ヒロシマ ナガサキ
劇場公開日:2007年7月28日

解説・あらすじ
「待ちわびる日々」でアカデミー賞ドキュメンタリー短編賞を受賞した日系3世のスティーブン・オカザキ監督が、広島と長崎に投下された原爆をテーマに、25年の歳月をかけて完成させたドキュメンタリー。14人の被爆者と原爆投下に関わった4人のアメリカ人の証言を通し、世界の多くの人々が未だ知らずにいるヒロシマ・ナガサキの真実を映し出すとともに、核拡散の危機が高まりつつある世界に対してその恐ろしさを訴える。
2007年製作/86分/アメリカ
原題または英題:White Light/Black Rain: The Destruction of Hiroshima and Nagasaki
配給:シグロ、ザジフィルムズ
劇場公開日:2007年7月28日
スタッフ・キャスト
関連ニュース
第10回「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」開催 豪華ゲストが“戦争”を語る
2019年1月27日三船敏郎ドキュメンタリー、日本版ナレーションはEXILE AKIRA!軌跡をたどる展覧会も開催
2017年10月18日ロジャー・パルバースが反戦映画の名作紹介、大学生に講義
2017年7月6日三船力也氏、祖父・三船敏郎さんの“きれい好き”な素顔明かす「刀の代わりにコロコロ持っていた」
2016年10月13日京都国際映画祭2016で三船敏郎さんドキュメンタリーがジャパンプレミア上映!
2016年9月6日三船敏郎さんドキュメンタリー、ベネチアで高評価!
2015年9月10日
フォトギャラリー
映画レビュー
5.0あの悲劇を繰り返さないために・・・
世界で唯一原爆が投下された国、日本。潮流としては、75%を占める戦後生まれ世代が戦争があったことを勝手に風化させ、「原爆投下はしょうがないこと」というアメリカ人的発想に同調する若者が多いことも事実だ。「嫌なことは忘れてしまいたい」と言う権利のあるのは、それを実際に体験した者だけ。被爆体験をはじめ、悲惨な戦争についての記憶を語り継ぐ生き証人が少なくなった今こそ、こうした真摯なドキュメンタリー映画の存在が重要になってきていると思います。
政治的メッセージや一方的な解説を一切排除し、広島・長崎の14人の被爆者と実際の爆撃に関与した4人のアメリカ人の証言を軸に静かに訴えてかけてくる。どの被爆者も皆優しい表情だったのが印象的だし、被爆者本人が見せたくない傷を見せてまで「二度とこのような被爆者を作らせたくない」という熱い想いが伝わってくる。6日と9日の壮絶な地獄絵をリアルに語る場面もそうだし、瞬時に家族を失った悲しみや生き残ったことの辛さを語るシーンも、平和に生きる現代人にとっては息が詰まりそうになるほどだ。また、クリスチャンの多い長崎では「自殺したくてもできない」という言葉に胸が苦しくなってしまいました。
「黒こげ」「死体の山」「皮膚が垂れ下がる」とか「水をあげたら死んじゃった」等々の痛々しい証言の数々。言葉どおりの生々しい映像があったら直視できないと思われるほど。そんな中でも「生きる勇気」とか「伝えるために生かされている」という言葉は、この映画を観てよかったと感じさせてくれるのです。本当は思い出したくない、語りたくない内容を、被爆者たちは未来ある観客たちに伝えてくれる。忘れてはならない。証言者たちの伝える勇気をも感じ取ったならば、核兵器・戦争のない世の中にしなければと気持ちを新たにさせてくれるのです。
一方、「悪夢は見たこともない」と平然と語る米軍関係者の証言は被爆者とは対極的ではあるが、客観的であり、「命令によってやったこと」と自分に言い聞かせているように思えてならない。戦争とはそんなもの。人を殺したくてその行為に加担するのではなく、敵を憎むように洗脳され、人間らしい心を失ったまま自分の力を試しているだけだ。大量虐殺を悔やんで口を閉ざされてしまっては、真の戦争の意味もぼやけてしまうので、映画の中ではいいアクセントになっていたように思います。
監督のスティーヴン・オカザキが、目立たない短編ドキュメンタリー部門ながらアカデミー賞受賞監督だとは知りませんでした。25年もかけて500人の被爆者と会い、それでいて自己主張しない客観性。また、アメリカ主体のニュース映像のおかげで、日本製の原爆映画とは違った捉え方もできる。原爆投下直後のエピソードは原爆の絵を用いながら集約させ、被爆者でもある『はだしのゲン』の作者・中沢啓二氏の強いメッセージが最後に配されたことで、映画の構成としてもとても引き締まったものになっていました。もちろん、無関心な若者が多い事実を冒頭にもってきたが効いていたんでしょうけど・・・
4.0被爆しなかったら、どんな人生だったろう
映画「ヒロシマ ナガサキ」(スティーブン・オカザキ監督)から。
衝撃的というか、可哀想というか、言葉にならず、
最後まで、観続けることが出来ずに、目を伏せてしまった。
それくらい、被爆を受けた方々の心身の痛みが伝わってきて、
胸が痛くなるとは、こういうことを言うのか、と悟った。
原爆により死んだ人たちより、残された人の苦しみは、
一言で片付けられない気がして、メモすることさえ出来ない。
「これを伝えていくために、おまえは生かされているんだよ」と
自分の生き方を納得させている被爆者。
「幸せだったという記憶はない。逃げ回っていたので恐怖だけ」と
淡々と語る被爆者。
そんな中で、私が気になったのは、
「被爆しなかったら、どんな人生だったろう」と振り返る被爆者。
普段「たられば」(〜だったら、〜していれば)という発言を嫌い、
そんな仮定の話をしても成長はない・・と激を飛ばすのだが、
被爆者の「たられば」は、素直に聴くことが出来た。
彼ら、彼女らの口にする「たられば」は、とても重い気がするから。
何度も書くけれど、戦争はそんな昔の話ではない。
最後に、こんなフレーズが映し出される。
「現在、世界には広島型原爆40万発に相当する核兵器がある。」
信じられないけれど、人間の愚かさを知るメッセージになった。
4.5全日本人が観なくてどうする
映画.com注目特集
3月21日更新
【衝撃の問題作】なぜ世界は本作に熱狂する?この村は人を喰ってる――“絶対的支持”の理由を解説
提供:ディズニー
【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――
提供:東和ピクチャーズ
【あまりにオススメされるので、シリーズ未見だけど観てみた】結果は…ハマるまでのリアルドキュメント
提供:ツインエンジン【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます
提供:KDDI注目作品ランキング
1
ウィキッド ふたりの魔女劇場公開日 2025年3月7日
2
35年目のラブレター劇場公開日 2025年3月7日
3
映画ドラえもん のび太の絵世界物語劇場公開日 2025年3月7日
4
お嬢と番犬くん劇場公開日 2025年3月14日
5
ロングレッグス劇場公開日 2025年3月14日
映画ニュースアクセスランキング
- 昨日
- 先週
1
養女に迎えた7歳の少女の“正体”は、本当に成人女性なのか? 全米を騒がせた実話を基にした衝撃作、配信開始2025年3月20日 09:00
2
実写「白雪姫」“7人のこびと”おとぼけ役は風間俊介「願いが叶いました」2025年3月20日 07:00
3
WEST.主演映画「裏社員。スパイやらせてもろてます」に恒松祐里が出演! 全編関西弁でヒロイン役に挑戦2025年3月20日 12:00
4
【インタビュー】柳楽優弥×笠松将「ガンニバル」完結編を“3つのキーワード”で語り尽くす2025年3月20日 11:00
5
高橋文哉&西野七瀬にもたらした、瀬々敬久監督からの大きな財産【「少年と犬」インタビュー】2025年3月20日 12:00
1
ニコラス・ケイジの変貌ぶりがヤバすぎて主演女優の心拍数が「76→170」に跳ね上がる「一生忘れない」2025年3月11日 18:00
2
櫻井翔×北川景子「映画 謎解きはディナーのあとで」3月29日に放送2025年3月14日 16:00
3
「日曜アニメ劇場」3月16、23日に「宇宙戦艦ヤマト2199」劇場版2作を放送 30日は「ルパン三世VSキャッツ・アイ」2025年3月14日 18:00
4
【閲覧注意】台湾ホラー「ガラ」5月9日公開決定! 衝撃の日本版ビジュアル&予告編&場面写真を一挙公開2025年3月10日 08:00
5
【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙2025年3月14日 22:55