Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


映画のことなら映画.com
ホーム >作品情報 >映画「愛のレッスン」

愛のレッスン

劇場公開日:

    解説

    イングマール・ベルイマンが、自作のオリジナル・シナリオで演出したコメディ。撮影は、「もだえ」のマルティン・ボディン、音楽は「令嬢ジュリー」のダグ・ヴィレーン、美術は「鏡の中にある如く」や「沈黙」で、ベルイマンとはコンビのP・A・ルンドグレンが担当した。出演は「鏡の中にある如く」のグンナール・ビヨルンストランド、「女はそれを待っている」のエヴァ・ダールベック、「道化師の夜」のハリエット・アンデルソン、イヴォンヌ・ロンバルトほか。

    1954年製作/スウェーデン
    原題または英題:En Lektion I Karlek
    配給:東和=ATG
    劇場公開日:1966年8月16日

    あらすじ

    中年の婦人科医ダビッド(G・ビエルンストランド)は、コペンハーゲンに緊急な用件があるといって、患者の診察を中止して出かけた。彼は、たまたま乗りあわせた商人と、同室の美しい女性とどちらが先に接吻するかという、賭けをし、見事に勝った。彼女は、ダビッドの妻マリアンヌ(E・ダールベック)だったのである。--結婚生活十六年目をむかえるダビッドとマリアンヌは、ニクス(H・アンデルソン)とペルレという二人の子供があり、平凡だが、円満な生活をおくっていた。ところがダビッドは、この春、診察に来た若い人妻スザンヌと関係をもち、かりそめの情事を重ねるうちに、この一件を妻にかぎとられてからというもの、夫婦の間はうまくいかなくなった。そればかりか、そんな両親をみている年頃の娘ニクスは、恋愛なんて愚劣だといったり、家をとびだしたりはては父親に、性転換の手術さえ依頼する始末。驚いたダビッドが家庭や愛情の問題について、娘と真剣に話し合っているうちに、ふと娘の口から、マリアンヌの情事のことがもれた。相手は、こともあろうに、昔の恋人で、ダビッドとは無二の親友だった彫刻家カーラダムだった。愛情の危機を感じたダビッドは、スザンヌとの情事を清算した。そして計画を練り、妻が乗っている列車にのりこんだのである--。駅につくと、カーラダムが出迎えていた。三人はコペンハーゲンの酒場へくりこみ、カーラダムの計略で商売女のリゼが、ダビッドを誘惑にかかった。大げさに接吻する二人。それをみていたマリアンヌは嫉妬に狂ったのか、夫の胸ぐらをつかんで、わめき出したが、疲れ、いつのまにかその胸に抱かれていた。“優秀な戦略家というものは、あらゆる可能性を見通さなくてはならんのだ”というダビッドのつぶやきがきこえた。

    全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

    スタッフ・キャスト

    全てのスタッフ・キャストを見る

    映画レビュー

    3.5ベルイマン映画では珍しく気軽に楽しめる恋愛喜劇

    2022年4月23日
    PCから投稿
    鑑賞方法:映画館
    ネタバレ!クリックして本文を読む

    難解で深刻な愛憎ドラマを連作するイングマル・ベルイマン作品群にあって、この初期の作品は意外にも分かり易い恋愛喜劇になっていた。後期の傑作とは別個の存在である。それでも制作された1954年の時代を想像すると、ベルイマンらしい大胆な愛欲描写や男女間で交わされる際どい会話の表現は先鋭的であったと思う。生と性に対する意識の高さに驚かされるし、つまりは大人の映画であった。また名作「野いちご」にあった上流階級の登場人物の幸福感が、ここではもっと明るく楽しく理想的に描かれていて、最近になくこの映画が気に入ってしまった。苦悩する人間の暗さがない分、その人間的な面を身近に感じて、通俗的な物語を適度の品の良さで見られる映画らしさに好感が持てたのだ。
    主人公は、産婦人科の医師である。診察室で若い女性の誘惑を払い除けて、コペンハーゲン行きの列車に乗るため急いでいる。車の中で、その女性との想い出話が語られる。この妻帯者の医師が強引に誘惑してくる彼女に最初は苦しめられながら、結局はうまい具合に関係が出来てしまうところが面白い。ベルイマン監督の人生経験が反映されているのか願望なのか、興味深いところだ。ここから男と女の風刺劇が始まる。列車には、もう15年の結婚生活を経て来た妻が同乗していて、夫婦の間柄を知らない或る男が、どちらがこの女性(妻)を口説けるかの賭けを持ち出す。くだらない寸劇のようだが、これを真面目な演技でやられると笑ってしまう。ここで主人公夫婦の結婚の経緯が入る。実はこの妻、医師の友人の彫刻家と結ばれるはずだったのが結婚式の当日に心変わりして、彫刻家を裏切る形で主人公に愛の告白をしてしまう。すると体格の良い彫刻家と医師の決闘が始まり、活劇のような展開だ。
    最後は別れようとした妻をどうにかこうにか煽てて、よりを戻そうと四苦八苦する主人公が哀れである。男の愚かさを皮肉った喜劇なのだが、そこに祖父と祖母の老成した夫婦愛で見守る温かさと、娘の現代的な自由精神からの視点を入れて、ほのかな人生観が浮き上がる内容になっている。ベルイマン作品でも、楽天的なタッチで終始した喜劇映画。三世代の登場人物を絡めて、ブルジョアの人生哲学を垣間見せる作家のゆとりが感じられた。

      1979年 4月28日  フィルムセンター

    Gustav

    さんのブロックを解除しますか?

    さんをブロック

    ブロックすると下記の制限がかかります。

    • ・お互いのアカウントをフォロー出来なくなります。
    • ・お互いのレビュー、コメント、共感した!、Check-in情報を見ることが出来なくなります。
    • ・過去のあなたのレビューに対するさんのコメント、共感した!が表示されなくなります。
    • ※あなたがブロックしたことは相手側に通知されません。

    映画.com注目特集

    3月19日更新
    ガンニバルの注目特集
    注目特集ガンニバル

    【衝撃の問題作】なぜ世界は「ガンニバル」に熱狂するのか? “絶対的支持”の理由を徹底解説!

    提供:ディズニー

    【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――

    提供:東和ピクチャーズ

    【あまりにオススメされるので、シリーズ未見だけど観てみた】結果は…ハマるまでのリアルドキュメント

    提供:ツインエンジン

    【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます

    提供:KDDI

    【感想投稿で豪華賞品が当たる】ちょっとでも観たことある人、今すぐ参加して!(提供:ディズニー)

    注目作品ランキング

    1. 1

      ウィキッド ふたりの魔女劇場公開日 2025年3月7日

      ウィキッド ふたりの魔女
    2. 2

      35年目のラブレター劇場公開日 2025年3月7日

      35年目のラブレター
    3. 3

      ファーストキス 1ST KISS劇場公開日 2025年2月7日

      ファーストキス 1ST KISS
    4. 4

      映画ドラえもん のび太の絵世界物語劇場公開日 2025年3月7日

      映画ドラえもん のび太の絵世界物語
    5. 5

      ロングレッグス劇場公開日 2025年3月14日

      ロングレッグス
    注目作品ランキングの続きを見る

    映画ニュースアクセスランキング

    • 昨日
    • 先週
    1. 1

      女優で歌手で潜入工作員…さらに射撃の名手! ガイ・リッチー新作「アンジェントルメン」本編映像2025年3月19日 08:00

      女優で歌手で潜入工作員…さらに射撃の名手! ガイ・リッチー新作「アンジェントルメン」本編映像
    2. 2

      アンディ・ラウ主演、香港映画史上最大級のディザスター大作「カウントダウン」緊急公開が決定【特報公開】2025年3月19日 08:00

      アンディ・ラウ主演、香港映画史上最大級のディザスター大作「カウントダウン」緊急公開が決定【特報公開】
    3. 3

      【本日配信!】「ガンニバル」完結編、新宿にリアル出現した“人が喰われている村”に行ってきた2025年3月19日 15:00

      【本日配信!】「ガンニバル」完結編、新宿にリアル出現した“人が喰われている村”に行ってきた
    4. 4

      橋本環奈が“赤い人”になった!? 「カラダ探し THE LAST NIGHT」9月公開、衝撃のビジュアル披露2025年3月19日 07:00

      橋本環奈が“赤い人”になった!? 「カラダ探し THE LAST NIGHT」9月公開、衝撃のビジュアル披露
    5. 5

      「47RONIN」監督がNetflixに対する詐欺容疑で起訴 16億円を不正流用2025年3月19日 14:00

      「47RONIN」監督がNetflixに対する詐欺容疑で起訴 16億円を不正流用
    1. 1

      ニコラス・ケイジの変貌ぶりがヤバすぎて主演女優の心拍数が「76→170」に跳ね上がる「一生忘れない」2025年3月11日 18:00

      ニコラス・ケイジの変貌ぶりがヤバすぎて主演女優の心拍数が「76→170」に跳ね上がる「一生忘れない」
    2. 2

      櫻井翔×北川景子「映画 謎解きはディナーのあとで」3月29日に放送2025年3月14日 16:00

      櫻井翔×北川景子「映画 謎解きはディナーのあとで」3月29日に放送
    3. 3

      「日曜アニメ劇場」3月16、23日に「宇宙戦艦ヤマト2199」劇場版2作を放送 30日は「ルパン三世VSキャッツ・アイ」2025年3月14日 18:00

      「日曜アニメ劇場」3月16、23日に「宇宙戦艦ヤマト2199」劇場版2作を放送 30日は「ルパン三世VSキャッツ・アイ」
    4. 4

      【閲覧注意】台湾ホラー「ガラ」5月9日公開決定! 衝撃の日本版ビジュアル&予告編&場面写真を一挙公開2025年3月10日 08:00

      【閲覧注意】台湾ホラー「ガラ」5月9日公開決定! 衝撃の日本版ビジュアル&予告編&場面写真を一挙公開
    5. 5

      【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙2025年3月14日 22:55

      【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙
    映画ニュースアクセスランキングをもっと見る
    スクリーニングマスター誘導枠

    他のユーザーは「愛のレッスン」以外にこんな作品をCheck-inしています。


    [8]ページ先頭

    ©2009-2025 Movatter.jp