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ハロルドとモード 少年は虹を渡る

劇場公開日:

解説・あらすじ

「さらば冬のかもめ」「シャンプー」「帰郷」といった名作で知られるハル・アシュビーの監督第2作。広大な邸宅に住み、ほしいものは何でも手に入る立場にありながら、死に取りつかれた自殺マニアの少年ハロルドは、ある時、80歳の老女モードと出会う。生きる喜びに満ちていたモードとハロルドはやがて互いに愛し合うようになるが……。ふたりの交流を通じて、愛すること、生きることの素晴らしさを描いた青春映画。日本でも上演された大ヒット舞台劇の映画化作品。1972年日本初公開。2010年「ZIGGY FILMS '70S '70年代アメリカ映画伝説」でリバイバル上映。

1971年製作/91分/アメリカ
原題または英題:Harold And Maude
配給:日本スカイウェイ、アダンソニア
劇場公開日:2010年7月17日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第29回 ゴールデングローブ賞(1972年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル)バッド・コート
最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル)ルース・ゴードン
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(C)1971 Pramount Pictures Corporation

映画レビュー

3.0ほろ苦い成長

2025年2月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

 19歳のハロルドは何度も自殺を演じ、母は呆れていた。彼女は、そんな彼にカウンセリングを受けさせ、結婚させようとしたり、軍に入れようとする。そんな時、ハロルドは他人の葬儀で知り合った79歳のモードと意気投合し。
 モードの破天荒さは、ハロルドも驚くくらい。しかし、彼女はホロコーストの生き残りであるらしい。そんなところは「ソフィーの選択」を思い出させます。かなり年の差はあったけど、ハロルドにほろ苦い成長を促す結末でした、たぶん。
 青いマスタングがチラッと。裕福な家庭で、母がハロルドに買い与えるのがジャガーEタイプ。しかしハロルドは、なんと霊柩車に改造、しかも崖から落とすし。音楽も良いな、70年代。

sironabe

1.0変な映画

2025年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

寝られる

ハロルドは死に取り憑かれ、趣味は葬式という金持ちのお坊ちゃま。
葬式で出会った80歳になるおばあちゃんと意気投合し、理由のわからない行動を取る。
何が楽しいんだか、なんて思っちゃいけないんだろうな。

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いやよセブン

何ともコメントしづらい作品・・・

2025年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この映画は、なんだろう、肩の力が抜け切れてない若気の至り感が異様に鼻についてしまうのですよ・・・「俺には、こんな破天荒な設定でも、ハチャメチャな登場人物でも、軽妙洒脱なユーモアあり、心に響く人生訓あり、映像も適度にスタイリッシュでありながら、結果としてハートウォーミングでちょっぴり切ない(ラブ?)ストーリーを創れてしまうんだぜい!!」、みたいな・・・。ぜひ、同監督の恐らく最高傑作で、ピーター・セラーズの遺作ともなった「チャンス」と見比べてみると、そのあたりのコントラストが楽しめるのではないでしょうか?

satorudeluxe

4.0モードがハロルドに起こした「化学反応」が胸に痛い

2023年11月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ハロルドと「肝っ玉ばあちゃん」のモード。二人の出会いが、ハロルドの死生観を決定的に変革したことは、間違いないところだと思います。

学生の頃の蹉跌から、すっかり内向きになってしまっていたハロルドは、希死念慮に取り憑かれていたというよりは「死」というものを、どちらかというと興味本位、面白半分で捉え、重くは捉えていなかったように見受けられます。評論子には。

そうでなければ、他人の葬式を巡り歩いたり、マイカーとして霊柩車を乗り回したり、「せめてガールフレンドでも」と母
親が連れてきた女性の前で、手首を切り落とすようなパフォーマンスなんか、するわけがないと思うのです。

けっきょく、このことを憂いたモードがら、薬を飲んで自ら死を選びとることで、ハロルドに「死」の本当の意味=生きることの意味に気づかせた、ということになるように、評論子には思われます。
つまり、彼女自身が、文字どおり身を挺することで、いわば触媒となって、ハロルドの内側に「化学反応」を起こさせたと言えるのではないでしょうか。
そう考えると、親友としてハロルドを想うモードの心根が、ずしりと胸に痛い一本になると思います。評論子は。

老い先短い自分とは違って、ハロルドには、死を興味・関心の対象として捉えるのではなく、若者らしい生命感に満ちみちて生きて欲しいと、彼女は希(こいねが)っていたことは、疑いがありません。
それは、おそらくは死地(ホロスコート)から九死に一生を得てきたモードの本音だったことでしょう。

そして、その想いに気づき、その想いに応えたハロルドは、愛車の霊柩車をかっ飛ばしたあと、崖から落として粉微塵に壊してしまう。

それらの心根の純粋さというのか、温かさというのか、それらの想いに、胸がいっぱいになりそうな感慨が迫りました。

地元の市が主催する令和5年度男女共生セミナーで、女性納棺師のお話を聴く機会があり、「死を考えることで、より良く生きる」という考え方に触発されて来ましたが、本作も少年の死生観(の移り変わり)を描いた作品だったと記憶していたことから、初観から数年を経て、その講演を契機として、改めて観直すことにしたものでした。
観終わって、その「輝き」が少しもくすんでいないことも、嬉しく思いました。
何年間ぶりに再観しても、やはり、その素晴らしさはら、変わりはありませんでした、評論子には。

やはり、秀作であったと思います。

<映画のことば>
「死んでるのって楽しいと気づいたんだ。」
「分かるわ。そう思っている人って多い。でも、生きてるの。人生から逃げ腰になっているだけ。当たって砕けなさい。時には傷つくことも。でも、思いきりやるのよ。頑張って、相棒!懸命に生きるの。生き甲斐を求めて。じゃないと、面白味のない人間になる。」

talkie

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