マスク(1984)
劇場公開日:1985年6月22日

解説
ライオン病と呼ばれる奇病をもちながら強く美しく生きたロッキー・デニスの人生を描く。製作はマーティン・スターガー、監督は「ニッケルオデオン」のピーター・ボグダノヴィッチ。実在のロッキー・デニス少年の生涯を基にアンナ・ハミルトン=フェランが脚本化。撮影はラズロ・コヴァックスが担当。出演はシェール、サム・エリオットなど。日本版字幕は戸田奈津子。テクニカラー、ビスタサイズ。1984年作品。
1984年製作/アメリカ
原題または英題:Mask
配給:ユニヴァーサル映画=UIP
劇場公開日:1985年6月22日
あらすじ
15歳のロッキー・デニス(エリック・ストルツ)少年はその日、シニア・スクールの入学手続をしに行くため、母ラスティ(シェール)の帰りを待っていた。彼の姿は普通の少年と変わらないが、顔は、マスクでもかぶっているかのように奇妙だった。目は極端に広がり、鼻には鼻柱がなく、普通の人の2倍もある縦長の顔をしていた。彼の夢は親友のベン(ローレンス・モノソン)とオートバイでヨーロッパ大陸を走ることで、そのためにおこづかいを預金していた。一方、母のラスティは古い道徳概念にとらわれない、ある意味での自由人である。ドラッグと男に明けくれ、周囲にはバイクに生きるアウトサイダーたちがいた。ロッキーは、そうした母の身を案じていた。その日もバイク仲間に送られてラスティが帰って来た。ロッキーは、彼らからも愛されており、特にガー(サム・エリオット)は父親のような存在だった。学校に着いた二人は、さっそく人々の好奇の目を感じた。特殊教育学校をすすめる校長に、ラスティは怒りを込めてロッキーの優秀さを語り、入学の許可を得た。彼の病名は頭蓋骨形成異常、俗にライオン病と呼ばれるもので、カルシウム分泌の異常が原因だった。幼い時から病院との往復をくり返している彼であったが、成績はいつもトップクラスだった。母のドラッグぶりがますます激しくなり、ロッキーは、やめさせようと、あらゆる努力をした。卒業を間近にひかえたある日、校長が愛情深げに盲人のサマー・キャンプに参加するようにとロッキーにすすめた。しかし母のことが気になっていた彼は、それを断った。いよいよ、卒業式の日、バイク仲間からロッキーに思いがけないプレゼントがあつた。冷蔵庫を開けると、中にスーツが下っていたのだ。喜ぶロッキー。彼は優等生として壇上で賞状を手にした。母も、バイク仲間も狂喜乱舞した。母のドラッグは相変わらず続き、さすがに愛想がつきたロッキーは、盲人のサマー・キャンプに参加することにした。そこで彼は盲目の美少女ダイアナ(ローラ・ダーン)と出会った。頭痛に苦しむこともあったが、ロッキーは、ダイアナと馬に乗ったり楽しい時を過ごした。だが、キャンプの最終日、ダイアナを迎えに来た両親の狼狽ぶりに、2人は気まずい思いを経験した。そんな頃、ラスティはロッキーに告げた「私ヤクをやめたわ」。ダイアナの両親の差し金で電話をしても彼女を出してもらえないいらだちと、ベンがヨーロッパには行かないと言い出したことで気落ちしたロッキーは、自然とダイアナのいる街へと足を向けていた。乗馬クラブで再会する2人。しかし死は突然ロッキーを襲った。ダイアナと別れて家に戻った翌朝、学校からの電話で、ラスティはロッキーが欠席しているのを知り、彼の部屋を開けた。話しかけても既に息絶えたロッキーは無言だった。ロッキーの16歳の生涯は終った。夕暮れの墓地にたたずむラスティの姿があった。(ユニヴァーサル映画=UlP配給*2時間)
スタッフ・キャスト
- 監督
- ピーター・ボグダノビッチ
- 脚本
- アンナ・ハミルトン=フェラン
- 製作
- マーティン・スターガー
- 制作補
- ハワード・アルストン
- 撮影
- ラズロ・コバックス
- アソシエイト・プロデューサー
- ジョージ・モーフォゲン
- Peggy Robertson
- 字幕
- 戸田奈津子
受賞歴
第58回 アカデミー賞(1986年)
受賞
メイクアップ賞 |
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フォトギャラリー
映画レビュー
3.5新宿ビレッジで鑑賞
4.0Mask
ほぼ個人の記録。
中学生だった当時、今は亡き母と見に行った。
DVD所有。
シェール、エリック・ストルツ(幻のマーティー・マクフライ)、ローラ・ダーンなど、この作品で初めて知った。
ライオン病、という顔が肥大する稀な病気に侵されたアメリカの少年ロッキー・デニスの実話。
母とその恋人はヒッピーで、バイクを乗り回し、酒にタバコにドラッグの自由な人たち。ロッキーと母は衝突する事もあるが、親子仲は悪くない。
母や仲間に囲まれ、どこへ行っても驚かれるが成績優秀なロッキー。
彼には夢があった。親友とバイクでヨーロッパ大陸横断をするという壮大な夢が。。。
テレビで映画の予告CMが流れる時、ロッキーの顔は映らず、振り返るシーンで顔がこちらを向く寸前で止まる。劇場で確認して、ということ。これをよく覚えている。
ハンディを物ともせず利発で明るいロッキーに、観る者は引き付けられる。
派手で自由奔放な母親だが、とても息子を愛している。ラスト、寄り添う姿が印象的。
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