劇場公開日:1993年1月15日
解説・あらすじ
映画会社の重役グリフィンは脅迫状まがいの葉書を送りつけてきた脚本家デビッドを勢いあまって殺してしまう。その後、グリフィンは殺人の事実を伏せたまま、デビッドの恋人ジューンと親しくなっていく。一方、警察の捜査も進んでいたが……。ハリウッドから離れて映画製作を行なっていたロバート・アルトマン監督が見事復活を果たしたブラック・コメディ。ハリウッド業界を皮肉った作品ながら、ハリウッドの人気映画人たちが大挙してカメオ出演している。
1992年製作/124分/G/アメリカ
原題または英題:The Player
配給:大映
劇場公開日:1993年1月15日
スタッフ・キャスト
受賞歴
第65回 アカデミー賞(1993年)
ノミネート
監督賞 | ロバート・アルトマン |
---|---|
脚色賞 | マイケル・トルキン |
編集賞 | ジェラルディン・ペローニ |
第50回 ゴールデングローブ賞(1993年)
受賞
最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル) | |
---|---|
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) | ティム・ロビンス |
ノミネート
最優秀監督賞 | ロバート・アルトマン |
---|---|
最優秀脚本賞 | マイケル・トルキン |
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フォトギャラリー
映画レビュー
3.5堂々と描く映画プロデューサーの傲慢。
〇作品全体
物語の展開が、そのまま映画プロデューサーの役割を表現するような作品だった。
映画プロデューサーの役割が「シナリオライターの憎まれ役」という特殊なポジションであることが主人公・グリフィンを通して分かる。プロデューサー側からすれば毎月100件以上のライターの売り込みをさばかなければいけない事情があるが、ライター側からすれば自分の熱意を25語だけで語らなければならず、それが伝わらなければ切って捨てられてしまう。熱意をぶつける機会すらくれず、連絡もよこさないプロデューサーだと一方的に切り捨てられたような恰好だ。そんな力関係が、まずケヘインの殺害シーンで表現される。一方的にグリフィンに感情をぶつけ、そしてグリフィンの反撃によって息絶えるケヘインは、前述したプロデューサーとライターの関係性そのままだ。どれだけ熱量を伝えても返ってくる反応は少なく、ビジネスの上で推し量られてしまう。そしてその熱量が目障りであればドブ水に頭を叩きつけられるように切って捨てられる。物語のカギを握るショッキングなシーンだが、力関係から見れば当然の結末のように見えてしまう。「プロデューサーがライターを殺す」が比喩表現としても、実際の物語上での出来事としても存在しているわけだ。
ラストのハッピーエンドも、映画プロデューサーという役割が悪い意味で影響力のあることを表現する。グリフィンが作中でハッピーエンドを望むことを何度も口にするが、これは単なる好みではなくて「ハッピーエンドに捻じ曲げる力を持っている」ということの誇示だ。本作ラストのハッピーエンドはグリフィンにとって物凄く都合が良い。気に食わないライターを殺し、警察からは金の力でかいくぐって運良く逮捕されずに済み、ライターの女と幸せに暮らす。さらに自分の地位は守られ、もはや不審な手紙を送ってくるライターには余裕をもった返しをする。その「できすぎた気持ち悪いハッピーエンド」は、作中で制作が進む「強引にハッピーエンドに捻じ曲げられた作品」と重なって映る。どちらもプロデューサーの力を駆使して出来上がったハッピーエンドであり、そこには殺されたライターの真実も、物語を書いたライターの真意も存在しない。あるのは自己の利益を追求する欲望だけで、そのずるがしこさが鼻につく。
しかし、本作を見た後味はすごくすっきりとしたものだった。それは多分、グリフィンという登場人物の「プロデューサーとしてのブレなさ」が作品の中心を貫いているからだと思う。映画業界の中心に立つプロデューサーの存在を堂々と醜く描いた本作には、醜さだけでなく映像作品としての面白さも詰まっていた。
〇カメラワークとか
・8分ほどあった冒頭の長回し。映画関係者が忙しそうにせわしなく動き回る姿が印象的だが、グリフィンは優雅に車から降りて、そのあとは部屋からほとんど動かない。この誰が世界の中心として存在しているのかを知らしめるようなオープンニングだった。
〇その他
・アルトマン作品の主人公は傲慢なんだけれど、その傲慢さを派手に見せないところが好きだ。『MASH』のホークアイも終始好き勝手やってるけど、感情を派手に表に出さないからクールに見える。『ロンググッドバイ』は傲慢とは少し違うけど、自分の進みたい方向性を一貫して持っていて、それでいて強く主張しないのがかっこいい。本作のグリフィンも相当好き勝手やってるけど、「映画プロデューサーで居続けること」という軸をブレない範囲で維持し続けているのがかっこいい。やっていることは最低なんだけど。
5.0犯人は誰?
4.0【”映画よ、永遠なれ”今作は、”映画界で生き残るには何でもありなんだ!”というロバート・アルトマン監督のシニカル、ブラックな映画業界に対するメッセージが込められた観る側を、見事に騙す逸品なのである。】
■大手映画会社の重役としてプレッシャーの中、多忙な日々を送るグリフィン・ミル(ティム・ロビンス)。ある日、いつものようにオフィスに出勤した彼は1通の”殺す”と書かれたハガキを目にする。その後もハガキは何通も彼の元に届き、身の危険を感じた彼はハガキを出したと思われる人物を特定する。それは、自分の脚本が採用されない事に不満を持っていたデヴィッド・ケヘイン(ヴィンセント・ドノフリオ)だった。
夜半、彼と会ったグリフィンは、デヴィッドから突き落とされた事に立腹し、逆に彼を殺してしまう。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作では序盤にグリフィンがデヴィッドを探しに行った映画館で掛かっていた「自転車泥棒」を始めとして、名作と言われる映画のタイトルや、実在する俳優の名が多数台詞に盛り込まれ、後半にはブルース・ウィリス、ジュリア・ロバーツ、ピーター・フォークなどの名優が”映画の中で”多数出演する。
・グリフィン・ミルは、デヴィッド・ケヘインの恋人ジューン(グレタ・スカッキ)の名を使って彼を怒らせるが、それも全てミルの計算のうちに入っていたと解釈出来る。
■今作が面白いのは、虚実を織り交ぜた構成と、グリフィン・ミルを演じたティム・ロビンスの”迫真の演技”である。
又、デヴィッド・ケヘインの脚本は、ジューン曰く”ハッピーエンドを嫌っていた。”モノである事が劇中に語られるが、今作のストーリーは、正に映画ではヒットしない事が多いとされるアンハッピーエンドではなく、ブラック極まりないハッピーエンドなっているし、彼のライバルが激賞し、映画化された作品は、”アンハッピーエンド”で会ったが、実際にはブルース・ウィリス演じる男が、ガス室に送られたジュリア・ロバーツ演じる女を助け出す”ハッピーエンド”に変更されて作られ、試写室で放映されるのである。
そして、その事に”リアリティがない”!”と反発したグリフィン・ミルの且つての恋人ボニー(シンシア・スティーヴンソン)は首を宣告され、グリフィン・ミルは彼女を”君なら大丈夫さ。”と庇おうともしないのである。
<今作は、劇中にミルが言う、映画に不可欠な条件は”サスペンス、笑い、暴力、希望、愛情、ヌード、セックス、ハッピーエンド”という言葉通り、全てを”脚本に詰め込んだ”作品であり、”映画界で生き残るには何でもありなんだ。!”というロバート・アルトマン監督のシニカル、ブラックな映画業界に対するメッセージが込められた作品なのである。>
5.0ミルが熱愛中だったガールフレンドを簡単に乗り換えたり、 米国の司法制度にいろいろ疑問がある内容だが、 見応えがあるいい映画だった。 人生は運次第なのかもしれない。
動画配信で映画「ザ・プレイヤー」を見た。
1992年製作/124分/G/アメリカ
原題または英題:The Player
配給:大映
劇場公開日:1993年1月15日
ティム・ロビンス
グレタ・スカッキ
フレッド・ウォード
ウーピー・ゴールドバーグ
ピーター・ギャラガー
ロバート・アルトマン監督といえば、
著名で「M★A★S★H マッシュ」を撮ったことで有名らしい。
オレは一つも見たことがない。
ハリウッドの映画スタジオ。
脚本担当重役のグリフィン・ミル(ティム・ロビンス)は、
駆け出しの映画脚本家たちによる脚本の持ち込みに忙殺される日々を送っていた。
そのうち、ミルのオフィスには脅迫状まがいのハガキやファクシミリなどが届くようになる。
それらにうんざりしていたミルは犯人と思しき脚本家を問い詰めようと、
相手がいるという映画館を訪ねた。
そこでミルと脚本家はもみ合いとなり、
脚本家は結果的に死んでしまう。
ミルは知らぬ顔でそこを立ち去った。
ミルと脚本家が会っていたことはやがて周知となり、
ミルは警察に追われる身になる。
物語のハイライトは、
目撃者が警察署で容疑者であるミルを面通しする場面だと思う。
ミルの運命は?
刑事役のウーピー・ゴールドバーグがいい味を出していた。
ミルが熱愛中だったガールフレンドを簡単に乗り換えたり、
米国の司法制度にいろいろ疑問がある内容だが、
見応えがあるいい映画だった。
人生は運次第なのかもしれない。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
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