無宿<やどなし>
劇場公開日:1974年10月9日
解説
刑務所で知り合った性格の対照的な二人の男が、対立しながらも奇妙な友情に結ばれ、足抜けさせた女郎とともに海に沈んでいる大金を探しだそうとする冒険ロマン。脚本は「赤ちょうちん」の中島丈博と「バンカク 関東SEX軍団」の蘇武道夫、監督は「津軽じょんがら節」の斎藤耕一、撮影も同作の坂本典隆がそれぞれ担当。
1974年製作/97分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1974年10月9日
あらすじ
昭和十二年夏、粋な着流しの穴吹錠吉と、白い麻の背広に力ンカン帽の駒形玄造が出所した。駒玄は坂東梅之丞率いるドサ廻りの芝居小屋に舞い戻った。錠吉の方は、兄費分の女房ユキノを女郎屋へ訪ねるが、既にユキノは死んでいた。女郎のサキエは、ユキノの死因は自殺で、自分も同じ道を巡るのは嫌だ、足抜けさせて欲しい、と錠吉に哀願する。丁度、遊びに来ていた駒玄の助けを貸りて、錠吉はサキエを足抜きさせてやった。しかし、人混みで錠吉を見失ってしまったサキエは、梅之丞一座にいる駒玄と出会った。その時駒玄は、サキエから、錠吉が元潜水夫だった事を聞き、自分の「計画」に錠吉を引き込む決意をした。駒玄とサキエは兄貴分の仇・人斬り仙蔵を狙っている錠吉を捜し廻った。そして、とある宿屋で錠吉を見つけた駒玄は、錠吉に、山陰沖に沈んでいるバルチック艦隊の軍用金引き上げの話を持ちかけるが、錠吉は無視し、再び姿を消した。サキエを追って来た玉井組に追われた駒玄とサキエは、とある賭場で錠吉が捜し求めている仙蔵と会った。そこへ錠吉もやって来た。駒玄が止めるのを振り切った錠吉は、仙蔵と対決、兄貴分の仇を討った。だが仙蔵は死ぬ間際、兄貴分を殺せ、と命じたのは親分の大場である事を錠吉に告げた。そして、錠吉はまたもや駒玄とサキエの前から姿を消した。錠吉の事を諦めた駒玄は、サキエとともに山陰の海へ行き、駒玄の父の使用人だった為造の家へ巡り着いた。目指す海域は軍の立入禁止区域となっていたが、駒玄は為造から舟を買い、サキエに呼吸ポンプをこがせて、自ら潜って金を探し廻った。そんな時、大場親分を殺し、追手から逃れて来た錠吉が、二人のいる海岸へやって来た。そして、錠吉も駒玄と交替で海に潜ることになった。数日後、沈んでいる船の残骸を発見、大金はもうすぐ目の前とばかり大喜びする。しかし、そこへ錠吉を追っている大場の子分の辰平たちが現われた。辰平たちと対決しようとする錠吉を、駒玄は持っていた舟の残骸で殴り倒し、「ここは立入禁止区域だ!」と叫びながら彼らに近づくが、いきなり拳銃で射たれてしまった。気が付いた錠吉も駒玄に近づこうとした時、弾丸が二、三発命中、その場に倒れた。二人が死ぬのを見ていたサキエは、愕然として、砂浜に膝を落とすのだった。
スタッフ・キャスト
映画レビュー
3.5タイトルなし(ネタバレ)
刑務所から出所した二人の男。穴吹錠吉(高倉健)は仇討ちを、駒形玄造(勝新)は海底に沈む軍の大金を引き上げるのを目的にしていた。
海から引き上げるのは一人では出来ず、潜水もできる錠吉に手伝って欲しいと頼むんだけど、
仇討ちストイック。ヤクザ相手にして死なれたら困るといろいろ邪魔したりする玄造。
女郎屋から足抜けしたサキエ(梶芽衣子)も加わって三人で海底の大金を引き上げようとするも殺されちゃうという身も蓋ない話。
ほとんど高倉健は一人行動で、勝新と梶芽衣子が一緒にいるかんじで話しが進む。やたらムーディーな音楽が流れこの物語に合ってない。アランドロンの「冒険者たち」のオマージュたからなのか。勝新と梶芽衣子のロードムーヴィー的なところは非常に良かった。
容赦ないラストで、いきなりだ。
3.0梶芽衣子がかわいい
3.0二大スター
もはや再現できないので、残念に感じる作品。健さんと勝新の共演とはいえ、ほんとうに同じシーンで絡むのは20%ぐらい。スターも中年になって、躍動感あるシーンもないし、梶芽衣子との絡みもどっちもガツガツせず。お互いに遠慮があるのかなあ? ラストシーンも共倒れで終り、きっと興行的にも冴えなかったのではないかと想像する。
ただ、お二人の演じてきた役どころ像とか風格は特徴的に映っているので、もう少し強調しても良かったのではないか。
3.0BS朝日版鑑賞。我らが健さんと勝新の唯一の共演。しかしただそれだけ...
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