633爆撃隊
劇場公開日:1964年7月25日

解説
フレデリック・E・スミスの原作を「大脱走」のジェームズ・クラベルと「カサブランカ」のハワード・W・コッチが共同で脚色、ウォルター・グローマンが演出した戦争ドラマ。撮影はエドワード・スケイフ、音楽は「人間の絆」のロン・グッドウィンが担当した。製作はセシル・F・フォード。出演は「あしやからの飛行」のジョージ・チャキリス、TVのクリフ・ロバートソン、新人マリア・パーシーのほか、ハリー・アンドリュース、ドナルド・ヒューストンなど。
1964年製作/アメリカ
原題または英題:633 Squadron
配給:ユナイテッド・アーチスツ
劇場公開日:1964年7月25日
あらすじ
1944年、第2次大戦の戦局は大詰めに近づいていた。英国のサトン・クラドック空軍基地にエリック(ジョージ・チャキリス)が派遣されてきた。エリックはノルウェーの地下組織「リンゲ」のリーダーで、ドイツ軍燃料工場爆破の情報を持ってきたのだ。デイビス空軍少将(ハリー・アンドリュース)は633爆撃隊長グラント(クリフ・ロバートソン)、バレット部隊長(ドナルド・ヒューストン)、情報将校ビル(マイケル・グッドリーフ)を集め、直ちに戦略会議を開いた。この計画を達成するには633爆撃隊が目的地に到着する前に、エリックの地下組織隊員がドイツ軍の高射砲陣地を破壊しておかなければならない。爆撃隊の面々は、酒場「ブラック・スワン」にたむろし、敵の目をあざむいて、その日を待った。そんなある日エリックの妹ヒルデ(マリア・パーシー)が酒場を訪れた。しかしエリックはヒルデに秘密を打ち明ける間もなく情報局からの命令で、ノルウェーに帰った。グラントは残された妹ヒルデを何くれとなく世話し、2人の間に愛が芽生えた。そんな時、グラントのもとにノルウェーのゲシュタポ指令本部を爆破せよという命令が下った。エリックがゲシュタポに捕らえられ、彼の口をふさぐための工作だった。633爆撃隊はゲシュタポ本部を爆破した。しかしエリックは激しい拷問に耐えかねて自白し、地下組織軍はドイツ軍のために全滅した。そうとは知らぬ爆撃隊はその時敵地に侵入していた。直ちにグラントに帰れの通信が打たれた。しかし隊員は誰1人として引き返そうとしなかった。爆撃隊は敵の砲火をかいくぐり工場を爆破した。が、633爆撃隊は全滅した。その頃基地ではグラントを一心に待つヒルダの姿があった。
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
4.0戦争映画ファンならマストの映画 スターウォーズのファンも出典を知る為には観ておくべき作品です
男の子が軍用機のプラモデルを買うのはゼロ戦とかぐらいが普通
本作に出て来て大活躍するモスキートを買って作ったりしていたら、それはもう立派な軍事オタクです
それもかなりの通です
モスキートは双発爆撃機ながら快速を誇り運動性能も戦闘機に匹敵するほどの傑作機で大戦中はイギリス軍の爆撃機部隊でも特殊な作戦で大活躍しました
本作はそんな機材で編成された英空軍第633爆撃隊の活躍を描く戦争映画です
そこに少しスパイ映画とメンフィスベル的な青春物語がブレンドされたような構成です
ノルウェーのフィヨルドの谷間の稜線よりも低く、縫うようにフィヨルドの奥の奥に隠された目標に向かって侵入するモスキート
猛烈な対空砲火、上空から襲いかかる敵戦闘機
これがスターウォーズのエピソードⅣのクライマックスであるデススターのトレンチを超低空侵攻するXウイングにそのまま引用されています
精密な爆撃が求められる投下シーン
投下後の急速離昇離脱もそのまま本作から引用されています
ノルウェー海軍の大尉はもし彼が英国海軍の人ならジェームズ・ボンドその人の若き戦時中の活躍そのものです
この戦いを生き延びて戦後はMI6に出向していたら20年後に007を名乗っていたでしょう
そして彼の妹は本作に花を添えるラブロマンスの役回りですが、実は彼女こそが敵側のスパイで633爆撃隊の特殊任務の情報を流していたのではと思わせます
そうでなければ説明のつかない敵側の待ち伏せが何度も続くからです
しかしそれは臭わせるだけで全く触れません
あくまでラブロマンスで終わります
そうしないと違うテーマの映画になりますし、もう一本分の時間が必要になるからでしょう
爆撃機部隊の活躍だけを観て、本作の余韻を反芻するときに、もしかしたらやっぱり彼女が・・・と思いを巡らせる楽しみを残してくれていると思うのです
実機を使った本物の迫力は素晴らしいものです
モスキートは大部分が木製で作られておりレーダーに映り難い特性があり、今でいうステルスの元祖的な存在でもあります
その爆撃機編隊が海面すれすれの超低空で英国本土の基地からノルウェーまで渡洋侵攻するクライマックスは軍事マニアにはたまりません
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