劇場公開日:2003年6月28日

解説・あらすじ
前作「オール・アバウト・マイ・マザー」でアカデミー外国語映画賞を受賞したアルモドバル監督、3年振りの新作。ドイツの舞踏家ピナ・バウシュの「カフェ・ミュラー」「炎のバズルカ」の舞台が登場、また、彼女と交際中のブラジルを代表するミュージシャン、カエターノ・ベローゾが歌う場面もある。劇中に登場する昔のサイレント映画「縮みゆく恋人」は、ムルナウ監督の「サンライズ」(27)を意識してアルモドバル監督が撮ったもの。
2002年製作/113分/スペイン
原題または英題:Talk to Her
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:2003年6月28日
スタッフ・キャスト
受賞歴
第60回 ゴールデングローブ賞(2003年)
受賞
最優秀外国語映画賞 |
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映画評論
この「濃さ」が眠っているエモーションを呼び覚ます
濃い。とっくり濃い。アルモドバルは顔も濃ければ映画も濃いが、近作はとみに醸造の度が増して、今回の濃度もすごい。でも底流に漂う空気は、しんしんと寒い。登場人物や仕掛けがカラフルな分、それぞれの孤独が深く見える。ピナ・バウシュのダンス公演で偶然、隣り合わせた...
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映画レビュー
4.0アルモドバルの突き抜けた人間讃歌
主人公(なのかな?)ベニグノの行動に賛否あるようだ。まあそりゃそうだ。なんせ犯罪だからね。
しかし観ていて自分にはベニグノが行為に及んだとは思えなかった。つまり彼は犯人ではない。実際ベニグノは自分がやったとは言っていない。
愛する人のため介護士の資格を取り尽くす。この行為は、仮に元々恋人や伴侶であったならただの美談だ。
ここまで狂人的に尽くせる男であれば、彼女の妊娠がどこかの誰かのせいであるよりも、自分であると錯覚することのほうが受け入れられるのではないか。
ベニグノは、どこかの誰かに犯されてしまった事実と自分が投獄され彼女と会えなくなることを天秤にかけ、後者を選んだ。
普通に考えれば、ベニグノが罪を受け入れたとしても事実は変わらないわけで、何の意味もないように思えるけれど、ベニグノにとっては違ったように感じる。
ベニグノにとっての究極の選択ののち、彼はさらなる選択をする。彼女と共に生きるために自らも昏睡状態になろうとした。
その試みは残念ながら失敗に終わってしまうけれど、愛する彼女は目覚め、新しく幸せに生きられそうなエンディングは、ある意味でベニグノにとっても彼女にとってもハッピーな終わりなのかもしれない。
本作の監督ペドロ・アルモドバルの作風は基本的に人間讃歌である。
とはいっても普遍的な普通の人を物語の中心に置くことはない。どこか突き抜けた人や、特殊な状況に置かれた人などを描く。
多くの人がレビューなどで「共感」というフレーズをよく使う。共感したとか、共感出来ないとか。この「共感」がアルモドバル監督作の場合はそもそも起きにくい。普遍性が薄いから。
動物園の動物を見るように作品の中のキャラクターを見る。キャラクターに対して観る側の私たちが得られるものは「理解」だけである。
何が言いたいかというと、アルモドバル監督作品を観て私たちがすることは、共感出来ないキャラクターへの批判ではなくて、彼らが何を考え何を思ったか考察することだけなのだ。
そして、観る側が何を感じたかだけが重要なのである。
0.5全編に渡って吐き気をこらえた。最後の最後まで楽にしてもらえなかった...
4.0昏睡状態の女子の患者を男子の看護師が犯し、その男子の看護師が刑務所...
4.0愛に定義はない
いい映画でした。
さまざまな表現で人生や愛を語る。容易く言い表せないような文学の世界に迷い込んでしまいそうでした。
冒頭はピナ・バウシュの「カフェ・ミュラー」の舞台背景。女性が踊り進む中、テーブルやら椅子を男性が、女性が渡っていきやすいように、移動させるシーン。
それを観て涙するマルコを隣に座るベニグノが微笑ましそうに見つめる。
映画を最後まで見ると冒頭のシーンは暗喩的でもあります。
物語は、女闘牛士リディアとマルコの出逢いとアリシアとベニグノの交流が並行して進みますが、リディアは雄牛に突撃され植物状態に。アリシアは4年前に交通事故で昏睡状態に。互いのパートナーを見守るベニグノとマルコの間に友情も芽生えます。
ラストはアイロニーに満ちて、哀しくもあるのですが、アリシアとマルコの出逢いのスタートも感じさせます。
サイレン映画の「縮みゆく男」も秀逸。女性のヴァギナに埋没した男はベニグノの象徴だったのかも。
リディアが闘牛の試合に出る前の、衣装の着用が印象的。身体にぴっちり纏う姿はいくさに出陣する戦国武将のようでした。
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