劇場公開日:2024年11月8日
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解説・あらすじ
南イタリアの小さな島を舞台に、純朴な青年が島を訪れた詩人との交流を通して成長していく姿を描いたヒューマンドラマ。実在したチリの詩人パブロ・ネルーダが祖国を追われた際にカプリ島へ身を寄せた史実をもとにしたアントニオ・スカルメタの小説を映画化。
ナポリ沖合の小島に、祖国を追放された詩人で外交官のパブロ・ネルーダが滞在することに。世界中から届くファンレターを配達するため、島の青年マリオが臨時配達人として雇われる。美しい砂浜でネルーダは自作の詩をマリオに聞かせ、詩の隠喩について語る。マリオはネルーダの温かい人柄に惹かれ、2人は友情を育んでいく。やがてマリオは島の食堂で働くベアトリーチェに恋をする。
マリオ役のマッシモ・トロイージは心臓に病を抱えていた中で撮影に参加し、撮影終了からわずか12時間後に41歳の若さで夭逝。これが遺作となった。トロイージは脚本にも参加しており、死後、本作でアカデミー主演男優賞と脚色賞にノミネートされた。アカデミー賞ではそのほか、作品賞、監督賞、作曲賞にもノミネートされ、作曲賞を受賞している。ネルーダ役に「ニュー・シネマ・パラダイス」のフィリップ・ノワレ。2024年11月、製作30周年とパブロ・ネルーダ生誕120周年を記念して4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開。
1994年製作/107分/G/イタリア・フランス合作
原題または英題:Il postino
配給:セテラ・インターナショナル
劇場公開日:2024年11月8日
その他の公開日:1996年5月18日(日本初公開)
原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。
スタッフ・キャスト
受賞歴
第20回 日本アカデミー賞(1997年)
受賞
外国作品賞 |
---|
第68回 アカデミー賞(1996年)
受賞
作曲賞(ドラマ) | ルイス・エンリケス・バカロフ |
---|
ノミネート
作品賞 | |
---|---|
監督賞 | マイケル・ラドフォード |
主演男優賞 | マッシモ・トロイージ |
脚色賞 | アンナ・パビニャーノマイケル・ラドフォードフリオ・スカルペッリジャコモ・スカルペッリマッシモ・トロイージ |
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2016年2月18日
フォトギャラリー
映画レビュー
5.0生きる喜びについての映画
4Kリマスター版が上映されるということで、中学生の頃に見て大感動して以来の再視聴。当時は映画をたくさん見始めた頃で、この作品は自分にとっても映画を見るという体験の「原風景」の一つを構成している作品でもある。主演のマッシモ・トロイージが撮影終了12時間後に息を引き取ったというエピソードとともに語られることの多い作品だが、彼が演じた主人公の結末ともリンクするために、一層伝説化した側面がある。
だけど、そういう予備知識による上げ底すら必要ないほどに美しい映画でもある。南イタリアの小島の風景が本当に美しい。ここには豊かな自然と人のコミュニティがある。失業中の主人公は、チリから亡命してきた詩人パブロ・ネルーダ専任の郵便配達員となり、彼から詩の素晴らしさを教わる。人が言葉を覚えた瞬間、新たな視点、新たな知識を獲得した瞬間の喜びがこの映画には刻まれている。何かを知るということは素晴らしいことなんだとこの映画は教えてくれる。
死の悲劇よりも、新しく何かを知る喜びがスクリーンいっぱいに映されていることよってこの映画は「名作」と言われるべきだと思う。
4.5この映画に触れるたび、私たちの心は海風をたゆたい、詩人になる
この映画に触れるのは何十年ぶりだろうか。あの穏やかな空気、打ち寄せる波、登場人物らの豊かな個性に触れながら、薄オレンジ色の温もりに包まれていくのを感じた。私がいつも心奪われるのは、マッシモ・トロイージ演じる朴訥な郵便配達員マリオが自らの感覚で言葉を紡ぎ、素朴な描写を口にする場面。ノワレ演じるパブロ・ネルーダはすかさず言う。「そう!それが詩だ!」。誰もが詩人であり、その感覚を秘めている。言い換えるならそれが個性であり、感受性であり、人間として脈打ち、美しいものを美しいと感じ、生きている証。パブロがメタファーという手法をそっと授けることで、思いや言葉は途端に羽根を広げ空を飛び始める。その鮮烈さと幸福。そして全編が数年に及ぶ交友録、はたまた数行の詩にすら思える本作が、トロイージの遺作となったことに何とも言えない感情が込み上げてくる。彼の思いと表情は永遠に生き続ける。彼こそ真の詩人であり表現者だ。
4.0Head-Spin out of Modern Chaos
A quiet film on a postman who finds an unlikely friendship with an exiled poet. Conversations inspire him to pursue a romance with borrowed words. It's an interestingly imaginative tale on cosmically inconsequential romance. It ends with unanticipated political turmoil reminsicent of Z. A cross-continental production that earned five Oscar nods. Old-fashioned indie unlike contemporary films.
4.0【イタリアの小さな島で暮らす純朴な青年が、チリの高名な詩人と出会い、詩の素晴らしさを学び人間として成長する様を描いた美しくも切ない作品。】
■南イタリアの小さな島に、祖国・チリから亡命した高名な詩人、パブロ・ネルーダ(フィリップ・ノワレ)が滞在することになった。青年・マリオ(マッシモ・トロイージ)は、世界中から彼に届く届く手紙を配達するための専属臨時配達人として採用される。
彼はネルーダの人柄と知らなかった詩の世界に惹かれ、友情を育んで行き、その過程で恋する女性ベアトリーチェ・ルッソ(マリア・グラツィア・クチノッタ)を美しき言葉で射止め、人間としても見識を広げていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・マリオを演じたマッシモ・トロイージが、冒頭では漁にも出ない覇気のない青年であったのが、高名な詩人、パブロ・ネルーダの専属臨時配達人になり、彼から”暗喩”など、言葉や詩の素晴らしさを学ぶにつれ、表情が生き生きとなって行く様を、病を抱えながら瑞々しく演じてる。
彼の、詩の素晴らしさに気付き、様々な”暗喩”を天賦の才で紡ぎ出していく際の眼の輝きが素晴しい。
・そして、彼は居酒屋で働く美しき女性ベアトリーチェ・ルッソの心を射止めるのである。
・だが、パブロ・ネルーダはチリの情勢が変化した事で、帰国してしまうが、マリオは彼への想いを抱き続け、イタリアで共産主義の推進者となって行くのである。一方、マリオは又自分が住む島の様々な自然音を録音し、パブロに残していたのである。
<5年後。パブロ・ネルーダが夫人と戻ってきた時にマリオは居ない。だが、居酒屋にはベアトリーチェ・ルッソと、マリオソックリの男の子が笑顔で待っているのである。
そして、録音機から流れるマリオが録音していた島の美しい自然音。
今作は、イタリアの小さな島で暮らす純朴な青年が、チリの詩人と出会い詩の素晴らしさを学び人間として成長する様を描いた美しくも切ない作品なのである。>
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