座頭市御用旅
劇場公開日:1972年1月15日
解説
昭和三十七年「座頭市物語」以来のシリーズ二十三本目。脚本は「渡世人 命の捨て場」の直居鉄哉。監督は「皆殺しのスキャット」の森一生。撮影は「片足のエース」の森田富士郎。
1972年製作/90分/日本
原題または英題:Zatoichi at Large
配給:東宝
劇場公開日:1972年1月15日
あらすじ
師走の風が吹き抜ける荒涼たる原野を行く市は、旅姿の女がやくざに襲われているのを救ったが、女の持っていた二十両は奪われ、その上身重な躰は陣痛が激しくなっていた。寒風の荒野に盲目のにわか産姿……。それでも市の苦闘で新しい生命が誕生した。それは母親の生命とひきかえではあった。「野州・塩原の佐太郎に……」いまわのきわに残した父親の名で市の行先は決った。その市を憎悪の目で追う小さた影があった。健太は母の腹痛を見かねて人を呼びに走り、弟の出産と母の死だけを目撃したのだ。一方塩原に着いた市は、老目明しの藤兵衛に佐太郎の住居をたずねるが、佐太郎は八年も前に飛びだし、八重という妹が一人、旅籠で働いていた。市は、八重に赤ん坊を渡せば役目は果たせると思っていたが、この平和な街に札つきのやくざ、鳴神の鉄五郎が乗り込んできて、八重の借金二十両のカタに、彼女の躰を狙い始めた。兄の佐太郎が作ってくれる筈の金はまだ届かない。それにしても二十両を作るのは難儀な仕事だ。やがて、十手捕縄を狙う鉄五郎のために藤兵衛は斬られてしまう。無気味な男が座頭市だと知った鉄五郎は用心棒集めにかかった。そんな大晦日の塩原に佐太郎が帰ってきた。どこに隠れていたのか健太が佐太郎に飛びつく。渡世人仲間では腕を知られた佐太郎も、妹を救うため、恋女房の仇を討つため捨身で市をつけ狙う。除夜の鐘まであと半刻。鉄五郎の用心棒で居合の達人相良伝十郎、代官所の捕方、佐太郎が、市の命を奪おうと塩原神社の境台で待ちうける。そして座頭市は捨身で危機を切り抜ける。
スタッフ・キャスト
映画レビュー
3.0浪曲子守唄
1.5タイトルなし(ネタバレ)
大映のリメイクだと思うが。
見たことがあった。
浪花節調になっていて、これからどうするんだろう。
殺陣が少ない。仕方ないか。
3.5森繁対三國
シリーズ23作目。1972年の作品。
男に襲われた女を助けた市。
が、身籠っていたその女は命尽き果て、寸前に産まれた赤ん坊を「野州・塩原の佐太郎の元へ」と託す。
これで何度目になるだろう、市の子連れ旅。
その市に石を投げ付け、後を追う少年の影があった…。
目的の宿場町。
訪ね歩いて佐太郎を探すが帰っておらず、妹の八重に赤ん坊を預ける。
そんな時町に悪徳やくざの鉄五郎がやって来て、横暴を振るう。八重の身体をも狙う…。
鉄五郎の無法や町の治安を守るは、老目明し(岡っ引き)の藤兵衛…。
話の立ち上がり方は勿論、大まかなあらすじや設定もあるある。
マンネリっちゃあマンネリだが、それなりに本作個性も。
浪花節風ナレーションはクセになる。
監督は勝新の出世作『不知火検校』のベテラン、森一生。これが最後の映画監督作となったが(その後TVへ)、ツボを抑えたテンポのいい演出は飽きさせない。
だけど個人的に見応えあったのは、日本映画界の二大名優スターの共演。
森繁久彌と三國連太郎!
森繁は藤兵衛役。
社長シリーズなどで喜劇俳優の印象強いが、変幻自在の演技派。重厚で渋みのある演技を披露。
三國は鉄五郎役。
『~牢破り』では善人から悪人へと変わるやくざ親分を巧演していたが、今回は登場したその瞬間から分かるTHE悪役! ある意味、悪役三國の土壇場!
この二人の共演は本作が初めてではなく、本作以前にも何度かあるらしい。
でも、自分は見るのは本作が初めて。
だから、二人が同じ画面に映るだけでも、ス、スゲェ…。
これだけでも見る価値あり!
かと言って、勝新も押されっ放しばかりではない。そこは勿論主役!
町人から祭りの稼ぎをぶん取ろうとする鉄五郎。そこへ現れ粛清する市。
鉄五郎の子分は若き石橋蓮司と蟹江敬三。鉄五郎一家から命を狙われる事になった市。雇われた人斬り、伝十郎。市の剣の腕に惚れ込み、正々堂々勝負を申し込む。若き高橋悦史が爽やかさすら感じさせる。
佐太郎が帰ってきた。市に礼を言う。開幕から市に石を投げ付け後を追っていた少年は、佐太郎と死んだ女の息子。少年は市が母親を殺し、佐太郎が妻に持たせた20両も盗んだと勘違い。「人殺し!」。息子の言葉を信じた佐太郎は市に復讐を誓う…。
藤兵衛の息子、清次。やくざのパシリみたいな仕事をして、父とはソリが合わず。ある時父に殴られ、目が覚める。これから真っ当に生きようと決めた時…、父は鉄五郎に殺されていた。が、清次は父を殺したのは市と勘違い。父の十手を手に取っ捕まえようとする…。
まさに、四面楚歌!
本作のメイン登場人物のほとんどから狙われる市。
果たして、この絶体絶命を脱する事が出来るのか…!?
クライマックスは市、鉄五郎一家、佐太郎、清次と目明しらが入り乱れ。
目的もそれぞれ、救出、怒り爆発の殺し、復讐、御用…。
鉄五郎が放った火の海に、市は大苦戦。
しかしそれは、市の怒りの炎。
市よ、怒りと共にこの悪党どもを斬れ!
馬鹿息子と思っていた清次の最後の機転。
そしてラストシーンの伝十郎との勝負。
秀逸であった。
映画.com注目特集
3月19日更新
【衝撃の問題作】なぜ世界は「ガンニバル」に熱狂するのか? “絶対的支持”の理由を徹底解説!
提供:ディズニー
【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――
提供:東和ピクチャーズ
【あまりにオススメされるので、シリーズ未見だけど観てみた】結果は…ハマるまでのリアルドキュメント
提供:ツインエンジン【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI【感想投稿で豪華賞品が当たる】ちょっとでも観たことある人、今すぐ参加して!(提供:ディズニー)
注目作品ランキング
1
ウィキッド ふたりの魔女劇場公開日 2025年3月7日
2
35年目のラブレター劇場公開日 2025年3月7日
3
ファーストキス 1ST KISS劇場公開日 2025年2月7日
4
映画ドラえもん のび太の絵世界物語劇場公開日 2025年3月7日
5
ロングレッグス劇場公開日 2025年3月14日
映画ニュースアクセスランキング
- 昨日
- 先週
1
女優で歌手で潜入工作員…さらに射撃の名手! ガイ・リッチー新作「アンジェントルメン」本編映像2025年3月19日 08:00
2
アンディ・ラウ主演、香港映画史上最大級のディザスター大作「カウントダウン」緊急公開が決定【特報公開】2025年3月19日 08:00
3
【本日配信!】「ガンニバル」完結編、新宿にリアル出現した“人が喰われている村”に行ってきた2025年3月19日 15:00
4
橋本環奈が“赤い人”になった!? 「カラダ探し THE LAST NIGHT」9月公開、衝撃のビジュアル披露2025年3月19日 07:00
5
「47RONIN」監督がNetflixに対する詐欺容疑で起訴 16億円を不正流用2025年3月19日 14:00
1
ニコラス・ケイジの変貌ぶりがヤバすぎて主演女優の心拍数が「76→170」に跳ね上がる「一生忘れない」2025年3月11日 18:00
2
櫻井翔×北川景子「映画 謎解きはディナーのあとで」3月29日に放送2025年3月14日 16:00
3
「日曜アニメ劇場」3月16、23日に「宇宙戦艦ヤマト2199」劇場版2作を放送 30日は「ルパン三世VSキャッツ・アイ」2025年3月14日 18:00
4
【閲覧注意】台湾ホラー「ガラ」5月9日公開決定! 衝撃の日本版ビジュアル&予告編&場面写真を一挙公開2025年3月10日 08:00
5
【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙2025年3月14日 22:55
「座頭市」シリーズ関連作品
座頭市 THE LAST
2010年ICHI
2008年座頭市
2003年座頭市(1989)
1989年新座頭市物語 笠間の血祭り
1973年新座頭市物語 折れた杖
1972年座頭市御用旅
1972年新座頭市・破れ!唐人剣
1971年座頭市あばれ火祭り
1970年座頭市と用心棒
1970年座頭市喧嘩太鼓
1968年座頭市果し状
1968年座頭市血煙り街道
1967年座頭市牢破り
1967年座頭市鉄火旅
1967年座頭市海を渡る
1966年座頭市の歌が聞える
1966年座頭市地獄旅
1965年座頭市逆手斬り
1965年座頭市二段斬り
1965年座頭市関所破り
1964年座頭市血笑旅
1964年座頭市あばれ凧
1964年座頭市千両首
1964年座頭市喧嘩旅
1963年座頭市兇状旅
1963年新・座頭市物語
1963年続・座頭市物語
1962年座頭市物語
1962年