新座頭市物語 折れた杖
劇場公開日:1972年9月2日
解説
“座頭市”シリーズ二十四作目。今作は勝新太郎がこのシリーズ初めて、「顔役(1971)」に引き続き二本目の監督作。脚本は犬塚稔、撮影は「座頭市御用旅」の森田富士郎がそれぞれ担当。
1972年製作/92分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1972年9月2日
あらすじ
三味線をしっかりと手に握った座頭市が銚子の港へ向かっていた。偶然の事故で、市の目の前で死んだ行きづりの老婆から彼女の娘に形見の三味線を届けるよう頼まれたのである。銚子の宿、女郎屋“扇屋”に娘、錦木がいた。市は錦木を身請けする金を稼ぎに賭場へ向かった。一人の母親の切ない願いをかなえてやるために。賭場の貸元、鍵屋万五郎は、漁師たちを無理矢理賭場へ誘い、金ばかりか船までもまきあげていた。万五郎の狙いは、港の実権を握ることである。その賭場へ市が現れ、五十両をなんなく稼いでしまった。怒った万五郎は、飯岡助五郎から“百両首の座頭市”の廻状が回っていることもあり、子分たちと用心棒神条常盤に市を狙わせた。五十両で錦木を身請けした市は、錦木に指一本ふれようとはしなかった。ところが錦木には、市の情が分らず、盲の市を気嫌いするのだった。一方、万五郎は銚子の港を着々と自分のものにしていった。実権を握った万五郎は市の命を狙うべく、綿木の馴染みの男、丑松を使い錦木を人質にとる。そして、錦木を庇う市の利腕の骨を潰してしまった。その上、用の無くなった丑松を殺し、錦木をふたたび女郎屋に戻す。とうの昔に人なみの夢や幸福など捨てさり、昨日、今日と別の男に抱かれることに仇花を咲かせる女になってしまった錦木。だが、何故か市の後姿に女心がゆれ、涙がにじむのだった。利腕のきかなくなった市にとどめをさそうとした万五郎一味。絶体絶命の市。しかし市は、潰された腕を、抜き放った仕込み杖に固く縛りつけ最後の反撃にうつり、危機を脱する。そして、おじ気づいた万五郎一味を相手に怒りの仕込み杖を振り回すのだった。
スタッフ・キャスト
映画レビュー
1.5タイトルなし(ネタバレ)
『ジャンゴ』をリスペクトしている。結局、飯岡の大親分は逃げる。って、つまり、ここで座頭市に殺されては、天保水滸伝が起きないか。でも、飯岡は悪って事か?
実在した悪って知らない人たくさんいるんだろうな。しかも、岡超えた笹川にはもう一人の親分までいた。そこが我が故郷で『飯岡の親分を知っている』とホラ吹を吹くばあさんがいたのを覚えている。
2.5座頭市が斬った! 勝新が撮った!
シリーズ24作目。1972年の作品。
吊り橋の上で一人の老婆と行き交った市。が、老婆は運悪く橋から落ち、市は老婆が持っていた三味線を形見として娘に届ける為、銚子の宿へやって来る。娘・綿木は女郎屋の看板娘。市は賭場で稼いだ金で彼女を身請けする。賭博を荒らされた貸元の万五郎は怒り心頭、綿木の馴染み客を利用して市の命を狙う…。
どうリライトしたって話は同じにしかならなくなってきたこのシリーズ。
ならば、どう新味を取り入れるのか。
作風面で。
独特のカメラアングル、映像感覚。
スタイリッシュな編集。
音楽も印象的。
明らかに初期の頃とは演出も雰囲気も様変わり。
マンネリ、マンネリ…と言われ続けているが、特色を出そうとしているのだ。
本作でそのメガホンを握ったのは、遂に勝新太郎本人。
ねちっこい濡れ場や鮮血のバイオレンス。
肝っ玉とか弱さを併せ持った大地喜和子、悪役がハマり過ぎの小池朝雄、お馴染みのイカサマ博打…。
新しさを出しつつ、シリーズを知り尽くした勝新だからこそのツボを抑えた安定。
正直、前半は退屈。
終盤。綿木を人質に取られ、何も出来ない市は、万五郎に手を潰される。
絶体絶命…。
万五郎一家との決闘シーン。市は仕込み杖を手に縛り、襲い来る万五郎一家を斬る!斬る!斬る!
圧巻であった。
でもタイトル、“折れた杖”と言うより“潰された手”だよね…。
3.0吉沢京子
賭場を荒らされた貸元の万五郎(小池朝雄)は激怒し、錦木(太地)のなじみ客だった丑松(中村嘉葎雄)に、夫婦にしてやるというエサで市を殺害しようとするのだ。単純に、錦木と市が濡れ場を演じているときに殺すというもの・・・しかし、抱く気のない市。バッタバッタと刺客を斬り殺すが、万五郎は錦木を連れ去り、船の中で人質にする。追いかけた市。しかし、人質のため杖を預け両手を台の上に置いた。そこを丑松が両手の甲を銛でグサリ・・・
もう一人のヒロイン、女郎屋で働く楓(吉沢)は弟が嬲り殺され、入水自殺する。なんとはかない・・・登場時間も少ないのに。
毎回、新鮮さを求め、一風変わった座頭市を描く今シリーズだが、今作では、両手を負傷した市が仕込み杖を手に縛りつけて不自由な形での大殺陣を演ずる。そして、監督が勝新だったこともあるのか、カメラアングルの中に必ず邪魔な障害物があった。まるで素人が撮ったかのような映像。さすがにクライマックスからは感じなかったが、序盤から中盤にかけてはフォーカスされるべき俳優がとても小さく、障害物ばかりが目立っていたぞ!監督:勝新太郎
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「座頭市」シリーズ関連作品
座頭市 THE LAST
2010年ICHI
2008年座頭市
2003年座頭市(1989)
1989年新座頭市物語 笠間の血祭り
1973年新座頭市物語 折れた杖
1972年座頭市御用旅
1972年新座頭市・破れ!唐人剣
1971年座頭市あばれ火祭り
1970年座頭市と用心棒
1970年座頭市喧嘩太鼓
1968年座頭市果し状
1968年座頭市血煙り街道
1967年座頭市牢破り
1967年座頭市鉄火旅
1967年座頭市海を渡る
1966年座頭市の歌が聞える
1966年座頭市地獄旅
1965年座頭市逆手斬り
1965年座頭市二段斬り
1965年座頭市関所破り
1964年座頭市血笑旅
1964年座頭市あばれ凧
1964年座頭市千両首
1964年座頭市喧嘩旅
1963年座頭市兇状旅
1963年新・座頭市物語
1963年続・座頭市物語
1962年座頭市物語
1962年