ナインスゲート
劇場公開日:2000年6月3日
解説・あらすじ
辣腕の本の探偵コルソは、バルカン出版の社長ボリスから、最近彼が手に入れた1冊の本──17世紀の悪魔書「ナインスゲート」にまつわる仕事を依頼される。世界中に3冊しか存在していないこの伝説の本の残り2冊を探し出し、その真贋を確かめろというのだ。コルソはまず、ボリスにこの本を譲ったコレクター仲間を訪ねるが、彼は謎の自殺を遂げていた。危険を感じたコルソは本を友人バーニーに預けるが、翌日バーニーも本の挿し絵と同じ姿で殺される。
1999年製作/133分/フランス・スペイン合作
原題または英題:The Ninth Gate
配給:ギャガ・ヒューマックス共同
劇場公開日:2000年6月3日
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロマン・ポランスキー
- 製作
- ロマン・ポランスキー
- 製作総指揮
- ウォルフガング・グラッテス
- マイケル・チェイコ
- 原作
- アルトゥーロ・ペレス=レベルテ
- 脚本
- エンリケ・ウルビス
- ジョン・ブラウンジョン
- ロマン・ポランスキー
- 撮影
- ダリウス・コンジ
- 美術
- ディーン・タボウラリス
- 編集
- エルベ・ド・ルーズ
- 衣裳
- アンソニー・パウエル
- 音楽
- ボイチェフ・キラール
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映画評論
デップ+ポランスキーが誘う悪夢の迷宮
次々と開いていく中世風のゲート。きっかり9番目(数えてた)が開くと、画面 はビカーッと光のなかへ。禁断の悪魔祈祷書をめぐる冒険の開幕だ。ニューヨークに住む古書ディーラーが、世界に3冊しか現存しない悪魔書の真贋を究めるために、スペイン、ポルトガル、フランス...
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映画レビュー
4.0悪魔を呼び出す本の鑑定
1.5とにかく全体的に中途半端。
「中途半端」。この一語に尽きる。
ホラーやサスペンスとしては怖くもなく、悪魔の書を巡る「オカルト風味の謎」もミステリーの謎解きとしてはありがちで意外性が無い。
怪しげな組織や陰謀がらみと言うほど大げさでもなく、結局は「金持ちの個人収集家同士の本の奪い合い」でしかない。それでいて「悪魔の書」に魅入られていく「人間の愚かしさや恐ろしさ」にも焦点が当たっていないので、単に調査するだけの立場だったコルソが、自分の命の危険も顧みず、調査を続行しても利益が無い「悪魔の書」の謎解きに懸命になっていくプロセスに、納得できる動機が感じられなかった。
すべてが嘘ではなく、真実も隠されているという終わり方や、謎の女の正体をはっきりさせないのも、「見ている者に解釈を任せる」と言うと聞こえは良いが、結局、きちんと結末を描かないでも済むから曖昧にした、という安易さが窺える。
おまけに、お粗末なワイヤーアクションのおかげで、せっかくの作品の重厚な雰囲気まで安っぽいものになってしまっている。ミステリーとして悪魔の書を巡る 「人間の思惑が絡んだ謎解き」に特化するか、それが出来ないならホラーとして「不可知的な存在が絡んだ恐怖演出」に徹底するべきだった。
2.0責任放棄
希少古書のブローカーが、ある呪いの古書の争奪戦に巻き込まれる物語。
ジョニー・デップ主演のオカルトサスペンスですね。
全般的にサスペンス色の強い作品で、オカルトホラーには余り興味がない私にとって楽しめた作品でした。
謎の古書。その古書を狙う謎の人物。ボディガードのように主人公を守る謎の女性。謎が積み重なっていき、謎解きの期待感が膨らみます。
それだけにラストの分投げ方がすさまじく、拍子抜けしました。
脚本の段階で誰かダメ出ししなかったのでしょうか?古書の秘密も、その秘密によって何がどうなるも、その秘密を狙う秘密結社も・・・ぜ~ぶブン投げ。
どんなに中盤までが私好みでも、これでは評価は大幅に下げざるを得ないと思います。
私的評価は厳しめです。
4.5ポランスキーの趣味の良さを堪能し陶酔する映画
悪魔の書いた古書が存在し、それを入手した者は第9の門を抜けて悪魔の力を手にすることができる。その野望を抱いた蒐集家に依頼され、デップ扮する本の探偵が本物の悪魔の書を探して欧州各地を探索する…という話。
いちおう"ホラー"に分類されるんだろうが、これが怖いと思う人は一人もいないんじゃなかろうかw
というのも本作は全体に展開されたポランスキーの趣味を堪能し陶酔するための作品だからである。それに堪能できなければ退屈で下らない駄作で終わるが、陶酔した人にとってはポランスキーの作品中でも屈指の傑作となるはずだ。
で、その趣味の内容だが、ざっと言って次のような箇所を挙げることができる。
1 書物や書斎の手触り、質感
冒頭、悪魔の書の一部を所蔵する愛書家が遺書を記した後、首を吊って自殺するのだが、その書斎、紙やペンの高級感、机や革張り椅子の質感がたまらなく物欲をくすぐる。これは愛書家の理想郷ではないかw
次のシーンでは、他の愛書家の蔵書整理に訪れたデップが、書棚に並ぶいかにも年代を経た感じの革張りの古書に囲まれ、ウイスキーを嗜みながらプロらしいぞんざいな手つきで本を抜き出しては表紙を叩いて能書きを垂れる。その仕草がたまらなく魅力的だ。
2 バーニー古書店の螺旋階段
1で『ドン・キホーテ』の稀覯本4冊セットを買い叩いたデップは、早速それを売り捌くために友人の古書店に行く。そこでまたウイスキーのタンブラーを傾けながら、イチャモンをつけてきた間抜けな同業者を笑い者にするのだが、この書店の佇まいがまたいい。
高い天井までみっちり作りつけられた書棚で三方の壁が埋まる中、中心の螺旋階段から本を片手に降りてくる書店主の姿…これもまた愛書家の理想郷である。
稀覯本を手にした友人は装丁を見、紙質を確かめ、印刷を点検して、"All four volumes…Son of bitch!"と呟く。これもたまらないw
3 デップの布カバン
デップが肩にぶら下げた、本やノート、ペン、さまざまな小物を入れた布カバンが、ラフでヤサグレた感じの服装にマッチし非常に洒落ていて恰好いい。
4 ウイットに富んだセリフ
依頼人の出版社社長の講演会場に出かけたデップは、そのまま椅子で居眠りしてしまう。熟睡から目覚めた彼に社長がかけた言葉は
”I see you are stimulated by my little talk,Mr.Corso.”
(ボクのささやかな話がそれほど刺激的だったかね、コルソ君)
クスリとさせられる。
そして悪魔の書を取り返しにきた女がデップとセックスした後、彼のカバンを探るが、本がないのに怒って
女 "Don't fuck with me!"
(バカにするんじゃないわよ!)
デップ "I thought I already did. "
(もうしちまったと思うがな…)
その他、タバコの灰を稀覯本に落としても手で払って平然としている双子の造本家、没落を絵に描いたような蔵書家の何もない家等々、映画のいたるところに見る者のユーモアをくすぐり欲望をそそり美意識を刺激するシーンが散りばめられている。
小生などにはたまらない快感なのだが、そのような趣味に無縁の人は「どこがいいのか」とシラケるだけかもしれない。
小生はもう十回以上、本作を見ており、まったく飽きることがない。見るたびに同じシーンにウットリし、同じシーンにクスクス笑わされている。しかし、ここのレビューを見る限りそんな観客は例外的なようで、残念きわまりない。
ちなみに映画のストーリーについては、どうやらデップは魔女に導かれて第9の門にたどり着き悪魔の力を手に入れたはずなのだが、あんないい加減な人間が魔力で何をするというのか想像もつかないのが、また笑えるところではある。
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