ルート42
劇場公開日:2014年4月12日
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解説・あらすじ
紀伊半島を一周する国道42号線を舞台に、それぞれ悲しみを抱える男女の旅を描いた青春ロードムービー。結婚を誓った恋人・陽子を交通事故で亡くした龍也は、ショックのあまり勤めていた工場を辞めて陽子の後を追おうとする。そんな時、陽子に生き写しの女性・友梨と出会った龍也は、死者に会えるという黄泉の国へ行こうと誘われて一緒に旅に出る。出演は「ROOKIES」の高岡蒼佑、「森崎書店の日々」の菊池亜希子。
2012年製作/日本
配給:アールツーエンターテインメント
劇場公開日:2014年4月12日
スタッフ・キャスト
フォトギャラリー
映画レビュー
4.0死のうと思うこと、それでも生きて行こうと思うこと
それぞれの理由で死のうと決した三人が、死者と会えるという「根の国」に向かうロードムービー。
その熊野へと続く国道42号線は、「死に号線」の別名をもつ。
三人の決意が伝わる切なさと、ピアノ曲や和太鼓の音楽がうまく溶け合い、心惹かれるものがあった。
ただ、結局熊野まで行かないのは肩透かしを食った気分。根の国の説話は、熊野に行ってこそ真実味が沸いてくるはずだったのに、そこは残念。
自殺願望の若者たちの話といえば、吉村昭「星への旅」があるが、この映画のラストのほうが僕は好きだ。そこが東北と紀州の違いなのかもしれない。この映画もハッピーエンドのエンディングとは言い切れないし、心境や環境になにか特別な変化があるわけではないが、だからこそ身近に感じられるリアルさがあった。
おそらくタツヤにとって、小市慢太郎ふんするオジサンだけでなく、死んだ陽子の生き写しのユリとの出会いも、神様の示唆だったのかもしれないと思えた。
そのメッセージは、「生きろ!」とか「人生に目標を!」とかのようなポジティブのものではなく、「生きてればいいこともあると思うよ」くらいのぬるさで。
高岡本人の歌うエンディング曲にのっかって、そんな感情が僕の心を満たした。
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