モスラ3 キングギドラ来襲
劇場公開日:1998年12月12日
解説
平和の使者・モスラと、最悪最強の宇宙怪獣・キングギドラの戦いを描いた怪獣映画「新モスラ・シリーズ」の第3弾。監督は「モスラ」の米田興弘。脚本は「モスラ2海底の大決戦」の末谷真澄。撮影を「モスラ2海底の大決戦」の関口芳則が担当している。主演は「モスラ2海底の大決戦」の小林恵と「夢」の建みさと、「ユキエ」の羽野晶紀。98年度東京国際映画祭特別招待作品。
1998年製作/99分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1998年12月12日
あらすじ
インファント島の地下、石造りの広間から伝説の力「エリアスのトライアングル」を意味する3枚のメダルを持ちだそうとした。すんでのところで、モルとロラがそれを防ぎ、「勇気」と「知恵」のメダルをベルベラが取り戻すことに成功するが、「愛」のメダルを奪ったベルベラは「空から恐怖の大魔王が降りてくる」という謎の言葉を残して去ってしまう。その頃、巨大な隕石が福井県勝山市の郊外と富士山麓の青木ヶ原に落ちていた。勝山市の隕石はキングギドラとなり、大阪や名古屋の子供たちをさらって青木ヶ原に出現したドームに向かって飛んだ。日本にやってきたモルとロラはモスラを呼びキングギドラと戦うが、かつて白亜紀の地球上から恐竜を絶滅の危機に追いやったキングギドラには歯が立たない。キングギドラはモスラを倒すと、更に東京へと飛び、次々に子供たちをさらってはドームへ閉じ込めてしまうのだった。キングギドラの不思議な力によって心を奪われてしまったロラと、触手によってドームに閉じ込められてしまったベルベラを救い出す為、モルは富士山麓の近くに住む翔太少年の力を借りて傷ついたモスラの元へ向かう。そして、白亜紀のキングギドラを倒すことで現代のキングギドラを消してしまおうと、モスラを時間の壁を越えて白亜紀へと送るのだった。しかし、モスラをタイムワープさせたモルは、パワーを使いきって死んでしまう。さて、白亜紀に飛んだモスラは、見事、キングギドラを倒すことに成功していた。果たして、モスラの活躍で現代のドームは消滅し、キングギドラも倒れた──、かに見えたが、キングギドラは再びその姿を富士山上空に現したのである。生命力の強いキングギドラは、白亜紀のモスラとの戦いの時、切れた尻尾を使って生き延びていたのだ。モスラも失った今、ベルベラとロラが戦うしかなかった。フェアリーに乗って、エリアスのトライアングルの剣でキングギドラに挑みかかるふたり。と、そこへモスラが現れた。白亜紀で力つきたモスラは、古代のモスラの幼虫の吐いた繭によって、やはり生き延びていたのだ。モスラは鎧モスラとなってキングギドラと戦い、見事勝利を収める。戦いを終えたモスラは、ロラとベルベラにエリアスの剣をモルと一緒に握るように言う。すると、死んだ筈のモルが蘇るのであった。こうして、地球には再び平和が戻り、ドームに閉じ込められていた子供たちも無事に親の元へ帰り、エリアスとモスラもインファント島に帰っていくのであった。
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
3.5鎧モスラカッコいい
1.0平成モスラシリーズは本作をもって終了します それで良かったと思います こんな映画をまた撮られたらたまったものではありません
1998年12月公開
エメリッヒ版のハリウッドゴジラの公開は同年7月のこと
その衝撃というか、憤激というか、モヤモヤがまだまだ残っていました
もちろんエメリッヒ版のハリウッドゴジラの公開は日本は同年7月、米国は5月
東宝が試写をみたのは春のことでしょう
その結果を受け止めて、本作に反映させることはとてもできない相談でしょう
予定日通りに12月に公開する興行スケジュールは絶対です
本作の監督は第一作の米田興弘が復帰しました
第二作では、根岸吉太郎監督の映画のために助監督として参加していました
なので別の監督に任せていたのです
つまり監督修行をやり直ししていたのです
が、修行してきたのは人間ドラマだけだったようです
本作で一番良いのは冒頭のホームドラマだけで、あとはどうしようも無いひどい映画です
そのシーンだけに監督の情熱を感じるのみです
怪獣映画なんてと真面目にやる気がないなら監督を辞退すべきでしょう
腹立たしく思います
大仁田厚、松田美由紀はいい演技をきちんと果たしてくれています
それだけが心に残りますました
製作は富山省吾
本作の失敗はこの監督を起用した製作者の責任だと思います
特技監督は川北紘一ではありません
鈴木健二という人が担当しています
この人は当時41歳
ガメラの特撮を撮った樋口真嗣は33歳、まだアニメ界にいた庵野秀明は38歳、エヴァンゲリオンが一大ブームとなり時の人に一躍踊りでていました
東宝も若い世代の感覚を取り入れなければということだったと思います
この人は筋金入りの特撮マニアで70年代から円谷プロで働き、1991年の「ゴジラvsキングギドラ」からは川北紘一の下でチーフ助監督となり鍛え上げられてきた将来期待の人材です
つまり、円谷英二、中野昭慶、川北紘一という特撮の正統なる系譜に連なる、日本の特撮の屋台骨になることを期待されて育てられ抜擢された人物ということだと思います
でも撮れた特撮映像はどうだったでしょうか?
合成シーンは機材が良くなったのかクォリティーは従来より上がっています
平成モスラらしいきらびやかさは一層増しています
キングギドラが名古屋や、新宿を通過して破壊するシーンは短いながら良い出来だと思います
子供達が閉じ込められる球体ドームの表面、内部の幻想的表現も良かったと思います
此処までは及第点だと思います
ひどかったのは、恐竜時代の特撮ですハッキリいってチャチ
恥ずかしいくらいです
古代の森林、恐竜も何もかもです
1998年の映画ですよ!と机をドンと叩きたいほど
大昔にみた教育テレビの簡単な恐竜の紹介映像みたいなレベルでガッカリ感はデカいです
映画で金を撮ってみせるようなレベルに至っていません
素人の映像作品です
本人もそう思ったはずです
恥ずかしいと
でもなぜこのような低レベルすぎるシーンがあるのでしょうか?
本編監督と特技監督の両方の責任だと自分は思います
製作者にも責任はあります
予算規模からみてこんなシーンを入れるなんて無謀です
予算的にできる?と特技監督と相談すべきです
特撮は特技監督の仕事と本編監督が無関心だったとしか思えません
また特撮監督ならこんな映像は予算的に無謀とすぐに分かります
当然、無理と進言して、脚本の修正を願い出たはずです
川北紘一なら本編監督より大先輩ですから、米田監督は聞き入れてくれたと思います
もし本監督がこの進言を聞き入れてくれないようなら、製作者にも進言してやめさせないとなりません
もしこのような進言をしてないようなら、 与えられた予算で品質を維持する努力が足りなかったということです
もしそうならそれが特技監督としての力不足であり無責任だったと思います
鈴木健二特撮監督が気の毒でなりません
彼は翌年の「ゴジラ2000 ミレニアム」では本作の鬱憤を晴らすような良い仕事をしているのですから
腕前は高いのです
問題の本質は、上がって来た穴だらけの脚本を、本編監督が真剣に読んで予算配分を考えて脚本を修正して取り組んでいないからです
そのようには全く思えません
腹立たしい限りです
ガメラ3は年が開けて1999年3月に公開されます
金子修介本編監督と樋口真嗣特撮監督の平成ガメラとは何もかも雲泥の差です
平成モスラシリーズは本作をもって終了します
翌年からはミレニアムゴジラシリーズが復活することになったからです
それで良かったと思います
こんな映画をまた撮られたらたまったものではありません
4.0エリアスとモスラ
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