのイームズ 建築家チャールズ... の関連作を観る
フォトギャラリー
映画レビュー
3.5楽天的デザイン
大勢にとって使いやすいものを追求しようとすれば、ワンパターンにはまってしまいそうなところ、こんな型にはまらず、楽天的で、突発的にやってのけたイームズ夫婦。
わかりやすくて馴染みやすくて楽しい製品は、その舞台裏がそのまま表現されているように思える。そして今もなお愛され続けるロングセラー。だって、わかりやすくて馴染みやすくて楽しい製品は、いつだってみんな大好きだもの。
ものづくりは、思考だけでやるものではないというのがよーくわかる作品。クリエイティブ系でなくとも、こんな楽しく前向きな心持ちはどんな仕事をするにもお手本になる。(なかなか実行は難しいけど!)
元愛人は出てこなくてよかったかなあ。
3.5二人のイームズの偉業だけでなく、スタンスやポリシーに感動!
今年の春に映画館でみて、最近DVDを買って再度見直して見ました。
そもそもイームズってこと自体にあまり馴染みがなかったのですが、昨今のミッドセンチュリーモダンの流れで久々に目にすることがあり、興味本位で見に行って見たのがきっかけでした。
内容的には…
建築家だったチャールズが、当時技術的に難しかった成型合板を使った体を包み込むチェア「イームズチェア」を実現する過程で、レイと出会い、チャールズはレイに惚れ込み、公私ともにパートナーとして仕事を成功させて行く…といったサクセスストーリーとその晩年といったところでしょうか。オープニングの二人の多彩な仕事を紹介する仕立ての映像やロシアへのアメリカを紹介するプロパガンダ映像、万博でのIBMパビリオンのプロデュースなどをへて、椅子やおもちゃといったプロダクトデザインだけでなく、幅広い分野のデザインを手がけて行くというストーリー的にはの過程は本当に圧巻で、今、見てもその才能の素晴らしさ、デザインの素晴らしさは本当に目を見張ります。すごい人たちだったんだな…と実感。
ただ、個人的にこの映画で印象に残ったのは、
イームズは2人でしか成立しなかったということ
信念は曲げてはいけないということ
チャールズもレイもプロダクトデザインの仕事ではあるものの、チャールズはどちらかというとマーチャンダイザーよりで、レイはデザイナーです。だからこそ、チャールズは当時技術的に難しかった成型合板を使い、今までになし得なかった背もたれが一体型の新しい椅子を作り出そうと思い、それを実現させました。その過程で、沢山の人の体型データをとり…という過程もまさにマーケティングだし。プロパガンダ映像を作ったことや、当時社会的に恐れられていたコンピューターにいち早く目を付けて、IBMと組んで仕事をするという部分や、数学が嫌いな国民性をなんとかするために撮った映像(10倍の倍率で映像を動かして行き、ピクニックをしている男性の映像から宇宙へズームアウトし、それが細胞レベルまでズームインして戻るもの)もまさに先見の明です。一方で、チャールズはカラーや細かいデザインをレイに依存をしています。そのレイは、出演者曰く、「レイが並べると魔法がかかる」と言わしめる美的センスの高さで、イームズのプロダクトのデザインを作り出し続ける。
この関係性ってイームズの知性と感性であり、まさに物を生み出すための道筋をつくるマーチャンダイザーと物その物を生み出すデザイナーの関係性で、この関係性がとても高いレベルで上手く行っていたのがイームズだったんだとおもいました。だから、きっとどちらがかけてもダメだったんだろうし、実際、晩年はレイを脇役に回してチャールズが一人表舞台という感が強かったものの、成功は収めることができませんでした。
そして、大きく感じた後者は、「最少の材料で最大のお客様に最高の商品を」ということを前提にしたイームズチェアの開発。その信念をレイは最後まで持ち続けていたものの、チャールズは何処かに忘れてきてしまったのか…最後のアメリカの歴史を紹介する建国記念のパビリオンが批評にさらされたのは、チャールズしか理解ができない、一般の人には理解ができない難解なものだったというのが、とても印象的でした…大きくなる過程で自分を見失ってしまったのでしょうか…
それと、サーカスの件も素敵でした。というか、本当に自分の戒めだなって思いました。「理解することを他人任せにしない、それがイームズ式デザインの秘訣。1つのアイデアを出しては捨て、50のアイデアを出しては捨てる。いくつかの試作品を作り、ダメなら捨てる」「デザインはお客様に対して良いおもてなし役にならなくてはならない」世にないような物を生み出し、お客様に喜んでもらうには…弛まぬ努力(このオフィスみたいに365日も働けませんが…)とその努力を決して人には見せない。だからこそ、人々はその製品やその会社に夢を見出すのだろうな…と。
チャールズとレイが不倫関係だったことや、その後、チャールズの浮気相手がでてきて云々はぼくには本当にどうでもよくて、チャールズとレイという2人がイームズであり、晩年、レイは不遇な時代があったけど、そのイームズを作り出したものづくりへの信念や人生を楽しむ姿勢はとても勉強になりました。
最後に、レイが息を引き取ったのはチャールズの亡くなったちょうど10年後…。本当にベストパートナーだったんですね。
映画.com注目特集
3月19日更新
【衝撃の問題作】なぜ世界は「ガンニバル」に熱狂するのか? “絶対的支持”の理由を徹底解説!
提供:ディズニー
【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――
提供:東和ピクチャーズ
【あまりにオススメされるので、シリーズ未見だけど観てみた】結果は…ハマるまでのリアルドキュメント
提供:ツインエンジン【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI【感想投稿で豪華賞品が当たる】ちょっとでも観たことある人、今すぐ参加して!(提供:ディズニー)
注目作品ランキング
1
ウィキッド ふたりの魔女劇場公開日 2025年3月7日
2
35年目のラブレター劇場公開日 2025年3月7日
3
ファーストキス 1ST KISS劇場公開日 2025年2月7日
4
映画ドラえもん のび太の絵世界物語劇場公開日 2025年3月7日
5
ロングレッグス劇場公開日 2025年3月14日
映画ニュースアクセスランキング
- 昨日
- 先週
1
女優で歌手で潜入工作員…さらに射撃の名手! ガイ・リッチー新作「アンジェントルメン」本編映像2025年3月19日 08:00
2
アンディ・ラウ主演、香港映画史上最大級のディザスター大作「カウントダウン」緊急公開が決定【特報公開】2025年3月19日 08:00
3
【本日配信!】「ガンニバル」完結編、新宿にリアル出現した“人が喰われている村”に行ってきた2025年3月19日 15:00
4
橋本環奈が“赤い人”になった!? 「カラダ探し THE LAST NIGHT」9月公開、衝撃のビジュアル披露2025年3月19日 07:00
5
「47RONIN」監督がNetflixに対する詐欺容疑で起訴 16億円を不正流用2025年3月19日 14:00
1
ニコラス・ケイジの変貌ぶりがヤバすぎて主演女優の心拍数が「76→170」に跳ね上がる「一生忘れない」2025年3月11日 18:00
2
櫻井翔×北川景子「映画 謎解きはディナーのあとで」3月29日に放送2025年3月14日 16:00
3
「日曜アニメ劇場」3月16、23日に「宇宙戦艦ヤマト2199」劇場版2作を放送 30日は「ルパン三世VSキャッツ・アイ」2025年3月14日 18:00
4
【閲覧注意】台湾ホラー「ガラ」5月9日公開決定! 衝撃の日本版ビジュアル&予告編&場面写真を一挙公開2025年3月10日 08:00
5
【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙2025年3月14日 22:55