バッシング
劇場公開日:2006年6月3日

解説
2004年にイラクで起こった日本人人質事件をヒントに、帰国した女性が周囲から激しい批判を浴びながらも、自らの意思で再び中東へ向かうまでの葛藤の日々を描く。監督は、自主制作というスタイルをとりながら本作で4度カンヌ国際映画祭に参加した「フリック」の小林政広。
2005年製作/82分/日本
原題または英題:Bashing
配給:バイオタイド
劇場公開日:2006年6月3日
あらすじ
北海道のとある海辺の町で暮らす高井有子(占部房子)は、突然、アルバイト先のホテルをクビにされた。有子は中東の戦時国でボランティア活動をしている最中、武装グループに拉致・監禁されて、人質となった。無事に解放されて帰国したものの、自己責任を問われ、世間から激しいバッシングを受けていた。ホテルの支配人・井出(香川照之)いわく、そんな有子の存在が職場の雰囲気を悪くしているという。その頃、有子の父・孝司(田中隆三)もまた、30年間勤めた工場から退職を強いられた。有子の行動を非難するメールや電話が工場にまで寄せられ、業務に支障をきたしているという。辞表を提出した孝司は家に籠もり、昼間から酒を煽るようになった。そしてある日、マンションのベランダから飛び降り自殺した。葬儀後、それまで有子を見守っていたはずの継母・典子は、ついに抑えていた感情を有子にぶつけた。帰国してから会話の途絶えていた有子と典子だったが、その夜、初めて互いの心情を吐露する。有子は泣きながら、再び中東へ戻ることを典子に告げる。有子は、戦火の中で生きる子供たちへの駄菓子をスーツケースに詰め込むと、家を出た。それは、有子の日本との決別だった。
スタッフ・キャスト
受賞歴
第58回 カンヌ国際映画祭(2005年)
出品
コンペティション部門 | |
---|---|
出品作品 | 小林政広 |
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2024年8月3日
映画レビュー
3.02004年イラク日本人人質事件
初鑑賞
小林政広作品初鑑賞
2005年公開作品だから当時わりとタイムリーだった
カンヌにも出品した
あっという間の82分
バッシングを浴びる高井有子に占部房子
有子の継母・高井典子に大塚寧々
有子の父・高井孝司に田中隆三
有子をクビにする支配人に香川照之
日本政府が行ってはいけないと通告しているにも関わらずボランディアとして海外に渡りテロリストに誘拐され人質となって帰国した女性が日本中から袋叩きに合う話
嫌がらせの電話はしばらく経った今でも毎日10件以上
自宅だけなく職場にも
有子も父もあの騒動で勤め先をクビになってしまう
おでんの件は必要無いと思う
有子は叩かれすぎたのか不貞腐れて上から目線ですっかり嫌な人になってしまった
時折見せる変な表情が面白い
最後の最後での感情の吐露がフォローする形にはなっているが
だからといって彼女を全面的に正当化し味方になれるかといえばそれは無い
椅子に座っている有子が典子に突き飛ばされるシーンがあるが地味に痛そう
解散したコンマ二センチを思い出した
監督はバッシングする側を批判するわけでもなくただただありのままを映像に残している
彼がヒントにした高遠菜穂子にリスペクトを感じているかといえばかなり微妙
どっちもどっち喧嘩両成敗的な面もある
主人公高井有子は2004年にイラク日本人人質事件ですっかり有名人になってしまったボランティア高遠菜穂子さんがモデル
事件の詳細を知らない人はネットで確認してほしい
僕は高遠菜穂子さんが実際どんな人かわからない
3人の中に女性がいたことは覚えているがその程度だ
写真家の男が最も存在感が薄く今井くんの目がやばすぎた印象だけが強く残っている
コロナ禍を思えば彼女たちは気の毒だが自業自得としか思えない
当時いくらなんでも叩かれすぎな感はあった
それもこれもパヨクがあちこちで彼女たちに対する下手な擁護を繰り返しその結果火に油を注ぐ形になったことは否めない
くだらないイデオロギーも手伝ったのか贔屓の引き倒しとはこのことだ
被害者家族も日本のパヨク報道に唆された感があったが洗脳が解けたら態度が一変した記憶がある
冒険旅行で救出されたアナウンサーのことを持ち出す輩もいるがなぜ高遠菜穂子さんたちが批判されたのか全くわかっていない
ボランティアはいい人だから批判してはいけないという風潮が世の中の一部にはあってそれが僕には受け入れることができない
自己責任論批判もその多くが共感できなかった
パヨクと分かり合えることはできそうも無い
高遠菜穂子にしても高井有子にしても海外ボランティアこそ己の存在理由であり唯一の居場所なんだろう
とはいえ週刊金曜日のような雑誌やそれ系の人たちがまともと思えないしはっきりいって関わりたく無い
4.0日本人の悪い癖
見たかった映画をようやく見ることができた。日本映画専門チャンネルに感謝!
帰国してから半年も経つというのに、いまだに嫌がらせの電話が一日に10本。そして、父親の孝司の会社にも嫌がらせメールが後を絶たない状況だったため、彼も30年勤めた会社を辞めざるを得なくなってしまった。そして彼は自殺・・・
人質事件に対するバッシングは凄いものだったと思う。ただ、この作品は急きょそれを題材にしたため、明らかに欠点がある。製作する意図はひしひしと伝わってくるものの、主人公である有子(占部)の個性が強すぎて、いかにもエキセントリックな性格のためにバッシングを受けているんだと思ってしまうところだ。コンビニでは毎回おでんを頼み、具材を別々の容器に入れ、つゆだくにさせたり、付き合っていた彼氏に対してもぶっきらぼうな言葉を投げかける。自転車には鍵を全くかけないのは北海道の田舎町であることを表現しているのかもしれないが、もし盗まれたら、それも”自己責任だ”と責められてしまいそうな・・・極め付けは父親の葬儀の後、継母(大塚寧々)に対して「保険金をもらう権利がある」などと突拍子もない発言をしたりする。これじゃ性格のためにバッシングを受けているという印象しか持たない作りになってしまってる・・・。
ところが終盤のセリフでは、有子が周りの人から認められなかったこと、中東に行って初めて人の役に立てたことなど、どうしてボランティア活動に没頭したかを語ることで、なぜだか自分にも人を見る目を変えなきゃいけないなぁ反省してしまう。もしかしたら、観客もついついバッシングに加わってしまうかのような映画の罠だったのかもしれない(笑)。
当時のマスコミや政府による異常なまでのバッシングを思い出す。辛坊治郎なんてのはかなり激しい自己責任論を説いていたのに、後にボートで太平洋横断し遭難事件を起こした時には平気で自衛隊の救助を受けていたという笑い話があった(笑)
3.0事件を知らなければ・・・
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