待合室 Notebook of life
劇場公開日:2006年11月4日

解説
新聞に掲載された実話をもとに、1冊のノートを通じて1000人以上もの見知らぬ旅人達に返事を書き、生きる事の素晴らしさを伝え続けているヒロインの半生を描いた感動のヒューマン・ドラマ。主演は、日本映画界を代表する名女優、富司純子。そして富司扮する和代の若き日を実力派・寺島しのぶが演じる。監督は『修羅がゆく』シリーズの脚本家で本作が監督デビューとなる板倉真琴。
2006年製作/107分/日本
原題または英題:Notebook of Life -Machiaishitsu-
配給:東京テアトル/デジタルサイト
劇場公開日:2006年11月4日
あらすじ
ある雪の日、待合室に現れたのは妻と娘を事故で失った浩一(利重剛)だった。一晩を待合室で過ごし、生きる目的を失ったまま旅立った彼に、和代(富司純子)は読まれるあてのない励ましの返事を書く。小繋(こつなぎ)に嫁いできてからの色々な出来事を思い出しながら…。遠野で生まれ育った和代(寺島しのぶ)は、小繋に嫁いできた。店で元気に働きながら、夫の志郎(ダンカン)とやがて生まれた娘・和枝と幸せな日々を送っていた。しかし、ある日和枝が、不慮の事故にあってしまう。そして数年後、志郎にも病魔の手が迫っていた。志郎亡き後二十年近くひとりで店を切り盛りしている和代は小繋駅に置かれた“命のノート”に書き込まれた旅人の様々な想いに返事を書き、生きていく事の素晴らしさを伝え続ける……。しかしある日、突然ノートが待合室からなくなってしまう…。意気消沈した和代は、母の住む遠野へと向かう。明るく振る舞う和代だが、母は気丈にも和代を突き放す。帰りの電車の中、母が握ったおにぎりの味に、様々な想いが入り混じり、自然に涙が溢れ出す。そして、小繋駅の待合室で和代を待っていたものは……。
スタッフ・キャスト
映画レビュー
5.0やっぱ日本人にはおにぎりが似合うなっす
感動の押し売りなど一切ないのに、心に響いてしまう。「生きていればいつかはいいことがある」と命の大切さを淡々と書き綴る主人公の夏井和代(富司純子・寺島しのぶ親子競演)。人生においてひとつもいい思い出などなさそうな彼女の口から発せられるからこそ、言葉の重みがひしひしと伝わってくるのです。
岩手県遠野市から二戸郡一戸町へと嫁いできた和代。教師をしていた夫(ダンカン)が教え子から人生相談をよく受けていたため、その返事を手伝ったことがきっかけとなり、駅にあった「命のノート」に返事を書くようになった。「文才がなくても心で書けばいい」と夫に教えられ、こつこつとノートに書いてゆく・・・
観光名所など何もない村の小繋駅。全国各地から心に傷を負った者が訪れてはノートに人生の苦悩を書き連ねる。彼らのほとんどは再び訪れてノートの返事を確かめることをしない。しかし、和代とは心が通じ合っているかのように彼女のことを「東北のおかあさん」と呼んだりしているのです。命の重みを語るには心に傷を持った者のほうがやはり説得力があるのだろうか、いや、それ以上に彼女の明るさと心からの接し方に温かみを感じてしまうのだろう。
日本初のフィルムストリームカメラ「VIPER」を使用といった映像よりも、人の死を全く映像化していないという、ヤクザ映画出身監督のこだわりが感じられた。普通なら死に際とか葬式の映像を取り入れて「さあ、ここで泣いてください」と言わんばかりのクライマックスを持ってくると思うのです。そのあざとさが全くない・・・淡々とノートに書き込むだけ。
終盤、和代の姿が「鶴の恩返し」のようになっていましたが、彼女が亡くなった人やノートによって救われた人たちへの感謝の気持ちの表現していたのか・・・彼女自身もそれが生きがいとなっていることが重要だったのかもしれません。そして綾戸智絵によるエンディング曲が心にしみる。
【2007年1月映画館にて】
2.5うん。田舎町の雪に覆われた情景が静かでとても綺麗。そして凄く寂しい...
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