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荒野の用心棒

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荒野の用心棒

解説・あらすじ

イタリアのセルジオ・レオーネ監督が、黒澤明監督の傑作時代劇「用心棒」を西部劇としてリメイクした名作アクション。イタリアのみならず世界中で大ヒットを記録し、イタリア製西部劇“マカロニ・ウエスタン”のジャンルを確立した一作として知られる。

メキシコ国境に近いアメリカの小さな町に現れた流れ者のガンマン。ジョーと名乗るその男は、この町では悪徳保安官バクスターと悪党ロホ兄弟の2大勢力が対立していることを知り、彼らを争わせて共倒れさせようと画策する。

当時アメリカの西部劇テレビドラマ「ローハイド」で人気を集めていたクリント・イーストウッドが主人公のガンマンをクールな魅力で演じ、彼の名が世界的に知れ渡るきっかけとなった。エンニオ・モリコーネが音楽を担当。同じくレオーネ監督と主演のイーストウッド、音楽のモリコーネがタッグを組んだ「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」とあわせて「ドル3部作」と呼ばれる。

1964年製作/99分/イタリア・スペイン・西ドイツ合作
原題または英題:Il magnifico straniero
配給:アーク・フィルムズ
劇場公開日:2024年3月22日

その他の公開日:1965年12月25日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

オフィシャルサイト

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映画レビュー

4.0筋書は同じでも…

2025年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ!クリックして本文を読む

〇作品全体
黒澤明監督作『用心棒』を参考…というかほぼパクったようなストーリーだけど、画面から受ける印象は相当違う。それは画面からあふれ出る「ギラつき」が大きな役割を担っているからだと感じた。
『用心棒』は黒澤明の名前が既に売れたころの作品で、物語としても時代劇としても、腰の座ったような映像の面白さがある。一方でアクションはド派手、というケレン味もあって、そのコントラストが印象に残る作品だ。

一方で本作。主人公・名無しの男の性格は腰が据わっているけれど、西部開拓時代という北米の黎明期といえる時代で、名無しの男が訪れる街全体から「これから」のギラつきを感じるのが魅力だ。銃撃戦も常にド派手で、名無しの男が捕まってからの急展開するストーリーを含めて、そのギラつき感はあふれ続けている。
そして特に「ギラつき」を感じるのは、登場人物たちの瞳のアップショットだ。クリントイーストウッド演じる名無しの男の鋭い瞳、そして対立する二つの勢力が相手を睨むときの眼光。風によって舞う砂埃や日差しを受けて小麦色に光る肌と汗。『用心棒』とも違う画面からの熱気が、既視感のあるストーリーがあっても強く惹きつける力となっていた。

『用心棒』に限らずリメイク作品は大量に作られているけど、新鮮に感じられるのは単に俳優や特殊効果の目新しさだけではない。画面から溢れる作り手の熱量にも注目したいところだ。

〇カメラワークとか
・画面が暗いシーンが多い。途中まで見づらいなあと思ってたけど、女を助け出した名無しの男が敵に見つからないように早駆けするシーンとかは、その暗さが見つからない理由になってるなと思ったりした。捕まった後に逃げ出すシーンとかもそう。

・ラストの決闘はこだわりをたくさん感じるシーンだった。煙からの登場やそれぞれの表情を短く映していくときの緊張感。5人を撃ったあと、名無しの男が持つ銃の銃身だけが見え画面外へ捌けていくカメラワークも素晴らしい。剣術でいう「残心」みたいな静けさ。

〇その他
・リメイク作品に別の熱量があれば良いけど、大体ないよなあと思ったりした。

・劇伴が良い。冒頭の有名な曲もそうだし、それ以外も。

・爆発とか炎とかの容赦なさがすごい。これちゃんとコントロールできてるの…みたいな迫力がある。画面が暗くて全体像が見えないからってのもあるかもしれないけど。

すっかん

4.0オリジナルがあまりにも偉大すぎた‼️

2024年11月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

怖い

単純

興奮

ネタバレ!クリックして本文を読む

この作品は今でこそマカロニ・ウエスタンの最初の傑作、または「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」と続くイーストウッド扮する "名無しの男" を主人公とした「ドル箱三部作」の記念すべき第一作として名高いですが、公開当時は黒澤明監督の超傑作「用心棒」のパクリ西部劇として登場したんですよね‼️本編を観るとそのパクリ具合はあからさまで、ストーリーはもちろん、エピソードの一つ一つや、「棺桶二つ、いや多分三つだ」みたいなセリフまでパクッてる‼️棺桶は一台多いですけど‼️エンニオ・モリコーネの口笛のような音楽や、刀対拳銃を拳銃対ライフルに置き換え、ポンチョの下に鉄板を隠した防弾チョッキのアイデア、凄惨なリンチや虐殺シーンなど、娯楽映画としてヒジョーに面白いです‼️ただ不幸なことにオリジナルがあまりにも偉大すぎた‼️黒澤の演出とレオーネの演出、三船さんとイーストウッド、仲代達矢とジャン・マリア・ボロンテ、佐藤勝さんの音楽とモリコーネの音楽、すべてにおいて「用心棒」が勝ってる‼️そして映画史を考えた場合、黒澤明監督の「用心棒」をパクッた「荒野の用心棒」が大ヒットし、マカロニ・ウエスタンが映画ジャンルの一つとして確立して一時代を築き、今作よりセルジオ・レオーネ監督、クリント・イーストウッドのキャリアも始まったわけで、やはり黒澤明は世界最高の映画人ですね‼️

活動写真愛好家

4.0西部劇は避けがちなのだが、なんと、期待以上に良かった!オープニング...

2024年10月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

西部劇は避けがちなのだが、なんと、期待以上に良かった!オープニングのアナログなグラフィックと、口笛が印象的なモリコーネのテーマ曲から、グッと引き込まれた。オーソドックスな展開ではあるが、ドンパチだけでなく心理戦でもあり、緊張感がビンビン伝わってくる。イーストウッドをスターにしたのも分かる。セルジオ・レオーネ監督、ドル三部作・第一作。マカロニ・ウエスタン、侮るなかれ。

mini

2.5映画そのものより映画のエピソードのほうが面白い

2024年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

オープニングのビジュアル・デザインはかっこよく、テーマ曲もキャッチーで素晴らしいけれど、肝心のお話はあんまり……。

人物の関係もちょっとわかりにくかった(雰囲気の似てるオヤジが多くて)。

ところで、レオーネたちは、元ネタとなった『用心棒』の監督であるクロサワの許可をとらずに本作を制作し、裁判沙汰になったそうだけど、僕は本作そのものより、そっちのエピソードのほうが面白いなと思ってしまいました。コメディー映画になりそうだな、と。

peke

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