劇場公開日:1996年5月25日
解説・あらすじ
マイケル・マン監督がアル・パチーノ&ロバート・デ・ニーロというハリウッドの2大名優を主演に迎え、1989 年製作のテレビ映画「メイド・イン・L.A.」をセルフリメイクしたクライムアクション。プロの犯罪者ニール・マッコーリー率いるグループが、現金輸送車から多額の有価証券を強奪した。捜査に乗り出したロサンゼルス市警のビンセントは、わずかな手がかりからニールたちの犯行と突き止め、執拗な追跡を開始する。
1995年製作/171分/アメリカ
原題または英題:Heat
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1996年5月25日
スタッフ・キャスト
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映画レビュー
4.0プロでいることの矜持。だからこそ抱える孤独。
○作品全体
孤独でいることの辛さとプロで居続けることの辛さ。この2つは鎖のように繋がれていて、両方を手放すか抱え続けるかしかない。
ニールはハードボイルドな雰囲気と、序盤でクリスに語る「30秒フラットで高飛びできるようにしておけ」というセリフから、2つの辛さを割り切って背負う存在と思わせるが、そうではない。孤独ではないのに仕事もこなすチームの面々が、ニールの一貫したプロ意識に疑問を持たせる役割をしている。イーディが登場してからは、抱えた鎖をどうしようか考えあぐねているニールの心境を、チームとその家族を目にするニールから感じさせていた。
プロではあるが、ハードボイルドではない。そんなニールの心の揺れが「クライムアクション」だけでなく「ドラマ」を生みだす。
ニールと敵対するポジションの最右翼であるハナだが、作中一番のニールの理解者であるのがまた面白い。ハナも「2つの鎖」を抱えていて、終盤で妻と和解する…ように見えて「お前の望む夫じゃない」と言って仕事へ戻っていくところを見ると、孤独でいること、プロでいることを選択したハナが残った、といったところか。
イーディと無言で別れたあとのニールとの対峙は、「30秒フラットで高飛びできる」同士のプロの勝負だった。ラストの握手は孤独同士だからこそ分かりあえる「繋がり」。
複雑に追跡しあい、裏をかきあうプロ同士の勝負だが、根底にあるのはシンプル。ニールとハナ、2人が抱えているものの辛さと、それを抱え続ける男気。ただそれだけだが、カッコいい。
○カメラワークとか
・つい最近『コラテラル』(マイケル・マン監督作)を見たからファーストカットがニヤついてしまった。ホアキン・フェニックスが去っていった駅に今度はロバート・デ・ニーロがやってきた、みたいに感じてしまって。
・カット終わりを沈黙で終わらせるカットがいくつかあった。一番印象的なのは終盤のハナ夫婦のシーン。一人病院に残された妻がゆっくりと俯いてカットが終わるっていう。そのシーンの残り香を感じるような、セリフを使わない時間が少し独特な気がした。フェードアウトっぽい時間の使い方だな、と感じる。
・深夜の銀行破りで警察の気配を察知するニール。カメラ越しに対峙するハナとのカットがめちゃカッコいい。アップショット、画面のど真ん中で互いに睨むニールとハナ。直接対峙しているわけではないけれど、カットバックが緊張感を煽る。二人の表情も良かった。
・アクションシーンがどれも良い。最初の輸送車を襲うシーン、ドアを爆破させるところで炎や煙の派手さで勝負せず、衝撃波によって手前に並んだ車のフロントガラスが大きな音を立てて割れる、その描写で威力を描写してたのが印象的。すごくカッコいい。
銀行強盗後の銃撃戦もカッコいい。音も良かったし、クリスの立ち回りの写し方もかっこよかった。最後尾を歩いてたあたりで「クリス絶対撃たれるなあ」って思いながら見てたけど、横から撃つハナをかいくぐり、リロードを無事にこなし、身を乗り出して警察へ発砲…それでも撃たれないクリスの「お約束回避」っぷりが面白かった。どこまで行けるんだ、という緊張感にも繋がってたと思う。
○その他
・『コラテラル』もそうだったけど、誰もロサンゼルスに好んでいないが印象的だった。マイケル・マンのロサンゼルスというのは仕事場であって安らぎの場ではないのだな、と。
・女性の描き方はちょっと記号的な印象もあった。家庭がうまくいってないから浮気、離婚しようとして浮気…自分を大事にしてくれない抵抗としての浮気はちょっと食傷気味。でもそれしかない…のだろうか。
4.0ノーラン監督が「ダークナイト」の参考にしたと聞くと、なるほど確かに一定の魅力はあるとは思えた
マイケル・マン 監督による1995年製作(171分)アメリカ映画。
原題または英題:Heat、配給:日本ヘラルド映画、劇場公開日:1996年5月25日。
字幕版は見当たらず、残念ながら吹き替え版を視聴。アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの二代スター共演映画だが、それだけに2人の人物像が強烈で印象に残った。監督マイケル・マンによる脚本がいけてるということか。
家庭を顧みず、猟犬の様にひたすら犯人に迫っていくアル・パチーノ演ずる刑事には、自分は絶対に真似出来ないだけに、一種の憧憬と共感を覚えた。ゴッドファーザーの役柄の残像が生きてもいる。
ロバート・デ・ニーロは大成功してきている知能犯役が良く似合っていた。緻密な計画で大成功していたのに復讐に赴くところが、感情に突き動かされてしまっていて、何とも味わい深い。最後の最後に恋人エイミー・ブレネマンを置き去りにして逃げるシーンは、予告済みであったが、それなりのインパクトを感じた。彼女のショック表情が、忘れられない。彼女を本当に愛しているからこそ、犯罪に巻き込まない様にしということなのかな。
似たもの同士ながら、全く変わろうとしない人間と変わろうと努力してそれが果たせなかった人間を対比し、前者が結局生き残ってしまうのが、何とも皮肉でリアリティも感じた。
クリストファー・ノーラン監督が「ダークナイト」を作るにあたって本映画を参考にしたらしいが、映像だけでなくキャラクター設定にも類似性を感じた。
監督マイケル・マン、製作マイケル・マン、 アート・リンソン、製作総指揮アーノン・ミルチャン 、ピーター・ジャン・ブルージ、脚本マイケル・マン、撮影ダンテ・スピノッティ、美術ニール・スピサック、編集ドブ・ホウニグ、 パスクァーレ・ブバ、音楽エリオット・ゴールデンサル。
出演
アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、バル・キルマー、トム・サイズモア、ダイアン・ベノーラ、エイミー・ブレネマン、アシュレイ・ジャッド、ミケルティ・ウィリアムソン、ウェス・スチュディ、テッド・レビン、ジョン・ボイト。
4.5ヒューマンドラマとしても、最高の出来映え
【鑑賞のきっかけ】
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロという二大俳優の共演とういうことで、その題名を知ってはいたものの、長らく未見であった本作品を、このたび、動画配信で鑑賞してみました。
【率直な感想】
<映画の折り返し地点で描写されるもの>
本作品での役どころとしては、ロバート・デ・ニーロは、強盗団のボス、それを追う警察の指揮官をアル・パチーノが演じています。
3時間くらいの長い尺の作品なのですが、物語の前半は、アクション映画であるにも関わらず、アクションシーンは少なく、二人の私生活での静かなシーンに時間がかけられていて、最近の展開の早い作品に比べると、スローペースな印象を持っていました。
ところが。
お互いに、相手の素性を探っていく中で、何と、二人が初めて出会い、レストランでコーヒーを飲みながら、会話をするシーンが登場するのです。
アクション映画なので、てっきり、拳銃の撃ち合いのような形で、顔合わせするのかと思っていたので、意外に感じ、ここは動画配信のよいところで、一時停止してみました。
すると、このシーンは、始まってから大体1時間半のところ、つまり、本編のちょうど真ん中の時点でのシーンなのです。
映画作品では、しばしば、物語の中盤の見せ場を、上映時間の折り返し地点に設定することがあります。
でも、初対面という重要性は分かるけど、「静かな会話」のシーンでよいのだろうか?
そこは、この会話を聞いているとよく理解できました。
二人は、犯罪者と捜査官というそれぞれの立場の会話もするけれど、それと同じくらいの比重をかけて、彼らが、恋人や家族とどのように向き合ってきたのか、つまり、これまで、私がスローペースと思っていた、人間描写の部分について会話をしている。
つまり、このシーンは、「私生活」を含めた二人の物語がここでクロスし、後半の展開に結びついていくという重要なターニングポイントなのだ、と気づかされます。
実際、この後には、派手なアクションシーンもさることながら、人間ドラマの部分にも引き込まれてしまい、後半は、あっという間に時間が過ぎていきました。
<「初対面」のもうひとつの意味>
二人が共演したのは、本作品が初めてではありません。
1995年の本作品から、遡ること20年あまり。フランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッドファーザー PERTⅡ」(1974年)で、二人は共演しています。
ただ、二人は共演しているとは言っても、1つのシーンで、二人が出会うシーンはありません。
ご覧になった方は、分かると思いますが、物語の構成上、劇中で、二人が出会うことは、あり得ないのです。
つまり。
本作品は、そんな二人が、20年以上の時を経て、「初めて、劇中で出会った」作品ということになります。
それ故、静かな会話ではあるけれど、そこには、ある種の凄みを感じさせる、名シーンだと感じています。
【全体評価】
初対面の後からの展開がとても素晴らしく、また、ラストは、普通のアクション映画にはない、深い感銘を受けることが出来、印象的な映像体験のできた作品でした。
3.0「出所は聞くなよ」
って台詞がなんか耳にこびりついている。あの状況だとちょっと悲しい意味のように聞こえるけど、違うのかな?もしかして、ギャングの間じゃオキマリの冗談(ギャングギャグ)だったりするんだろうか。
あとね、銃撃戦の時の音がすごくリアルだった。
だから、ああ、本物志向なのねこの監督、と思った。
ところが、人質を抱いて逃げる男に対して、遠くから犯人だけを撃って少女は無事助かるというシーンがあったわけ。おいおい、そこはリアルに寄せないのかい!ファンタジー作品かい!?と私の突っ込みも少しだけHEATしちゃった(笑)
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