ジャングル大帝(1997)
劇場公開日:1997年8月1日
解説
ジャングルを舞台に、人間と動物たちの闘い、友情、愛、冒険を描いたスペクタクル長編アニメーション。監督は、テレビ・アニメ『美味しんぼ』の竹内啓雄。手塚治虫の大ベストセラー・コミックを、竹内と「ブラック・ジャック」の手塚プロダクション文芸部が脚色。撮影を「HERMES 愛は風の如く」の玉川芳行が担当。声の出演に、「蛍II 赤い傷痕」の津嘉山正種、柊美冬、富田耕生らがあたっている。
1997年製作/99分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1997年8月1日
あらすじ
ジャングルの王者、白ライオンのレオとその妻・ライヤの間に2頭の子供・ルネとルキオが生まれ、ジャングル中がお祝い気分でいっぱいの頃、人間の街ではハム・エッグという男がジャングルで発見した月光石をめぐって騒ぎが起きる。月光石は未知のエネルギーを秘めた特殊な石で、エネルギー危機に直面した地球の救世主として注目を集めていたが、それがあるとされる幻のムーン山がどこにあるのかは明らかになっていなかった。科学技術庁員のラムネとともに月光石を探しに行くことになったハム・エッグは、ジャングルに詳しいヒゲオヤジと合流する。ところが、ハム・エッグは車の通る道を切り開くために木々を焼き払い、動物たちを殺し始めた。意見を異にするヒゲオヤジはラムネとともに隊を離脱するが、火災のせいで自然環境が崩れ、ジャングルは大雨と洪水に見舞われる。その影響でルネが濁流に流され、遥かな海で人間の船に拾われた。サーカスに売られたルネは空中ブランコの大スターになり、楽しい日々を送ったが、その頃、ジャングルでは死斑病が動物たちの間に大流行し、ライヤが息を引き取っていた。それを渡り鳥たちに聞いたルネは、サーカスの少女・メリーの手引きでジャングルへ帰る決心をする。一方、動物たちを薬で救ってやったヒゲオヤジは、ついにハム・エッグがムーン山を発見したことを知り、月光石を悪用されてはならないとムーン山への登山を開始した。レオの案内で、ヒゲオヤジたちはハム・エッグよりも早く登頂に成功し、月光石を発見するが、後をついてきたハム・エッグと熾烈な闘いになり、ヒゲオヤジとレオだけが生き残る。下山途中、彼らは猛吹雪に襲われ、ヒゲオヤジに肉と毛皮を与えようとレオは自らの命を絶った。ひとりで下山したヒゲオヤジは、偶然会ったルネに偉大な父の話を聞かせてやる。
スタッフ・キャスト
- 監督
- 竹内啓雄
- 演出
- 五月女有作
- 吉村文宏
- 桑原智
- 脚本
- 竹内啓雄
- 手塚プロダクション
- 原作
- 手塚治虫
- 企画
- 古徳稔
- 石田康男
- 製作
- 松谷孝征
- 幸甫
- 清水義裕
- プロデューサー
- 久保田稔
- 宇田川純男
- 秋葉千晴
- エグゼクティブ・スーパーバイザー
- 黒川昌満
- 絵コンテ
- 竹内啓雄
- 五月女有作
- 吉村文宏
- 桑原智
- 西田正義
- 平田敏夫
- 樋口雅一
- 福冨博
- 篠原俊哉
- 千葉大輔
- 内田裕
- 木下久馬
- オリジナルキャラクター
- 手塚治虫
- 作画監督
- 杉野昭夫
- 撮影監督
- 玉川芳行
- 撮影
- ティ・ニシムラ
- 美術監督
- 阿部行夫
- 音楽監督
- 東上別符精
- 音楽
- 冨田勲
- 音楽プロデューサー
- 長澤隆之
- 主題歌
- 松たか子
- 録音
- 井上秀司
- 飯塚秀保
- 音響監督
- 千葉耕市
- 効果
- 倉橋静男
- 編集
- 森田清次
- 森田編集室
- スチール
- 壱岐和美
- 滝沢真理
- 特殊効果
- 太田憲之
- CG
- オムニバス・ジャパン
- キーアニメーター
- 内田裕
- 木下久馬
- 色彩設定
- 岡野強
- 色指定
- 岡野強
- 小針裕子
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映画レビュー
4.0原作第三部を忠実に描いた作品
TVアニメ版とは一切の繋がりのない、原作第三部を忠実に描いた作品。レオの息子ルネ(柊)が誕生するシーンから。
いかにも極悪そうなハム・エッグ(立川談志)。顔は手塚作品でお馴染みだ。アフリカのバンジェスのムーン山で採れると言われる、核エネルギーに代わる“月光石”を持っていたため、彼を案内人にして調査隊が向かう。現地で選ばれた案内人ヒゲオヤジ(富田)は動物たちを愛して、ハム・エッグと対立する。
息子ルネは人間に憧れ、ひとり旅をするが人間に捕えられ、サーカスに売られる。空中ブランコのヒロイン・メリー(中島朋子)と仲良くなるが、ルネの故郷では動物たちの間に死斑病が流行っていて、故郷へ帰りたくなる。その想いが通じ、彼女はルネをアフリカ行の船に乗せてくれたのだ。一方、サバンナではレオの妻ライヤ(倍賞千恵子)が死斑病にかかり死んでしまう。そして娘ルキオにも病の魔の手が・・・やがてヒゲオヤジが動物たちを治療し、ルキオは無事だった。レオは象のバグーラ(伊武雅刀)たちにも人間に対する考えを改めさせる。
レオはヒゲオヤジとラムネ(松本保典)をムーン山へと案内するが、ハム・エッグたちは姑息にも彼らの跡を追いかける。標高が高いらしくかなりの雪山。そこにはオフクロサンと呼ばれるマンモスがいるのだ。そこにはオオカミもいる。オオカミに襲われ、ライフルを放ったハム・エッグたちは雪崩に巻き込まれ・・・かなりの人数が死んでしまったが、氷点下25度の頂上で月光石を見つけた直後、ラムネがハム・エッグに撃たれ死ぬ。ハム・エッグの銃を奪うため飛びかかったレオ。そしてハム・エッグも死んでしまう。残されたのはヒゲオヤジとレオ、そしてムーン山への経路を詳細に記したラムネのメモ。しかし、極寒の山頂で吹雪は止まず、食料もなくなった彼らは凍死寸前。ヒゲオヤジは体力のありそうなレオだけを下山させようとするが、レオの取った行動とは??
人間と動物は会話できないのだが、ヒゲオヤジのナイフを引っ張り出し、彼にに飛びかかったレオが彼の耳元に囁く。「これでいいのです。あなたは私の肉で飢えをしのぎ、皮を着て山を下りてください・・・」。自らナイフに突き刺さっていったレオ。この自己犠牲のシーンは手塚作品の『ブッダ』のエピソードにも登場するが、まさか主人公レオがこんな行動を取るなんて・・・涙が止まらない。そして、無事に下山し、川を渡っていたヒゲオヤジのところへルネが帰還。白いライオンだから、すぐにレオの息子だと悟ったヒゲオヤジ。敷いてあったレオの毛皮を不思議そうに嗅いでいたルネだった・・・終。
TVアニメしか知らず、原作を読んでいなかったため、最後は本当に悲しかった。娘や仲間たちを死から救ってくれた恩だけでは語れないはず。単純に、争いごとを暴力だけで解決しちゃいけない!といったメッセージかと感じた前半からは考え付かないほどのラストだ。ちょっと急ぎ足感があったけど、もうちょっと丁寧に描いてくれたらな~
3.5初めて映画館で観た映画
Eテレでの放送で2回目の鑑賞。
原作マンガは未読。
初めて映画館で鑑賞した映画です。しかし小さかったためか物語を理解出来ず、且つつまらなかったようで、最後の方になるとスヤスヤ寝ていたとか。観た内に入らないか。
ですが、幼いながら印象に残った場面は少なからずあって、象の子供の性格の悪さに嫌な想いを抱いたり、雪の中から巨大な姿を現す象(象ばっかりかいな)に息を呑んだり…
それ以来観る機会がありませんでしたが、Eテレでの放送で久しぶりに観ました。自然への畏怖と尊敬。人類の傲慢さへの警鐘。ひとつひとつのテーマに胸が痛みました。
しかし全体的に言えば、あまり記憶に残らない作品と云う印象です。このレビューも、必死に内容を思い出しながら書きました。何かの機会に改めて観た上で追記したいと思います。
※修正(2024/02/03)
3.0レオの存在感が薄い
総合:60点
ストーリー: 55
キャスト: 60
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 75
手塚作品は好きであるが、この原作の発表は1950年だそうで、流石に現代の価値観からすると古さを感じる部分もある。だがそれ以上に本作では原作を圧縮しすぎていて、物語があまり本筋が見えなくなっているように思える。レオの話が本来は中心だろうけど、前半に主人公のレオの活躍があまりなくて存在感が薄い。だから最後のムーンストーンの探索の旅をするにしても、彼の存在に思い入れが深くなる前に冒険が始まって、そして終わってしまった。原作はもっと面白かったしそれはレオとかが生き生きとしていたからだけど、それがこの作品では表現しきれていなかった。
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