少林サッカー : 特集
「少林サッカー」
&珠玉のサッカー映画たち
2nd Round
世界の強豪国ならではの、サッカー映画たち
柳下毅一郎
FIFAランキング2位/出場17回・優勝4回

FIFAランキング1位/出場11回・優勝1回

FIFAランキング12位/出場15回・優勝3回

FIFAランキング6位/出場15回・優勝3回

FIFAランキング11位 出場11回・優勝1回

サッカーは世界最大のスポーツである。それはもはやただのスポーツではなく、ひとつの文化現象だ。サッカー文化の中には当然映画も含まれる。サッカー映画が競いあう映画ワールドカップだって開けてしまうのだ。
まずは最多4度優勝を誇るブラジルから。70年ワールドカップ優勝メンバーである英雄ガリンシャの伝記映画には「人民の喜び」というタイトルがついている。これだけでもガリンシャがどれほど愛されていたかがわかろうというものだ。だが、残念ながらこれは日本未公開なので、もう1人の英雄、神様ペレの映画を代表に選ぶ。「勝利への脱出」はシルベスター・スタローン主演の戦争脱獄アクションである。第2次大戦中、連合国の捕虜たちがドイツ人将校のサッカー好きに目をつけて、捕虜チーム対ドイツ軍チームのサッカー試合をやろうと考える。捕虜チームは綺羅星のごときスター軍団でペレに元横浜監督のアルディレス、ボビー・ムーアなどが揃っていた。もちろん最後はペレが十八番のバイシクル・シュートを披露する。
今大会、栄光は誰の手に?
フーリガンの動向にも注目
前回優勝、今年も優勝候補筆頭のフランスなら「エリザベス」。イギリス映画のしかも時代劇がなぜ?というところだが、実はフランス大使役で“キング”エリック・カントナが出演しているのだ。別にボールを蹴るわけでも客を蹴るわけでもないので、カントナの顔を知らない映画ファンにとってはただのおっさんにしか見えないが。その意味では真にプロの俳優とも言えるかもしれない。同じくプロ俳優と化したサッカー選手にはガイ・リッチー作品や「60セカンズ」に出演している元ウェールズ代表のビニー・ジョーンズなんてのもいる。
今大会では予選がボロボロでまわりから舐められきっているドイツだが、過去3回優勝の大国だけに映画の層は意外と厚い。あまりに運動神経のなさそうなビム・ベンダースでさえ「ゴールキーパーの不安」なんて映画を作っているくらいだ。これはプロチームのゴールキーパーが審判に口答えしたせいで退場になり、ぶらっと出かけた先でぶらっと女を殺してみる……といったドラマがヴェンダースらしく淡々とした調子で描かれる。この殺人ゴールキーパー、試合を見にいくと隣に座った客に向かって「PKのときはみなフォワードにばかり注目するが“PKを受けるゴールキーパーの不安”も見て欲しい」と講釈するのである。そういうわけで、川口君にも注目してください。
イタリア代表は先のイタリア新作映画祭で上映された「サンタ・マラドーナ」。マラドーナと言えばナポリの英雄だから、当然ナポリを舞台にしたサッカー馬鹿たちのドラマなのか? と思ったらあにはからんや舞台はトリノで、主人公たちが見にいく試合はユーベVSインテルだった。看板に偽りありか? それなら正しいファン映画としてイングランド代表「Fever Pitch」を挙げておこう。これはアーセナル・ファンの作家ニック・ホーンビイの書いた自伝的フットボール・エッセイ「ぼくのプレミア・ライフ」の映画化である。ホーンビイ自身が脚色に参加した映画版は、フットボール狂いの英語教師と同僚の女教師とのあいだのラブストーリーになっている。主人公はあまりにサッカー狂いなので、1年は8月にはじまって5月に終わり、彼女への賛辞は「ジョージ・グレアムみたいだ」である。2人の恋は88/89年シーズン、アーセナルが18年振りの優勝に向かって突っ走った年にチームの軌跡そのものの急展開を見せる。人生がチームと重なりあう、サッカー・ファンにとっての至福が訪れるのだ。
さて、では優勝はどこだろう? 実はクライマックスがヘイゼルの悲劇になるJ=L・ゴダールの「右側に気をつけろ」だったりして!
アジアの辺境でも、W杯観戦者の雄叫びが
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