子連れ狼 三途の川の乳母車
劇場公開日:1972年4月22日
解説
原作・小池一雄、劇画小島剛夕のコンビによる、『漫画アクション』に連載中の『子連れ狼』の映画化第二作目。脚本は「子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる」の小池一雄。監督も同作の三隅研次。撮影も同作の牧浦地志がそれぞれ担当。
1972年製作/85分/日本
原題または英題:Baby Cart at the River Styx
配給:東宝
劇場公開日:1972年4月22日
あらすじ
虚無僧が抜刀しながら宙を駆る。一刀「柳生か!」斬り込んでくる虚無僧。それをはずし上段から叩き斬る一刀。天蓋が両断され宙に舞う。虚無僧の頭部に一刀の銅太貫がくいこむ……。元公儀介錯人、拝一刀は今日も、大五郎を乗せた箱車を押して流浪の旅をつづける。拝一刀殺害に失敗した、黒鍬小角は明石柳生の女指南役、柳生鞘香に一刀殺害を依頼する。鞘香を首領とする別式女八人の一刀襲撃が開始される。百姓女に扮した四人。小川の底に四本の白刃が沈められている。また女角兵衛獅子に扮した二人もトンボを切りながら一刀を襲う。それらを次々と斬り倒す一刀。水鴎流新馬刀を駆使する一刀の敵ではなかった。が、一刀も傷つき川原の小屋に倒れる。「ちゃん……」大五郎は健気にも、一刀の唇に自分の手をつけた水を浸すのだった。外を吹く強い風の音。その時、軽快な太鼓の音が風にのって聞こえてくる。大五郎はその音に引きつけられ、小屋を出る。復讐の念に燃える黒鍬衆の罠である。大五郎は捕われ、井戸のつるべに釣るされてしまう。黒鍬小角は、大五郎の命を助けたければ降服せよとせまる。「殺したくば殺すがよかろう!だが何のためになる……権謀術策を弄し一門の繁栄のみを願う柳生への忠義だてなのか……」冥府魔道に生きる父と子、宿命の刺客に生きる父を大五郎は、死を覚悟したかのように見詰めるのだった。黒鍬衆はこの恐しいまでの父と子の肉親愛に愕然とする。その間隙をぬって一刀は見事大五郎を救出し、黒鍬衆を全滅させた。拝一刀に刺客を依頼したいと願う者は、魔道の護符を街道沿いの神社仏閣に貼り出すことになっている。今日は、阿波藩からの刺客の依頼を受ける。「事情は全てお聞かせ願おう」冷たく言い放つ一刀。幕府より阿波藩の浮沈を賭けた阿波藍の秘法を知る幕屋忠左衛門を奪う為派遣された公儀護送役、弁・天・来の三兄弟を殺すという仕事である。阿波へ向う渡海船の中で一刀は初めて三兄弟と出会う。ところが船火事が超こり三人は巧みに海へ逃れる。一刀も又、長巻を使って大五郎と共に猛火の中をかいくぐり海へ逃れる。やがて、三兄弟は、幕屋忠左衛門の奪取に成功して砂丘を江戸へ向うことになった。砂の下に潜んでいた阿波藩家臣が不意をついて襲撃するが、弁馬の手甲鉤、天馬の混飛、来馬の鉄挙に次々と倒されていき、やがて全滅。浜風が砂を舞い上らせる。と、その向うに遠く黒い人影が浮びあがる。「やはり来たか!」弁馬が低く強く言い放つ。「まいる……」一刀は胴太貫を抜き放って砂地を蹴り、三人に向って突進した……。
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
5.0今は亡き日本の時代劇
DVDにて。聞きしに勝るイカれた映画だったwww。ザッツ、エンターテイメント!という感じの時代劇。人情劇とかいらねーし。斬って斬って斬りまくろうぜ!景気の良くいこう!
ってな感じの過剰演出っぷりはマイケル・ベイを彷彿とさせる。物語の流れや撮り方はシリアスだけど爆笑する。ざっくり表現するなら、ブラックユーモアに笑ってしまう感じ?そういうアメリカ映画ってあるじゃん?うん。それに近い。今観ても普通に面白い・・・というか最近の日本映画から消えてしまったパターンの映画なので新鮮だった。
確かにこれは・・・僕が観てきた映画の中では、タランティーノだ(当然、タランティーノが子連れ狼にオマージュを捧げているのがキル・ビルだが・・・)。そして、若干007っぽい。言うまでもなく、マカロニ・ウェスタンを彷彿とさせる、ドライで血みどろで無常な世界が描かれる。
マカロニ・ウェスタン=>子連れ狼=>タランティーノ、影響を与えあってる。
最近観た日本映画で、本作に最も近いのは「全員死刑」。こういう路線で時代劇作れば、結構世界受けすると思うけどな。
5.0最高
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