オサムの朝
劇場公開日:1999年7月31日

解説
逆境に立たされた中年の男が自分の少年時代を振り返るうち、人生を前向きに生きようと思い直す姿を描いたヒューマン・ドラマ。監督は「螢II 赤い傷痕」の梶間俊一。第10回坪田譲治文学賞を受賞した森詠による同名小説を基に、「APOAPOワールド ジャイアント馬場90分1本勝負」の田部俊行が脚色。撮影を「AQUARIUM」の阪本善尚が担当している。主演は、「大夜逃 夜逃げ屋本舗3」の中村雅俊と、彼の少年時代を演じた「死国」の森脇史登。1999年6月27日栃木県小山シネマロブレ5にて先行公開。
1999年製作/106分/日本
配給:シネカノン
劇場公開日:1999年7月31日
あらすじ
理不尽な人事異動に腹を立て、少年時代を過ごした那須高原へひとり旅に出た城山修は、東北新幹線の中でやはりひとりで旅をしている少年・直樹と出会い、彼とキャンプをすることになる。母親の愛を受けられずに育ったことが原因で、自分の殻に閉じこもり何かと反抗的な態度を取る直樹。だが、そんな彼のことが気にかかって仕方がない修は、自分の少年時代の話を彼に語り始める----。小学生のオサムが、母・文子と兄・勉と一緒に東京から那須へ越してきたのは昭和29年のことだった。父の行雄は売れない画家で、東京に出稼ぎしているが暮らし向きは一向に良くならない。しかし、オサムは親友のテツオと野山を駆け回ったり、ガキ大将のセイジと喧嘩したりと楽しい毎日を過ごしていた。だが、そんなオサムにも辛い出来事が起こる。テツオの転校、母の家出、そして愛犬レオの死_。オサムは現実の過酷さに絶望するが、そんな彼を励まし支えてくれたのは隣に住む金村のこんな言葉だった。「オサム、踏ん張るんだ。歯を食いしばって踏ん張るんだ」----。森の中で一夜を過ごした修と直樹は、翌朝、レオの墓を詣でた。そこでふたりは、それぞれ自分たちが辛い立場にあるけれど、逆境に耐え踏ん張って生きていこうと誓い合うのであった。
スタッフ・キャスト
映画レビュー
3.0那須高原
現代の少年の事情が深刻であり、それに自分の問題を絡めて人生を見つめなおすオサム。朝霧につつまれた幻想的なシーンが印象的。いい映画なんだけど、少年時代のプロットが作られすぎていると感じる点と「線路に釘を・・・」などという小さなエピソードをもう少し入れてほしかった。
何も解決していないところは文学的だけど、映画としては欲求不満となりやすいかなぁ。
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