Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


映画のことなら映画.com
ホーム >作品情報 >映画「サマリア」

サマリア

劇場公開日:

    サマリア

    解説・あらすじ

    「春夏秋冬そして春」のキム・ギドク監督が援助交際をモチーフに10代の少女2人の心の交流を描き、04年ベルリン映画祭銀熊賞を受賞。女子高生ヨジンは、親友チェヨンが援助交際をするのに抵抗を感じながらも見張り役になっていた。が、ある日、警官の取締りを逃れようとしたチェヨンが窓から飛び降りて死亡。ショックを受けたヨジンは、罪をあがなうために、チェヨンの援助交際相手たちを訪ねてお金を返して回ろうとする。

    2004年製作/95分/R15+/韓国
    原題または英題:Samaritan Girl
    配給:東芝エンタテインメント
    劇場公開日:2005年3月26日

    スタッフ・キャスト

    監督
    製作総指揮
    キム・ドンジョ
    キム・ユンホ
    脚本
    キム・ギドク
    撮影
    ソン・サンジェ
    美術
    キム・ギドク
    編集
    キム・ギドク
    音楽
    パク・ジウン
    全てのスタッフ・キャストを見る

    受賞歴

    詳細情報を表示

    関連ニュース

    関連ニュースをもっと読む

    映画評論

    だからギドク監督の作品はこうも切ないのだ

    あぁ、切ない……。韓国の鬼才キム・ギドクが紡ぎ出す物語は、こうも人の心をかき乱すのか。映画「サマリア」は、女子高生による援助交際がきっかけで始まる愛と憎悪の物語。監督が一貫して描いてきた、韓国社会の暗部に生きる人たちが主人公だ。だが監督は彼らに制裁を加え...

    この映画評論・批評を読む

    フォトギャラリー

    画像1
    • 画像1

    映画レビュー

    4.0意図を汲み取るのが難しかったが、間違いなく名作

    2024年6月6日
    PCから投稿
    鑑賞方法:DVD/BD
    ネタバレ!クリックして本文を読む

    十数年ぶり2度目の鑑賞。

    冒頭のチェヨンのかわいらしさやラストシーンの圧倒的な美しさだけが印象に残っていたが、何を訴えている映画なのかが全く思い出せなかったので再鑑賞。

    実際2度目に見てみてもストーリーの軸というか本質的な物語の意図はキャッチしづらかった。
    鑑賞後に色々調べていたらキム・ギドク本人がフルショット映画というワードを使って、個人ではなく人間が社会の中でどのように矛盾を抱いているかという点にフォーカスした映画だと説明していたのが最も本質に近いヒントだと思った。

    この作品は「バスミルダ」がチェヨン、「サマリア」がヨジン、「ソナタ」がパパを主人公としたような構成になっている。
    第一章:チェヨンは娼婦に憧れているという設定だが、本質はそこではなく寝た男性を幸せにする存在に憧れている存在といえる。だから少女売春をしている男性たちも、普通に職に就き、普通に家庭を持ち、普通に優しい人だったりするところを発見する。それが愛するヨジンを苦しめる。
    第二章:サマリアとは、新約聖書でサマリア人がユダヤ人を助けるという善行を示していることから、「慈善や隣人愛の象徴」として例え話に用いられるとのこと。ヨジンはまさに贖罪として慈善・隣人愛を男に提供したかった、あるいはチェヨンに対する愛情からバスミルダ役を代わることに意味を見出して売春を始めたのだろう。それがパパを苦しめる。
    第三章:ソナタはヒュンダイが発売する韓国で最もポピュラーな商用車であり、ごく一般的な成人男性としてパパに準える。このポピュラーな車で毎日娘を学校に送ったり、その中で良かれと思ってキリストが起こした奇跡を語ることも、シングルパパの強い愛情として象徴的に描いている。娘が売春していたらストレートに娘と対話ができず売春相手を一方的に殺すほど憎むのも、一般的な弱さを抱える男性として充分にあり得るリアルな描写だと感じた。

    三者三様に、それぞれの憧れや正義や愛があり、そのために行動をした結果愛する人を極限まで苦しめる結果になっている。多分キム・ギドクが軸にしたかったのはこの辺だと思う。

    結果、唯一最後にパパが愛情表現した車の教習だけが、なにか前向きな影響を愛する相手に与える行為だったようにも見える。それが象徴的に娘の自立を促す行為だったのも理解ができた。父親の娘に対する愛だけは、ねじ曲がっても最終的には与えるものを与えて終わっている。

    以上が2度目に鑑賞した末に色々調べてようやく腹落ちしたストーリーの軸だったが、その辺を意識せずともラストシーンの美しさはキム・ギドクならではだったと思う。
    彼はよく北野武と比較されるが、ラストシーンにおいて健気に涙ながらに父親を追うヨジンの感情を、肉体を映さずに車という無機物で表現する手法は、(表現しているものこそまるで違うが)北野武が「野球やろっか」のシーンでピッチングマシーンに憎悪を表現させていたのに似ていると思う。その表現力も圧巻だと思う。

    ただ、20年前に見た時にも感じた「3階から飛び降りて死ぬか?」とか、「なんで黄色いペンキ持ってんねん」みたいな、リアリティの部分や
    サマリア≒ヨジンの売春の動機だけがどうも飲み込みづらく、それが全体の意図を把握しづらくしている点など、気になるところは多かった。

    ヨジンとパパの旅行は、あまりに美しい白んだ朝靄の風景で終わる。この早朝の白みと、車という無機物で表現されたラストシーンは、「嘆きのピエタ」と重なるところがあったので比較対象になった。率直な感想として本作は充分に評価すべき名作だが「嘆きのピエタ」の方があらゆる点で完成度が高いと感じた。

    wutang

    4.0なぜだかドラえもんのキーホルダーが印象に残ってしまった。そして鑑賞後、無性に太巻きが食べたくなったのは言うまでもない・・・

    2022年3月4日
    PCから投稿
    鑑賞方法:映画館

     何の予備知識も持たず、単に援助交際に走ってしまった二人の少女の物語だろうと高をくくっていた。ある意味純真で、大人から見た社会常識の枠にとらわれずに二人の旅行のために売春を続けるチェヨンと、MSNメッセンジャーで客と交渉し金を管理するヨジン。警察の手入れに対してもゲーム感覚で対処する二人には、社会から取り残され、周りには夢と偽りの愛しか存在しなかったのではないでしょうか。二人の少女の物語と言えるのは、この第一部「バスミルダ」だけ。しかも、衝撃的なストーリーで締めくくられる。

     第二部「サマリア」では、別の衝撃ストーリーが展開する。「バスミルダ」とははチェヨンが憧れる娼婦であり、男を幸せにして仏教に帰依させる不思議な伝説の女性であるが、それに対し「サマリアの女」が偏見や差別を受けながらもイエス・キリストを信じるようになる女性をモチーフにしているようだ(しかし、少々こじつけ気味でもある)。自分にも男を幸せにできることも発見したし、チェヨンが得た金を男に直接返すことによって罪を償っているかのような展開でした。

     第三部「ソナタ」では、更に驚愕の展開が!二つの宗教的な関係を、韓国で最も売れている大衆車の名前を使い、宗教からは離れ、一般的な男(ヨジンの父親)の視点で進んでゆく。第二部で警官の父親が娘ヨジンの行為を目撃してからというもの、本人に問いただすことなく、一緒に寝た男たちに報復するという独善的な解決法を取ることになった。そして、父と娘の旅行へとストーリーは進む・・・

     この映画には、全編通して興味深い小物の伏線が多数存在する。「石」が報復対象への攻撃手段、車のスタックの原因、埋葬、車の教習等々と意味を変化させ、「車」に対するヨジンの心理も微妙に変化する。「洗い流す」行為も、浴場で二人が体を洗うシーン、お札と小切手に一旦火をつけるが煤を洗い流すシーン、そしてべったりとついた血を洗い流すシーンと、比較するのも面白い。

     途中まで感じたのは、「バスミルダ」での少女たちの会話がたどたどしかったことや、意外すぎるほどの行動に戸惑いを覚え、父親の豹変ぶりに唖然としたことによって、平凡な感想しか用意できなかった。しかし、公式サイトや「サマリア」の意味を調べるうちに、映画の見事な構成力に納得し、正しいと信じて行動したヨジンが父親に理解されずに置いていかれた切ないラストシーンが沸沸とよみがえってくる。本能にまかせることしかできない不器用な男たちと、社会から隔絶されてしまった純真無垢な少女が虚しく残像として記憶されてしまった・・・

     本来なら、衝撃度や後味の悪さに加え、急展開する内容の映画は好きなのですが、偽物の愛に縛られている登場人物に前向きな姿勢を感じられなかったのが残念。本物っぽい愛といえば、チェヨンに対するヨジンの愛だけしかなかったように思います。その唯一の愛が第一部「バスミルダ」で終わっているのでバランスが悪いと感じました。時系列をいじって、最後にも愛を感じられればもっといい映画になったかも・・・

    【2005年6月映画館にて】

    kossy

    4.0新約聖書

    2019年7月6日
    iPhoneアプリから投稿
    鑑賞方法:DVD/BD
    ネタバレ!クリックして本文を読む

    娘を愛するがゆえに結果的に殺人者となり、皮肉なことに妻を殺害した犯人と同じ罪を犯してしまった。当然、娘の援助交際を咎めることなどできるはずがなく自分の罪を悔い改めるしかできない。

    T

    3.5どの愛をとるか

    2018年4月8日
    PCから投稿
    鑑賞方法:DVD/BD

    悲しい

    難しい

    恋愛はボランティアではないと言われるが、ボランティアも愛がなければ出来ない。配偶者や恋人、家族、友人を愛するのは普通だが、稀に、汝の敵や隣人を愛せる人もいる。愛は正しいとされるが、多数の種類の愛の中で、どの愛を取るのが正しいのかは示されない。人を愛するには、その人がどの愛を取っても赦す愛が必要となる。一つの愛は他の愛を裏切る。

    ひろち

    さんのブロックを解除しますか?

    さんをブロック

    ブロックすると下記の制限がかかります。

    • ・お互いのアカウントをフォロー出来なくなります。
    • ・お互いのレビュー、コメント、共感した!、Check-in情報を見ることが出来なくなります。
    • ・過去のあなたのレビューに対するさんのコメント、共感した!が表示されなくなります。
    • ※あなたがブロックしたことは相手側に通知されません。

    映画.com注目特集

    3月21日更新
    ガンニバルの注目特集
    注目特集ガンニバル

    【衝撃の問題作】なぜ世界は本作に熱狂する?この村は人を喰ってる――“絶対的支持”の理由を解説

    提供:ディズニー

    【ラスト5分の破壊力】そして“観たことないシーン”のゲリラ豪雨に、感動を超えてもはや放心状態――

    提供:東和ピクチャーズ

    【あまりにオススメされるので、シリーズ未見だけど観てみた】結果は…ハマるまでのリアルドキュメント

    提供:ツインエンジン

    【映画2000円は高すぎる!!?】知らないと損な“1250円も安く観る裏ワザ”、ここに置いときます

    提供:KDDI

    注目作品ランキング

    1. 1

      ウィキッド ふたりの魔女劇場公開日 2025年3月7日

      ウィキッド ふたりの魔女
    2. 2

      白雪姫劇場公開日 2025年3月20日

      白雪姫
    3. 3

      35年目のラブレター劇場公開日 2025年3月7日

      35年目のラブレター
    4. 4

      映画ドラえもん のび太の絵世界物語劇場公開日 2025年3月7日

      映画ドラえもん のび太の絵世界物語
    5. 5

      お嬢と番犬くん劇場公開日 2025年3月14日

      お嬢と番犬くん
    注目作品ランキングの続きを見る

    映画ニュースアクセスランキング

    • 昨日
    • 先週
    1. 1

      「悪い夏」から考える「日本アカデミー賞受賞に有利な3人の俳優」とは?【コラム/細野真宏の試写室日記】2025年3月22日 08:00

      「悪い夏」から考える「日本アカデミー賞受賞に有利な3人の俳優」とは?【コラム/細野真宏の試写室日記】
    2. 2

      伝説の男・只野仁が“令和コンプライアンスブレイクスルー版”で蘇る 「特命係長 只野仁」シリーズ、TVerで配信2025年3月22日 00:00

      伝説の男・只野仁が“令和コンプライアンスブレイクスルー版”で蘇る 「特命係長 只野仁」シリーズ、TVerで配信
    3. 3

      涙する永野芽郁、ガンを飛ばす大泉洋 「かくかくしかじか」9年にわたる濃厚な物語が凝縮された場面写真10枚公開2025年3月22日 10:00

      涙する永野芽郁、ガンを飛ばす大泉洋 「かくかくしかじか」9年にわたる濃厚な物語が凝縮された場面写真10枚公開
    4. 4

      ジェームズ・ガン監督が明かす「スーパーマン」を作る意義 DCスタジオの社長業についても語る【撮影現場で直撃】2025年3月22日 11:00

      ジェームズ・ガン監督が明かす「スーパーマン」を作る意義 DCスタジオの社長業についても語る【撮影現場で直撃】
    5. 5

      ゲーム原作「グノーシア」10月放送開始 メインキャストに安済知佳、長谷川育美、鬼頭明里、七海ひろき、瀬戸麻沙美2025年3月22日 06:00

      ゲーム原作「グノーシア」10月放送開始 メインキャストに安済知佳、長谷川育美、鬼頭明里、七海ひろき、瀬戸麻沙美
    1. 1

      ニコラス・ケイジの変貌ぶりがヤバすぎて主演女優の心拍数が「76→170」に跳ね上がる「一生忘れない」2025年3月11日 18:00

      ニコラス・ケイジの変貌ぶりがヤバすぎて主演女優の心拍数が「76→170」に跳ね上がる「一生忘れない」
    2. 2

      櫻井翔×北川景子「映画 謎解きはディナーのあとで」3月29日に放送2025年3月14日 16:00

      櫻井翔×北川景子「映画 謎解きはディナーのあとで」3月29日に放送
    3. 3

      「日曜アニメ劇場」3月16、23日に「宇宙戦艦ヤマト2199」劇場版2作を放送 30日は「ルパン三世VSキャッツ・アイ」2025年3月14日 18:00

      「日曜アニメ劇場」3月16、23日に「宇宙戦艦ヤマト2199」劇場版2作を放送 30日は「ルパン三世VSキャッツ・アイ」
    4. 4

      【閲覧注意】台湾ホラー「ガラ」5月9日公開決定! 衝撃の日本版ビジュアル&予告編&場面写真を一挙公開2025年3月10日 08:00

      【閲覧注意】台湾ホラー「ガラ」5月9日公開決定! 衝撃の日本版ビジュアル&予告編&場面写真を一挙公開
    5. 5

      【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙2025年3月14日 22:55

      【第48回日本アカデミー賞】最優秀作品賞は「侍タイムスリッパー」 安田淳一監督&山口馬木也が涙
    映画ニュースアクセスランキングをもっと見る
    スクリーニングマスター誘導枠

    他のユーザーは「サマリア」以外にこんな作品をCheck-inしています。


    [8]ページ先頭

    ©2009-2025 Movatter.jp