殺人者(1946)
劇場公開日:1953年4月24日
解説
「裸の町」の故マーク・ヘリンジャーが製作し、「容疑者(1944)」のロバート・シオドマクが監督に当たった犯罪スリラー1946年作品。「キリマンジャロの雪」のアーネスト・ヘミングウェイの短編に基づきアンソニー・ヴェイラー「冒険」が脚色した。撮影はウディ・ブレデル、作曲はミクロス・ロージャ「白い恐怖」の担当。主演は「快傑ダルド」のバート・ランカスター、「キリマンジャロの雪」のエヴァ・ガードナー、「白熱(1949)」のエドモンド・オブライエンの3人で、アルバート・デッカー「都会の牙」、サム・レヴィーン、ジャック・ランバートらが助演。
1946年製作/アメリカ
原題または英題:The Killers
劇場公開日:1953年4月24日
あらすじ
小都市ブレントウッドのガソリン・スタンドに勤めるスウェード(バート・ランカスター)という男が、ある日2人の刺客のために射殺された。警官はこの事件には冷淡だったが、保険会社の調査員リアダン(エドモンド・オブライエン)が興味を持ち、スウェードの前身が拳闘選手であったことを推定し、拳闘練習場へ調べに行った。その結果、スウェードの前身は拳闘家であり、窃盗罪で3年の刑をうけたことがわかった。その当時彼を受け持った刑事ルビンスキーから、スウェードは以前ルビンスキーの妻リリーと恋仲だったが、暗黒街のボス、コルファクス(アルバート・デッカー)の情婦キティ(エヴァ・ガードナー)に心をひかれてから、リリーを捨て、その後罪をかばって、入獄したことが判った。獄中でスウェードと一緒だった老人チャールズトンに会ったリアダンは、スウェードが出獄後、コルファクス一味と一緒に帽子会社の給料強奪に参加して裏切られ、その腹いせに盗んだ金を全部取って逃げた、ということを知った。しかし、スウェードの下宿に金を探しに来たダムダムという男と逢い、コルファクスとキティが結託してすべての仲間を裏切ったという事情を推察し、キティを探し出して彼女がスウェードをおとし入れたことを聞き出した。リアダンは危うくコルファクスの刺客に殺されるところを逃れ、刑事とともにコルファクスの家に急行すると、ダムダムが死んでおり、彼に射たれたコルファクスも虫の息だった。コルファクスの死に際の告白により、すべては彼とキティの共謀であり、その秘密を知るスウェードを殺し、リアダンにも刺客をさしむけたのだということが判った。キティはコルファクスに自分の潔白を証言してくれと頼むが、彼は何も言わずに死に、彼女は警察へひき立てられて行った。リアダンは休む間もなく次の事件の調査をはじめた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロバート・シオドマク
- 脚色
- アンソニー・ベイラー
- 原作
- アーネスト・ヘミングウェイ
- 製作
- マーク・ヘリンジャー
- 撮影
- ウディ・ブレデル
- 美術
- ジャック・オターソン
- Martin Obzina
- 音楽
- ミクロス・ローザ
- 録音
- Bernard B. Brown
- 編集
- Arthur Hilton
受賞歴
第19回 アカデミー賞(1947年)
ノミネート
監督賞 | ロバート・シオドマク |
---|---|
脚色賞 | アンソニー・ベイラー |
編集賞 | アーサー・ヒルトン |
作曲賞(ドラマ/コメディ) | ミクロス・ローザ |
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映画レビュー
4.0“殺し屋”に殺された青年が持っていた保険証を手掛かりにフラッシュバック方式を用いてある犯罪の全容を解き明かすまでを描く1940~1950年代の典型的なフィルム・ノアール。話の巧みな語り口に感心した。
①先ずは冒頭のダイナーでのスリリングなシーン、観客をドキドキさせる演出がなかなか上手い。ロバート・シオドマクの演出は『らせん階段』ほどニューロティックではないけれど錯綜した話を上手捌いて達者なところを見せ、それでアカデミー賞監督賞にノミネートされたのだろう。②その後バート・ランカスターが呆気なく殺されてしまうのも驚いたが、先入観でバート・ランカスターが主役だと思っていたら、話が進むにつれそうではなく事件を調べる保険調査員のレアドンが主役だとわかる。かれが探偵の役割を演じるフィルム・ノワール(犯罪映画)なのだということも。③ニュー・ジャージーの片田舎の町に流れてきた一人の青年。偽名を使いガソリンスタンドで働いていたが、ある日やって来た殺し屋たちに逃走もせず抵抗もせず殺される。彼が持っていた保険証の受取人がアトランティック・シティの安ホテルの中年の客室メイドだったことから興味を持った保険調査員が、青年の正体は誰だったのか、何故殺されねばならなかったのか、少ない手掛かりを手繰っていく中で辿り着いた各関係者の記憶(フラッシュバックで描かれていく)を繋ぎ合わせていってある犯罪と青年がその犯罪に絡んでいた真相に辿り着く。ゆっくりと然しだらだらとではなく事件の真相に近づいて行くところは如何にもハードボイルド映画的で心地よい。④エヴァ・ガードナーはこの映画で初めて“凄い美人”が出てきたとハリウッドで注目されたが、役柄はフィルム・ノワールの典型的なファム・ファタールの域を出ず演技もまだ硬い。ハリウッドの枠に納まらず、ケニア、スペイン、イタリア、パリ、インド等を舞台に映画史に残る Love Goddess としてその美貌と魅力とが開花するにはもう数年待たねばならない。⑤ノンクレジットでジョン・ヒューストンが脚色に参加していたとのこと。成る程。
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