太陽と月に背いて
劇場公開日:1996年10月5日

解説
夭折の天才詩人アルチュール・ランボーと、詩人ポール・ヴェルレーヌの激しい恋愛を描く文芸メロドラマ。監督は「秘密の花園」のアニェシュカ・ホランド。製作は記録映画畑出身のジャン=ピエール・ラムゼイ・レヴィ。脚本は「ジキル&ハイド」などの劇作家クリストファー・ハンプトンで、68年に発表した同名の戯曲を基にしたオリジナル(小さな役で出演も)。撮影は「ユリシーズの瞳」の名手ヨルゴス・アルヴァニティス。音楽は「ドッペルゲンガー/憎悪の化身」(92)のヤン・A・P・カズマレク。美術は「レオン」のダン・ウェイル。衣裳は「インドシナ」のピエール=イヴ・ゲロー。編集は「ヨーロッパ・ヨーロッパ」以来ホランドの全作を担当するイザベル・ロレンテ。
1995年製作/112分/イギリス・フランス・ベルギー合作
原題または英題:Total Eclipse
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1996年10月5日
あらすじ
初老の詩人ヴェルレーヌ(デイヴィッド・シューリス)をイザベル・ランボー(ドミニク・ブラン)が訪問した。彼が待っているはずの兄アルチュールの遺稿を返して欲しいという。ヴェルレーヌは少年ランボーに会ったときのことを思い出した……。1871年、16歳のランボー(レオナルド・ディ・カプリオ)新進気鋭の詩人ヴェルレーヌを頼ってパリに出てきた。彼の妻の実家に逗留したランボーは、その傍若無人な奔放さでヴェルレーヌの妻マチルド(ロマーヌ・ボーランジェ)やその両親の反感を買い、まもなく家を追い出される。舅夫妻の仕打ちの激怒したヴェルレーヌはランボーの住居を手配し、まもなく若きランボーと恋愛関係に。ランボーは一時故郷シャルルヴィルに戻るが、再びパリでヴェルレーヌと同棲。ヴェルレーヌはマチルドの髪に火を点け、ランボーとともに出奔。太陽を求めるランボーの希望で二人は海に向かう。ブリュッセルで一時妻とその母に合流したヴェルレーヌだが、そこにランボーが現れ、二人はロンドンに渡る。ロンドンでランボーは大英博物館に通いながら詩作に打ち込む。生活費稼ぎに追われるヴェルレーヌとの関係は次第に崩壊。73年。ランボーの侮辱に激怒したヴェルレーヌは一人ブリュッセルへ発つ。数日後ランボーは同地で彼と合流、だが半ば酪酊状態のヴェルレーヌは拳銃を暴発させて彼を傷つけてしまう。この事件の審問でヴェルレーヌの男色が明らかになり、彼は2年の懲役になった。この間にランボーは『地獄の季節』を完成、これを最後に断筆。75年、ヴェルレーヌは南独シュトゥットガルトでランボーに再会、これが二人の最後の別れになった……イザベルは兄の死についてヴェルレーヌに語る。彼女に別れを告げたヴェルレーヌは、皮肉な笑いを浮かべてその名刺を破り棄てる……。一人酒場に残った彼は、自分の愛した若き天才を思い出していた。
スタッフ・キャスト
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2012年6月29日
映画レビュー
3.0レオ様の美しさが限界突破してる
中学生のときレンタルビデオで見た作品。
とにかくレオ様がとんでもなく美しかったのと相手役のオジ様がじじいすぎて引いた記憶しかない。
中学生が見る作品じゃない。今見たらきっと違う感想が出るはずだけど、見れる機会が全く無い。
3.0英語で見たから2時間の映画を4時間かけてみた
4.5ランボーの魅力の虜が理解できる
エディ&ザ・クルーザーズ(1983年製作の映画)EDDIE AND THE CRUISERSの映画で主人公のフランキーがランボーの『地獄の季節』を読んでいた。それが、気になって、ランボーの伝記をYoutubeで何本か見た。日本語では中原中也の一部訳を読んだが、難しいせいか、かえって混乱した。散文詩である、『地獄の季節』はランボーの譲らない性格がよく出ていて、『爆発』という言葉で形容できる作品だ。芸術である詩歌の解釈は難解なので、自分の好きに解釈している。 19世紀の現状を少
し頭に入れないと、言葉遣いに抵抗があったりするだろう。それに、伝記や映画を見たあと、『地獄の季節a Seasoon in Hell』 のランボーの使う言葉の関係が理解しやすくなる。情景が目に浮かぶようになるが、多感で感受性に富んでいて、自分の限界を知らないような暴力的な外れた描写ができることに羨ましいいと感じる。
中原中也や小林秀雄はフランス語から日本語訳にしたとは思うが、ここが重要だと思った。翻訳は難しいのでフランス語で書かれた意味を失っては困るから。
この映画は1871年、17歳のランボーから Rimbaud (Leonardo DiCaprio)詩が認めてある手紙を貰う詩人ポールヴェルレーヌの家に、ランボーが招待されるシーンから始まる。 ポールはランボーの革命的な天才で、屈託がなく、気に障るような不快な態度に、不思議な魅力を感じて、虜になる。この態度がポールの作家活動に新鮮な息吹を与える。ポールヴェルレーヌVerlaineはランボーの才能の中に自分の持っていないものをみいだしているようで、ランボーの話す一言一言が詩になっているような感覚で耽美にふける。ポールヴェルレーヌはランボーの操る言葉を自慢そうであり、羨ましい目つきでいつも見つめているように見える。そのシーンが、美しく感じられる。しかし、ポールの詩の才能や名声にもかかわらず、ランボーの魅力に取り憑かれ、自分を失い始めていく。妻や子供より、ランボーの自分の持っていない才能に惹かれる。ランボーの奇行にもかかわらず。 ランボー曰く、この二人はお互いを必要としていると。 恐ろしい魅力の虜になったポール。 それはポールをアル中にもしていく。
シノニムズ(2019年製作の映画)Synonymes/Synonymsという映画で似たようなシーンがあった。セーヌ川の欄干に寄り添いながら主役、 Yoav(Tom Mercier)が辞書で学んだ言葉、形容詞を吐き新天地パリを修飾し表現するとき、作家で行き詰まっているエミールはYoavの表現力に羨望を感じている。その上、憧れも。この二人の関係はヴェルレーヌとランボーの関係と同じように見える。
ランボーは実家 Charlevilleに戻り、Une Saison en Enfer ("A Season in Hell"地獄の季節)を書き終える。
この映画では最後のシーンで、ランボーの妹がポールの元を訪れる。妹に、『お兄さんは天才だ』と。
アブサンAbsintheを二人分注文して、ポールはランボーを懐かしんでいるところで終わる。
余禄:Absintheというコバルトの綺麗に見えるアルコールは中毒になりやすいそうだ。これをランボーとポールはよく飲んでいた。
4.0みつかった。なにが?
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