ハチ公物語
劇場公開日:1987年8月1日
解説
飼主の大学教授が亡くなってからも、渋谷の駅で主人を待ち続けた忠犬ハチの実話を基に人間と動物の交流を描く。原作・脚本は「映画女優」の新藤兼人、監督は「旅路 村でいちばんの首吊りの木」の神山征二郎、撮影は「きみが輝くとき」の姫田真佐久がそれぞれ担当。
1987年製作/107分/日本
原題または英題:Hachi-ko
配給:松竹富士
劇場公開日:1987年8月1日
あらすじ
秋田県大館の近藤家の紙屋では、牝犬アカが4匹の仔犬を出産した。数少ない純粋な秋田犬誕生の報告が、県庁の土木課長・間瀬の元に届けられ、間瀬はそのうちの一匹をプレゼントすると東京の大学教授、上野秀次郎宅へ知らせた。電話を受けた一人娘の千鶴子は大喜び。彼女はさっそく温泉に行っている両親に電話をするが、二人共難色を示した。昔飼っていた犬の死以来、生き物を飼うことに反対だったのだ。だが、飼いたいという千鶴子に押し切られてしまう。秋田犬の到着する日、千鶴子は外務省勤務の婚約者・森山とデートに出かけ、やむなく犬嫌いの書生・才吉が江戸っ子の植木屋・菊さんに頼んで一縮に渋谷駅へ出迎えた。到着した仔犬は死んだようにグッたりとしていたが、上野家に連れ帰り、教授が女中のおよしにミルクを持ってこさせ鼻先に置くと、元気よく起きあがった。仔犬の面倒は自分で見ると約束していた千鶴子は、いつの間にか妊娠し、あわただしく結婚式を挙げると上野家を出ていった。結局、仔犬の世話は教授が見る羽目になり、彼はハチと名を付けた。三ヵ月が過ぎ、ハチはイタズラ盛り。人には人格が、犬には犬格があると言う教授は、ハチに自由奔放な生き方をさせた。いつからか教授を渋谷の駅まで送り迎えするのがハチの日課となっていた。雨の日も雪の日も送り迎えするハチの姿を、交番の町田巡査や屋台の焼き鳥屋の留さん、たみ子夫婦、古川駅長たちが暖い眼でみていた。そんなハチの健気さが教授には可愛くてたまらない。千鶴子と森山が孫を連れて来ても、ハチのノミ取りに精出す始末。ある朝、教授を駅まで送って戻ったハチは急に悲しげな声で吠え始めた。その同時刻、教授は脳溢血で倒れ帰らぬ人となっていた。上野家は売りに出され、静子は千鶴子の家へ身を寄せることになった。ハチは浅草の土建業者・橋本に引き取られるが、何度となく抜け出し渋谷の元の家を訪れるのだった。野良犬と化したハチを見て、菊さんが自分の家に連れ帰る。まもなく、森山はロンドンに転勤となり、静子は和歌山の実家に帰った。突然、菊さんが亡くなり、ハチには寝ぐらも身寄りもなくなってしまった。毎日、午後5時半になると渋谷駅で教授の帰りを待つハチ。そんなハチのことが新聞に載った。それを見た静子がハチを訪ねてくるが、ハチは彼女の前から姿を消す。昭和10年3月8日、雪の中でハチは教授を待ちながら13年の生涯を閉じた。
スタッフ・キャスト
受賞歴
第11回 日本アカデミー賞(1988年)
ノミネート
作品賞 | |
---|---|
脚本賞 | 新藤兼人 |
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フォトギャラリー
映画レビュー
3.0悲しいだけじゃ物足りない
3.0感動的だが評価が難しい作品でもある。
本作では、上野教授の死後、ハチが人間達に翻弄され、野良犬として孤独死する。史実と大きく異なる点に加え、これをフィクションだとしても、人間のエゴや傲慢さを感じる人もいるのでは無いかと。
ハチ公の晩年は野良犬ではなく、実在した上野教授宅出入りの植木職人・小林菊三郎(劇中の菊さん)が存命で、ハチをずっと可愛がったのだが、小林宅から渋谷駅や旧上野邸に、毎日通っていた。
当初は渋谷駅で虐待に遭遇したが、新聞報道を契機に善意の輪が広がり、生前にハチ像の除幕式にも参加している。ただし、犬を飼う知識が少なかった時代に、様々な餌を与えられたせいか、フィラリアで亡くなった。
とはいえ、ご主人を記憶し続ける犬の悲劇を、しみじみとしたタッチで感動的に描いていて、最後まで退屈することは無い。評価が難しい作品だし、今の若い世代が本作を見てどう思うか、凄く気になった。
4.0言うならあんならは、オメメの汁でメシ喰うとるんど!「犬よちぎれるほど尾をふつてくれる」(by 尾崎放哉)
オープニングロゴで「ちょw」と吹いてしまいました。
何しろ
東京都知事推奨
日本PTA全国協議会推薦
東京都教職員組合推薦
大阪府教育委員会推薦
の作品です。ポーカーで例えればエースのフォーカードみたいな。優等生ここに極まれりみたいな。
もちろん、アマプラのコンテンツレーティングにも但し書きは一切ありません。「暴力」とか「性的なコンテンツ」だとか、これっぽちも書かれていません。
つい先日鑑賞した『SISU・不死身の男』みたく「殺ったれ!殺ったれ!ヒャッハー!ヽ(^o^)丿」系映画が好みの私とは最も縁遠い作品です。
何故かそんな作品をチョイスです。本当に何故なんでしょう?
ひょっとすると、涙で心の汚れが洗い流されるかも…と思って?知らんけど。
オープニングから“秋田犬の子”であることが、やたら強調されすぎでした。あたかも「雑種は犬にあらず」みたいな。そんな選民思想に通じる違和感を覚えました。親ガチャでたまたま当たり引いただけですやん。上級国民クソ喰らえ。犬相手にそんな僻みを感じました。
案の定、飼い主は上級国民様の大学教授様であらせられるじゃないですか。
「人間に人格というものがあるように、犬にも“犬格”というものがある」とか眠いこと仰せられるような。←やっぱり心が汚れまくってるし…
いつものようにWikipedia先生にぷち師事してみました。
すると!何と!この作品も制作のクレジットに奥山和由のお名前が挙がっているじゃないですか!
『その男、凶暴につき』の制作・原案の方でしょ?節操がなさすぎじゃね?と思って、携わっていらっしゃる作品群に、ざっと目を通してみました。本当に多岐にわたるジャンルの作品でご活躍の方なのですね。
本作はWikiの解説を読むと、ストーリーがどうのこうのよりも、制作に至った裏話がメインで紹介されていました。それによると、かなり不純な動機で創られた作品のようです。大人って汚い。
そもそも、物語の舞台背景がいつなのかすら書かれていないんですよ。画面の絵から察するに戦前っぽいくらいしかわかりません。ハチ自身のWikipediaを見てみると、昭和一桁代のお話のようです。
かなり力の入った昔の渋谷駅を再現したセットに、並々ならぬ趣を感じました。
撮影にあたって、ハチがお芝居をしなくて困ったらしいですが(当たり前です)が、作品を観るかぎり、しっかりと演技をしているように見えました。特に亡き主人のお葬式のシーンでは、不覚にも涙が零れそうになってしまいました。
遺されて霊柩車を追うハチかわいそう。・゚・(ノД`)・゚・。
住む家も飼い主も変わって雨に打たれるハチかわいそう。・゚・(ノД`)・゚・。
亡きご主人さまを探して夜の街を駆けずり回るハチかわいそう。・゚・(ノД`)・゚・。
音楽も思いっきり泣かせにきています。こんなん卑怯です。
とうとう野良犬にまで身をやつしてしまうハチが哀れすぎます。愁いを帯びた瞳がいじらしすぎます。
降雪の夜に、ハチが今わの際に見た夢のシーンでは本当に泣かされてました。
満開の桜の下、愛するご主人さまの腕に抱かれる夢を見て人知れず逝ったハチの姿に泣きました。
涙で心が浄化されました。
だからこそ制作のいきさつの裏話が大人の事情過ぎて白けてしまいます。
「なにが映画人なら!こんなが描いとる映画は何を売っちょるの?お涙頂戴じゃないの。言うならあんならは、オメメの汁でメシ喰うとるんど!」
ところで、渋谷駅前で待ち合わせをするカップルさんが、ハチ公前をしばしば利用されるじゃないですか。
あれって、不吉じゃね?会いたい人に二度と合えないことを象徴する場所ですよ。そんなんでいいの?私は別に構わんけど。
3.5○んではいけない❗️
大正時代に東京帝国大学の教授❗️とは❗️
仲代達矢演じる上野教授はハチの事を大事に大事にされていましたね。奥さんに睨まれるほど。
あのままなら、ハチも幸せな犬生を送れた筈。
人の方が長いので。
夕方、誰に言われることもないのに、きっちりと駅にお迎えに行く❗️
忠犬だけでなく賢犬だとも思いました。
しかし‥‥。
ハチにとって辛いのは、奥さんも娘さんも犬好きではなかったこと。
そして、不幸がまた続き‥。
絶対に降りて来る筈のない改札口に
毎日毎日行く姿、
観ているの辛かったです。
ハチと言葉が通じて教授のことを
教えてあげても、
多分、ハチは行くのだろうな。
飼った以上は、○んではいけない❗️
と思うのは、駄目でしょうか。
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