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私の20世紀

劇場公開日:

解説・あらすじ

「心と体と」で2017年ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したハンガリーの鬼才イルディコー・エニェディ監督が1989年に手がけ、カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)を受賞した長編デビュー作。激動の20世紀の幕開けを背景に、生き別れた双子の数奇な運命を美しいモノクロ映像で描く。1880年、エジソンが発明した電球のお披露目に世界が沸き立つ中、ハンガリー・ブダペストに双子の姉妹が誕生する。リリ、ドーラと名付けられた双子は、孤児となり幼くして生き別れてしまう。1900年の大みそか、気弱な革命家となったリリと華麗な詐欺師となったドーラは、偶然にもオリエント急行に乗り合わせる。ブダペストで降りた双子は謎の男Zと出会うが、Zは双子を同一人物と思い込んで2人に恋をしてしまう。「鏡」「ノスタルジア」のオレーグ・ヤンコフスキーが謎の男Z、ポーランド出身の女優ドロタ・セグダが主人公の双子とその母の3役を演じる。日本では90年に劇場公開。19年3月、4Kレストア版でリバイバル上映。

1989年製作/102分/R15+/ハンガリー・西ドイツ合作
原題または英題:Az en XX. szazadom
配給:サンリス
劇場公開日:2019年3月30日

その他の公開日:1990年1月20日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第42回 カンヌ国際映画祭(1989年)

受賞

カメラドール
カメラドールイルディゴ・エンエディ

出品

ある視点部門
出品作品イルディゴ・エンエディ
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(C)Hungarian National Film Fund- Film Archive/photo:Istvan Javor

映画レビュー

4.0ファンタジックで可愛らしい。この特殊なタッチに、ハマる人はとことん魅了されるはず

2019年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

幸せ

『心と体と』で観客を魅了した女性監督イルディコー・エニェディが89年に発表した作品。レンタル屋の取り扱いがなく、ずっと観たかった私にとって、この4Kリストア版の公開は願ってもない機会である。

モノクロームの映像世界にエジソンの電球が優しい灯りをともす。空には星たちが瞬く。この繊細でメルヘンチックな手触りに、胸の中でこれまで感じたことのない喜びとくすぐったさが微笑した。そしていざ時代が20世紀を迎える瞬間、生き別れた双子の姉妹が同じ駅で、それぞれ上り下りの別々の列車に乗って運命を交錯させる描写もまた、独特の映像感覚で楽しませる。

かと思えば驚くほどセクシャルな場面が盛り込まれたり、また『心と体と』にも通じる動物たちの可愛らしいシーンが登場したりも。まるで、いつか見た夢。ノスタルジックでファンタジックでところどころドギツくて、しかし一週間経ってもなんだか忘れがたい。そんな夢。そんな作品だ。

コメントする(0件)
共感した!7件)
牛津厚信

3.5変革は浮かない顔で

2021年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ!クリックして本文を読む

チャーミングで風変わりな『心と体と』が気に入ったので、寡作で名前も覚えにくいイルディコー・エニェディ監督の他の作品を検索したところ、わずかに本作だけがフィルモグラフィに記録されていた。偶然にも、とある映画専門チャンネルで最近になって放映されていたため、早速録画して視聴。
物語は、1880年、エジソンによる電気の発明セレモニーから始まり、同じくエジソンの電信技術の開発イベントで幕を閉じる。メインとなるのは、リリーとドーラという孤児で双子の姉妹の数奇な人生であり、エジソンはこの二人の主人公たちに全く絡むことはない。
電気は暗闇を照らし、電信技術は世界を狭くした。が、リリーは革命運動に身を投じ、ドーラは男たちを手玉にとってしたたかに生きているため、光の差さないところ、人と過度につながらないところを生きている。
文明がどんなに進もうと、人は動物を軽んじ、男は女を軽んじる。リリーとドーラに偶然出会う紳士も、二人の違いに気付くことなくそれぞれを求め、二人の人間性などお構いなしである。
冒頭と終末に登場するエジソンが、世紀の大発明の瞬間に変わることなく浮かない顔をしているのは、さもありなんというところか。私たちの20世紀は、本当に輝かしい進歩の歴史を刻んだのだろうか、とでも言わんばかりに。

Masa_king01

2.0美しいモノクロの映像

2019年7月4日
スマートフォンから投稿

単純

ネタバレ!クリックして本文を読む

美しいモノクロの映像や背景の時代設定もあり期待は否が応でも膨らみます。でも単調な展開に途中ダレます。残念ながら...で、最終的に何を言いたかったの?世界観や空気感は良いとしてその先は?何もないままに、まさかのチャンチャン。爆裂弾はお手玉じゃないんだから投げなければならない必然性や投げられなかった葛藤を少しは描いて欲しいと思います。登場人物の内面をスルーする事で映像美に完璧さを持たせたいとするならば単なるイメージビテオかな

つるみの電気屋

3.0おとぎ話の絵本みたいに、予兆を感じないフワリとした展開も、美しい映...

2019年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

おとぎ話の絵本みたいに、予兆を感じないフワリとした展開も、美しい映像も、大切にしまってあった宝物箱を久しぶりに開けた様な不思議な感覚。なつかしく愛おしい。
突然に出てくるロバの歩調がぴったりとくるゆったりな流れと軽快な音楽。ロバと共に私たちも夢の中へ導かれて行く。
他人の夢に入り込みいろいろなドアを開けて行く感じ、古めかしいのにバーチャルな体験だった。

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