ゴースト&ダークネス
劇場公開日:1997年3月29日
解説
19世紀末、アフリカで猛威を振るった伝説の人食いライオン2頭と2人の男の戦いを描く冒険ドラマ。文明批判のメッセージとエンターテインメント精神が同居した作風が印象に残る。「マラソンマン」「ミザリー」の脚本家ウィリアム・ゴールドマンがアフリカ旅行中に知った実話を基に脚本を執筆。監督には「ブローン・アウェイ 復讐の序曲」のスティーヴン・ホプキンスが当たった。製作は「ダンテズ・ピーク」のゲイル・アン・ハードとポール・ラディンの共同。製作総指揮は主演も兼ねるマイケル・ダグラスと「依頼人」のスティーヴン・ルーサー、A・キットマン・ホー。撮影は「クロッシング・ガード」のヴィルモス・ジグモンド、音楽は「ファースト・コンタクト」のジェリー・ゴールドスミス、美術は「判決前夜 ビフォア・アンド・アフター」のスチュワート・ワーツェル、編集はロバート・ブラウンとスティーヴ・ミルコヴィッチ、衣裳はエレン・ミロジニック。アニマトロニック・エフェクツは「コンゴ」のスタン・ウィンストンのクルーが担当。主演は「アメリカン・プレジデント」のマイケル・ダグラスと「DNA」のヴァル・キルマーほか。
1996年製作/110分/アメリカ
原題または英題:The Ghost and The Darkness
配給:UIP
劇場公開日:1997年3月29日
あらすじ
1898年、ロンドン。英国はライバル各国に先駆けて、東アフリカで膨大な利益を上げる象牙公益ルート確立のため、鉄道網の整備を急いでいた。東アフリカのツァヴォ河に架ける橋を建設するために、政府の高官ボーモント(トム・ウィルキンソン)は、橋梁建技術者のジョン・パターソン大佐(ヴァル・キルマー)を選んだ。ボーモントは歪んだ性格の持ち主で、パターソンや理想主義者の助手スターリング(ブライアン・マカルディ)を過酷な状況のアフリカに派遣し、彼らが失敗するのを心待ちにしていた。かねてよりアフリカに行くのが夢だったパターソンは新婚間もない美しい妻ヘレナ(エミリー・モーティマー)をロンドンに残し、橋の建設を必ず成功させる決意で現地に向かった。パターソンはスターリングの案内で、現地で信頼を得ているサミュエル(ジョン・カニ)と合流し、3千人の作業員が待つ現場に到着。しかし、希望に満ちた彼の心とは裏腹に、スワヒリ語で「殺戮の地」を意味するツァヴォでは、アフリカ人がシャイタニ(夜の悪魔)と恐れる人食いライオンとの戦いが待っていた。彼は到着したその日、襲撃したライオンの1頭を見事1発の銃弾で仕留めるが、喜びも束の間、現場のチーフであるマヒナが残虐な手口で殺された。犠牲者は3ケ月で30人にも達し、ついにスターリングまでも牙に倒れた。作業員のリーダー、アブドゥーラ(オム・プリ)は恐怖に脅えて辞職を訴える。ボーモントの計らいで、高名なハンターであるレミントン(マイケル・ダグラス)が雇われた。現地を知り尽くした彼に希望を託し、パターソンは最後の戦いに挑む。残虐で狡猾な2頭のライオンはゴーストとダークネスと呼ばれ、その生態を知れば知るほどライオンとは思えない、知性を持った幻獣であるかに思えた。2人は競争心と敵愾心を抱きながらも互いに命を預け合って魔獣を追うが、2頭もまた密かに彼らの動きを伺っていた。凄まじい死闘の果てにレミントンは倒れるが、パターソンは2頭を仕留め、呆然と立ち尽した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- スティーブン・ホプキンス
- 脚本
- ウィリアム・ゴールドマン
- エグゼクティブプロデューサー
- マイケル・ダグラス
- スティーブン・ルーサー
- A・キットマン・ホー
- 製作
- ゲイル・アン・ハード
- ポール・ライディン
- 撮影
- ビルモス・ジグモンド
- 美術
- スチュアート・ワーツェル
- 音楽
- ジェリー・ゴールドスミス
- 編集
- ロバート・ブラウン
- スティーブ・ミルコビッチ
- 衣裳
- エレン・マイロニック
- 特殊視覚効果
- ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス
- アニマトロニック・エフェクツ
- スタン・ウィンストン・スタジオ
- 字幕
- 岡枝慎二
受賞歴
第69回 アカデミー賞(1997年)
受賞
音響効果編集賞 |
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映画レビュー
2.0ツァボの人食いライオン
4.0後半、画面が暗く目が
3.5襲撃の謎は紐解かれたが、恐怖は今でも…
百獣の王、ライオン。
『ライオン・キング』などでは勇ましく、カッコいいが、本作のライオンだけはご勘弁を。
身の毛がよだち、実話で戦慄する…。
1898年、イギリス領東アフリカ(現・ケニア)のツァボ川に鉄橋を架ける任命を受けた橋梁技師のパターソン大佐。現地で工場の指揮を執る中、恐ろしい問題と直面する。彼らを、2頭の人食いライオンが襲う…。
ライオンが人を襲うってのは別に驚く事じゃない。
しかし、この事件で驚きなのは、異様に執拗に人のみ狙う事。
さらに、その人を食べる。
ライオンは一般的に人は食べないという。
草むらから忍び寄り、じっと狙い、時にはテントや家屋に侵入してまで…。
肉食動物は一度人の血の味を覚えたら、次もまた襲い続けるという。
たまたま目の前に人が居て、食べて、味を覚えて…この2頭の人食いライオンはそんなんじゃない。
野生の本能とかでもなく、何か意思を持って、人を襲っているとしか思えない。
“幽霊(ゴースト)”と“暗闇(ダークネス)”。この2頭は、本当にライオンか、それとも悪魔か…?
パターソンを悩ますのはライオンの他にも、鉄道会社からの圧。ライオン襲撃や被害者など眼中に無く、期日までに橋を完成させろ。
ライオンを恐れる現地人との確執。理解者もいるが、やがて孤立していく…。
史実では、2頭を退治したのはパターソン。
でも、演じたヴァル・キルマー一人じゃ退屈。
そこで、架空の人物だが、プロデューサーも兼ねるマイケル・ダグラス演じる動物ハンター、レミントンが登場して、メリハリが付いた。
狂った野獣には、狂ったハンターを。中盤からの登場で、さらに途中退場もしてしまうが、マイケルが楽しそうに演じ、パターソンを漢にし、旨味のある役所。
襲撃時のライオンの唸り声など、音響はリアルで迫力あり。
雄大なアフリカの映像。ジェリー・ゴールドスミスによる音楽もさすが名職人技!
スリルとロマンの、この手のジャンルが好きなら楽しめる、ハンティング・アクション・アドベンチャー!
140人以上を襲ったと言われているが、実際には約35人。
長らく謎だった襲撃の理由も、最新の研究によると、どうやら2頭は歯に疾患があり、従来の草食動物が食べれず、より食べやすい人を襲ったという。
紐解いてしまうと、呆気ない…。
しかし、
多くの人が犠牲となり、恐怖したのは紛れもない事実。
今、2頭はシカゴの博物館に居るという。
2頭を目の前にした時、あなたはかの恐怖に堪えられるだろうか…?
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