ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館
劇場公開日:2012年12月1日
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解説・あらすじ
「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが主演するゴシックホラー。19世紀末のロンドン。愛妻を亡くし、失意のどん底にいた若き弁護士アーサーは、事務所の所長に命じられた仕事のため、ひとり息子をロンドンに残し、とある田舎町に赴く。その町で最近他界した老夫人の遺言状を見つけ出さなければならないアーサーは、老夫人が住んでいた館に足を運ぶ。しかし、沼地に建つ館には異様な雰囲気が漂い、謎めいた黒衣の女がたびたび出没。やがて館の忌まわしい過去と、町の子どもたちが相次いで変死している事実を探り当てたアーサーは、恐るべき呪いの連鎖に巻き込まれていく。
2012年製作/95分/G/アメリカ・カナダ・スウェーデン合作
原題または英題:The Woman in Black
配給:ブロードメディア・スタジオ
劇場公開日:2012年12月1日
スタッフ・キャスト
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「ブラック・スワン」製作者×「キック・アス」脚本家×英国ベストセラー小説 この冬最も怖い、映画ファン注目ゴシック・ホラーにラドクリフが挑む!!
イギリス発の傑作ゴシック・ホラー小説を、「ブラック・スワン」の製作者、「キック・アス」の脚本家、老舗ホラー・レーベルのコラボレーションで映画化。ダニエル・ラドクリフが、「ハリー・ポッター」シリーズ後の初主演作として合流した「ウーマン・...
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映画評論
怪奇な詩情と哀切なる情感に満ちた英国産のゴシック・ホラー
よそ者に冷ややかな眼差しを向ける村の人々、水辺にぽつんと建つ不気味な洋館、その窓辺や墓場に出没する黒衣の女幽霊……。スーザン・ヒルの名作小説「黒衣の女 ある亡霊の物語」に基づく恐怖劇は、とことん正統派のゴシック・ホラーだ。観る者をギョッとさせるショック演...
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映画レビュー
1.5ダニエル・ラドクリフがホラーの主演としてはミスキャスト
残念ながらこれまた期待ハズレ。
まず、ダニエル・ラドクリフがホラーの主演としてはやはりミスキャスト。演技自体は素晴らしいですが、どうしても「大人になったハリー・ポッター」のイメージが脳裏から離れず、作品世界に集中する事を阻害されます(笑)。未だに子役の印象が強いせいもあり、父親役として出演しているのにも違和感。まだ独身の青年役とかなら印象も違ってたかも知れませんが…。
「呪い」ネタのストーリーもありきたり過ぎて意外性が無く、終始、ダラダラと間延びする展開とコケ脅しな"ビックリ"演出にウンザリして、何度も休憩しながら、飛ばし飛ばしで何とか最後まで見ました。
<< 以下、ネタバレビューです。未見の方は注意 >>
終盤の10分くらいは多少盛り返しますが、これまたこの手のホラーにありがちな、「呪いの解決に奔走したけど、やっぱり何も解決しませんでした」というアンハッピーエンドで終了。しかもラストを何となくハッピーな感じで演出しているのもモヤモヤ感が残ります。せめてもう少しストーリーに工夫や意外性があれば良かったのですが、ここまでありきたりではねえ…。
2.5怖くないのは致命的
3.5古典的なゴシックホラー
時代は、暗鬼が漂う19世紀末のイギリス。誰も住まなくなった、さびれた古城の様な館が舞台。ホラーと言っても、スプラッター的な血生臭さはなく、暗闇から忍び寄る、得体の知れないものへの恐怖が描かれている。その館の忌まわしき過去の事件から端を発した、怨念や亡霊を巡る古典的な、ゴシック・ホラー作品となっている。
庭は荒れ果て、館には蔦が這い回り、蜘蛛の巣がかかり、正に、ホーンテッド・マンション。おまけに、サン・ミッチェルのように、干潮時しか渡れない孤立した島に建つ館。普段は脱出も不可能というの密室空間の設定も、恐怖を煽る。そこを訪ねるのが、若き弁護士・アーサー役のダニエル・ラドクリフ。
妻を亡くし、失意のどん底のアーサーは、幼い息子を家政婦に託して、ある夫人の遺言状の見つけ出す命を受け、田舎町に出かける。その夫人の家こそが、例の館。ところが、その近隣の街では、子供の失踪事件が相次ぎ、それは、館の亡霊に連れ去られたと、まことしやかな噂が広まっていた。
遺言状調査の為に訪れた、アーサーに対しても、住民は敵意を剥き出しにし、ようやくたどり着いた館は、異様な霊気を漂わせ、謎めいた黒いドレスの女の姿を度々面にすることになる。この女の正体は何なのか…?館での調べが進む中で、アーサーは、その館に纏わる恐ろしい呪縛に巻き込まれ、館に取憑く亡霊と対峙していくことになる。
とまぁ、内容は、それほど目新しいモノでもなく、ゴシック・ホラーにはよくある、古き館の呪いに纏わるもの。但し、アーサーと息子のラストシーンは、「エッ」と思わせる、ちょっとサプライズな終わり方でもあった。
この作品が公開されたのが2012年。ラドクリフも、『ハリー・ポッター』時のイメージを払拭して、新たに大人の男としての役作りに挑み始めた作品であったと思う。でも、どうしてもハリーの姿を彼に重ねて観てしまうのは、子役として活躍してきた、彼自身が背負った非情な運命なのかもしれない。
4.0高品質
老舗のハマー・フィルムが長年の年月を費やして描いたとされるホラー。当時はまだハリー・ポッター感が抜けないダニエル・ラドクリフ主演。
興行的にはかなり成功した様だが、評価が伸び悩んでいたのが記憶に残る。そしてこの度ようやく鑑賞する事が出来た。
ハマー・フィルム渾身の一作の様に宣伝されていた為、どうしても期待値が上昇してしまうのはやむを得ないが、その期待には十分に応えてくれた作品だった。舞台が19世紀の為、全体を通してレトロな雰囲気が立ち込めているのは雰囲気作りに大きな効果を与えていると思われる。古い洋館、海霧に覆われた町、哀愁漂う主人公・・・全てをとってお洒落で引き込まれる物がある。
恐怖描写はもちろん怖いが、Jホラーを意識した様な描き方であった。派手な演出等は少なく、じわりじわりと忍び寄る独特な怖さだ。「黒衣の女」も雰囲気抜群であり、「死霊館 エンフィールド事件」の最強悪魔、バラクと似たインパクトを与えてくれる。ストーリーには大きなヒネリは無く、至って普通の物語なのが少々残念だが、ラストの良いとも悪いともとれるシーンは考えさせられてしまう。全体的には地味だが、高品質なゴシック・ホラーは探してみると貴重である。その中の1作に本作も間違いなく入れると思う。
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