恐竜・怪鳥の伝説
劇場公開日:1977年4月29日
解説
日本に恐竜が存在したのか。この疑問を否定する材料は何もない。毎年八月二日に竜神祭りを行う富士山麓の西湖に恐竜が出現。というもので、ミステリアスに描く。脚本は伊上勝と「ピラニア軍団 ダボシャツの天」の松本功と「広島仁義 人質奪回作戦」の大津一郎の共同、監督は「飛び出す冒険映画 赤影」の倉田準二、撮影は「広島仁義 人質奪回作戦」の赤塚滋がそれぞれ担当。
1977年製作/92分/日本
配給:東映
劇場公開日:1977年4月29日
あらすじ
一九七七年の夏。神秘のベールに覆われた富士の青木ケ原樹海で若い女性が、発見された。女は、息をひきとる直前に、大きな卵が……と謎の言葉をのこして死んだ。そのニュースを知った芦沢節は、ただちに、富士へ向う。一方、節の恋人、女性カメラマンの亜希子も西湖の湖底を撮るため、助手の園田淳子を連れて富士に来ていた。若い男女が湖面ではしゃいでいると、突然、乗り物がひっくりかえり、湖水に投げだされた男女が、行方不明になってしまった。怪奇な事件が相次ぎおこり、湖畔の足和田村に不気味な恐怖がただよい始めた。八月二日。竜神祭りの日。人気ディスクジョッキーの諸口あきらショーが始まった時、沖合に黒いヒレが横に動き、群衆は口ぐちに恐竜ダーと叫びながら逃げまわる。節がとめるのもきかずに、亜希子と淳子は最後の写真を撮るために、水中に潜った。ボートの上で待つ淳子は、突然、下半身を食いちがられる。西湖はこの事件以来、立入り禁止。節は、西湖と精進湖は地下でつながっているのではないかと考え、亜希子と水中に潜る。一方、対策本部は、湖水に爆弾を投げこむことを決定。次々におきる衝撃音に危機に陥込んだ二人は、偶然にも、二つの湖を通じるトンネルを発見。そこには、太古の生物が生きていた。やっとのことで地上に出た二人に、襲いかかる恐竜。絶対絶命と思われた時、怪鳥が恐竜に襲いいかかり凄烈な死闘をくりひろげる。すると、突然、富士山が大噴火を起し、大地に大きな亀裂が走り恐竜、怪鳥ともども落ち込んでいった。大地は、いつまでもうなりをあげていた。
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
3.0想い出補正のおかげで大傑作に
YouTube(東映シアターオンライン)で2回目の鑑賞。
4歳か5歳の頃、サンテレビの「アフタヌーンシアター」で本作を観た微かな記憶が残っております。当時その迫力に圧倒され、幼心に名作として刻まれた作品です。
今回およそ25年ぶりに再会したわけですが、「あれ、こんな感じだったっけ?」と戸惑い、当時感じた印象がガラガラと音を立てて崩れていく感覚を味わいました。
ツッコミどころ満載だし、プレシオザウルスやランホリンクス(本編まま)の造形物は造り物丸出しで、対決シーンもアップ多用且つ無駄なカットが多過ぎて分かりにくい。
ランホリンクスの操演の下手さは如何ともしがたく、変な軌道で飛んでいたりフラフラしていたり、そもそも真っ直ぐ飛んでいなかったりして、余計に興が削がれました。
結論、想い出補正って怖い(笑)。
-逆に貴重
2.5嗚呼、子供の頃感じた印象は、今や何処に…?
1977年の特撮映画。東宝ではなく、珍しい東映作品。
特撮映画と言ったが、パニック映画の趣向。
「JAWS」の大ヒットのブームに乗じた一編。
度重なる地震や異常気象に揺れる1977年の夏の日本。富士周辺で奇怪な事件が相次ぎ、死滅した筈の恐竜プレシオサウルスと怪鳥ランホリンクスが遂に姿を現す。富士五湖の一つ、西湖で死闘を繰り広げる。
「JAWS」に乗っかった企画なのに、何故に恐竜と怪鳥?…という疑問はさておき、この映画は子供の頃TVで見た記憶がある。人が襲われ食われるのが、子供心に怖かった。特撮映画で“怖い”と感じたのが、本作と「サンダ対ガイラ」だけ。
先にレビューを書いた「緯度0大作戦」と一緒に借りて来て、こっちを楽しみにしていたんだけど…、アレ、こっちの方が微妙だったぞ!?(笑)
まず、テンポが悪い。
メインディッシュである筈の恐竜と怪鳥は中盤ちょこっとと後は終盤ぐらいで、つまらない人間ドラマがだらだら続く。(その点「緯度0大作戦」は、見せ場をしっかり設け、娯楽のツボを抑え、さすが安定した作り)
人間ドラマは、恐竜の生き残りを信じる若きおみやさんが、その姿を目玉に焼き付ける!…と豪語するのだけれど、この人間ドラマが、70年代の日本映画特有のけだるい雰囲気で、これがパニック・スリラーとミスマッチ。
襲われた動物や人間は、「八つ墓村」の言葉を借りるなら、おお血、血、血、血だ!…の悪趣味。
そしてようやく登場したメインディッシュのショボい事…。
一応醸し出していたパニック・サスペンスの雰囲気は、一気にチープな特撮へスケールダウン…。
子供の頃見て、怖いと感じたのは、やっぱり純真だったからなのかな?
いやでも、いつぞや「サンダ対ガイラ」を再見した時は、今でもまだ恐ろしさは感じた。
やっぱり、東宝特撮は偉大なり?
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