草の乱
劇場公開日:2004年9月4日

解説
明治時代、自由民権運動と連動する形で起きた大規模な農民一揆として知られる秩父事件を映画化したヒューマン・ドラマ。事件の中心人物の一人で、鎮圧後は北海道に潜伏、33年後に事件を明らかにした井上伝蔵を中心に描く。主演は「郡上一揆」の緒形直人。監督は、前作「郡上一揆」で江戸時代の農民の一揆をリアルに描いた神山征二郎。
2004年製作/118分/日本
劇場公開日:2004年9月4日
あらすじ
1918年(大正7年)、北海道野付牛町。病床に臥すひとりの老人(緒形直人)が、妻と長男を呼び寄せ、紙に筆を走らせる。「井上伝蔵、わしの本当の名だ」。死刑判決を受け、逮捕を逃れ北海道へ。以来33年、伊藤房次郎として生きてきた。唐突な告白に息をのむ2人を前に、隠してきた半生を静かに語り始める…。1883年(明治16年)秋、秩父郡下吉田村。山間にあるこの一帯の人々は、蚕を飼い生糸を売って暮らしを立てていた。しかし松方デフレによる生糸価格の暴落、軍備拡張の増税、さらに世界的な不況で、生糸輸出の激減が追い討ちをかける。人々は借金に頼らざるを得ない暮らしを余儀なくされ、高利の取り立てに身代限りとなる農家が続出する。生糸商家「丸井」を営む井上伝蔵は、そんな人々の窮状に心を痛める。高岸善吉(田中実)、落合寅市(安藤一夫)、坂本宗作(神山兼三)の3人も、また困窮にあえぎ、不当な高利貸しの取り締まりを役所に請願するも、全く取り合ってもらえない。そんな折、自由民権運動が秩父でも盛り上がりをみせ、「自由党」の演説大会が開かれる。困窮、不平等の元凶は政府にあるという発言に拍手喝采、賛同する人々が続々と入党する。善吉らは、高利貸し取り締まり、借金年賦返済の請願運動を始め、伝蔵もこれに賛同する。山中各地で集会を開き賛同者を募り、さらに加藤織平(杉本哲太)を副総理、大宮郷の顔役で代言人の田代栄助(林隆三)を総理として迎え入れ「困民党」を組織。警察署、高利貸しへ請願・交渉をねばり強く行なうが、ことごとくはねつけられる。さらに高利貸しと裁判所の贈収賄の事実も明るみとなる。丸井の土蔵に集った困民党幹部たちは、もはや願いを叶えるには政府を打倒するしかないと、命を懸けた武装蜂起を決意する。1884年(明治17年)11月1日、秩父郡下吉田村の椋神社。陽が落ちてかがり火が焚かれた境内に、竹槍・刀・鉄砲などで武装した民衆3千余が結集。境内に上がった田代栄助が困民党の役割を読み上げ出陣を命じる。鬨の声が上がり半鐘が鳴り、竹ボラが吹かれる中、ついに武装蜂起が開始された……。
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
5.0寄付してくれる人にも預かり証を書く律義さ
独立プロとしては異例の4億5千万の制作費(『ラストサムライ』の60分の1)!しかもこれは一般市民の出費であり、総勢8千人のエキストラが参加するという民衆のパワーが炸裂する感動大作となっている。ついつい同じ時代背景の『ラストサムライ』と比較してしまうのだが、こちらは嘘の世界じゃなく、史実に基づいた物語だ。そして主人公は農民!彼らの苦しみや悲しみがリアリティを伴って伝わってくるのです。
また、不況の現代と共通点も多く、当時の政府が朝鮮出兵のための軍事費拡大が引き起こす増税等の圧政、野放しにされた高利貸しの存在、一部の金持ちと政府との癒着など、まさに歴史は繰り返すということを感じるのである。違いと言えば、当時は民主主義が未熟な時代であり、現代は情報社会になっていることくらいだ。
クライマックスとなる農民たちの武装蜂起は、初日の高利貸し業者への直談判(これがさながら『忠臣蔵』の世界なのだ!)、徐々に賛同して一気に増えていく農民たちが圧巻です。そして独立プロであるのに豪華な出演陣。特に杉本哲太にしびれます(これほどかっこいい彼は初めて)。
【2004年5月映画館にて】
3.0郡上一揆のあと
4.0隠れた歴史を知りたいなら
隠れたというか、意図的にあまり話題にされないが、けっこう日本史としては重要だろう、ということがかなりある。
秩父事件を描いたこの映画その秩父事件が最大の武装蜂起となった、自由民権運動に単を発する一連の反体制活動
体制側からすればテロ、と考えただろうが
とか知ったかぶりしてますが私も秩父事件というものをほとんど知りませんでした。
この映画をみてしばらくしたころ
日暮里駅近くに谷中墓地という広い墓地があるんですが、これがけっこう有名人や徳川家のお墓があるちょっと特殊なところで
どこに誰が葬られてるか、案内板があるんですね。
それである区画に
加波山事件により死罪となった数名のお墓がある。
ちょっと名前忘れたが
加波山事件?死刑?なんかただ事じゃないなあと
そこから少しずつ調べ始めました。
加波山事件というのは明治初期、自由民権運動弾圧で悪名だかい三島県令爆殺未遂事件
秩父事件はその後に起こった主に農民による武装蜂起です。
うーん。何しろマイナーになってる歴史だから説明も難しいな(笑)
まあ、要するに明治維新のあとまず元武士による反乱があって、その後重税やらに堪えかねた農民や自由民権運動家による反乱もいくつかあったんですね。
この映画自体はあまり分かりやすいとは言えないが、明治維新後はそんなにきれいごとばかりじゃない、犠牲になった人間が山ほどいる
ということに気づくとっかかりとしてのいい作品だと思います。
なんかうまく説明できんな〜
ちなみにこの神山監督のこれの前の映画
「郡上一揆」
はあまりにバツが悪いいわゆるバッドエンド鬱エンドすぎておすすめしない
この「草の乱」もバッドエンドなんだが、歴史上重要なことだと思うのでみるべき
特に埼玉人はみるべき、誇りに思うべき。
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